誓いの言葉

暖かな春の訪れとともに、本日、私たち新入生百三十一名は稲付中学校の一員となりました。このような立派な入学式を準備していただき、ありがとうございます。
二月下旬より、今まで経験したことのない新たな感染症が流行し始め、長期間
の臨時休校となりました。突然の出来事に戸惑う中での卒業式に、卒業するさみしさ、久しぶりに友達に会えたことのうれしさ、今後の不安など、様々な思いが入り交じるものとなりました。また、今日までの約一ヵ月間、当たり前だと思っていたことができなくなり、本日の入学式も無事に行われるのか、不安な気持ちで日々過ごしていきました。しかし、この経験をしたことで、わかったこともあります。当たり前ということがどれほど有難いことかということです。やりたいことが自由にできるという環境がどれほど特別なことかということを知りました。やりたいことを応援してくれる先生方や友達、家族に感謝する気持ちになりました。そして、制限されている中でも、精一杯前を向き、楽しみを見い出し、稲付中学校の生徒の一人として成長していこうと思います。
　私が中学校で頑張りたいことは勉強と部活動です。中学校では小学校で学んだことよりも難しい内容を学習します。そのため、日々、勉強に励みます。私は算数が苦手だったので特に数学に力を入れ、得意な科目にしていきます。部活動では本気で頑張れる場所を見つけ、自主的に行動し、何があってもあきらめず努力していきます。もう一つは共に成長できる友達をつくることです。お互いを認め合い、みんなが笑顔でいられる、いじめのない学年を作っていけるようにしていきます。
　中学校生活は、今日スタートしたばかりです。不安なこともありますが、楽しみなこともたくさんあります。私たち新入生は、これから気持ちを新たにし、三年後には稲付中学校の生徒であったことを誇りに思えるよう、日々努力することをここに誓います。

春は夢が始まる季節です。色とりどりの花が咲き競う季節を迎え、柔らかな日差しの中にも新たな出会いを予感させる佳き日、北区立稲付中学校の入学式を挙行できることを大変うれしく存じます。新型コロナウィルスの影響で、本日の入学式も実施できるかどうかというところでしたが、今日という日を迎えることができました。入学式は、充分な準備も出来ず、普段とは違う形の入学式となり、心苦しい思いでいっぱいですが、新入生の皆さんの希望に満ちあふれた思いを受け止めつつ、気持ちだけは負けない入学式にしたいと思っております。
　新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
　さて、皆さんは、今日から稲付中学校の生徒です。新しい標準服に身を包んだ新入生の皆さんの顔は輝いてみえます。学校の臨時休業が続き、不安もあるとは思いますが、皆さんの顔を見ると、「今日から稲付中学校の生徒として頑張ろう」という決意も感じました。
　中学校生活は、長い人生の中で、最も伸び盛りの大切な時期です。一日も早く中学校生活に慣れ、充実した毎日を送ってほしいと願っております。また、今までの殻にとらわれず、新しい自分を見つけ、友達の素晴らしいところに学び、自分を鍛え、お互いに切磋琢磨し、稲付中学校を卒業する時、「稲付中学校で学ぶことができてよかった」と実感できるよう頑張ってください。
　さて、入学式にあたり、私から皆さんに二つのことをお話ししたいと思います。
　一つ目は、「夢や目標に向かって努力してほしい」ということです。中学校は小学校と違い、３年後には自分で選んだ進路に進んでいかなければなりません。３年後の自分の進む道は、１０年後、２０年後の自分の人生とも大きく関係をしてきます。そのためには、学習だけではなく生徒会活動や部活動も含め、中学校で学ぶことを着実に身に付けていくことが必要になります。夢や目標がまだはっきりとしない人がほとんどだと思いますが、小さな目標をたて、一つずつ実現していくことや、読書などを通して生き方を考えること、何にでも前向きにチャレンジをすることを通じて、自分の夢や目標を見つけてください。また、「自ら学ぶ」ことも大切です。特に学習では、自分を甘やかさず、受け身の学習ではなく、教えてもらったことを次につなげる、学び続ける姿勢を大切にしてください。
　二つ目は、「周りの人の心の痛みがわかる人になってほしい」ということです。
皆さんは小学校が同じ人たちもいると思いますが、新しい出会い、新しい友達もたくさんできると思います。そうした新しい友達も含め、そうした人たちとこれからクラスだけではなく、学校生活のさまざまな場面で活動をしていくことになります。人は一人では生きていけません。今ある自分は、保護者の方はもちろん、先生方や友達、地域の方々の支えがあったからです。そして、そうした支えられる立場から、相手に対するちょっとした思いやり、優しさで、人を支えられる人を目指してほしいと思っています。そうした気持ちがあふれれば、稲付中学校は日本一の学校になると思います。ともに認め合い、支え合い、高めあう集団であってほしいと願っています。
　保護者の皆様、お子様のご入学、心よりお慶び申し上げます。大切にお育ていただいているお子様を本日より、稲付中学校の教職員全員で、責任をもってお預かりをいたします。新型コロナウィルスの影響で、予測困難な事態が続いており、子供たちも不安な毎日を過ごしていることと思います。また、今日、学校教育に向けられる社会の目は、ますます厳しいものがございます。教職員一同、大きな責任を果たすべく最大限取り組んでまいりますが、子供たちの健やかな成長には、学校・家庭・地域の連携が不可欠です。稲付中学校の教育活動につきまして、今後ともご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。
　新入生の皆さん、先生方や先輩たちとともに、笑顔が輝く素敵な学校を皆さんの手で創り上げ、充実した中学校生活を送れるよう努力していってください。
　以上をもちまして、入学式の式辞といたします。
　　　　　　
令和２年４月７日　　　　　　
北区立稲付中学校　石川　俊一郎

皆さん、おはようございます。
　北区立田端中学校よりまいりました石川と申します。
　今度、高田校長先生の後、校長として着任しました。
　今日の朝礼は放送になってしまいましたが、私は、今日、皆さんとお会いすることを本当に楽しみにしていました。まだ、稲付中のことは、わからないことがたくさんあります。そういう意味では、２・３年生の皆さんは先輩です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
　
さて、皆さんは、「天国と地獄」というお話を知っていますか。天国も地獄も、きれいな花が咲き、丸いテーブルにはご馳走がたくさん並んでいます。人々は、その周りに座って、どの料理も食べることができるよう長い箸が準備されています。
　お腹がすいている地獄の人たちは、早く食べたいと、我先にと料理に箸をつけるのですが、腕よりも長い箸では、いくら頑張っても自分の口には運べません。そのうち、イライラしてケンカが始まってしまいました。
　一方、天国の人たちは、目の前の料理を楽しそうに食べています。どうやって食べているのでしょう。天国では、その長い箸を使って、向かい合う人に料理を食べさせているのです。誰もが美味しい料理を食べることができます。みんなのお腹が満たされ、天国の人たちは笑顔にあふれています。
　相手を思いやる心があるかないかで、天国と地獄に分かれてしまう。これは、学校生活も同じです。ほんの少し相手を思いやる気持ちが、人間関係を豊かにします。
　ありきたりの言葉ですが、人間は一人では生きていけません。けれども、集団生活であるがゆえに、辛いこと、苦しいことも多いと思います。けれども、先生や保護者の方々を含め、友達を大切にすることも忘れないでほしいと思っています。
　新型コロナウィルスの影響で、いろいろと不安や不満を抱えている生徒も多いと思いますが、困難な状況にどう対応するかは、これからの皆さんにもっとも求められている力です。ぜひ、お互いを思いやる気持ちを大切にしてほしいと思っています。

　新３年生の皆さんは、最上級生として、稲付中学校の顔として、今年一年、どうぞよろしくお願いいたします。中学校生活の仕上げとして、進路等も控えておりますが、夢に向かって頑張ってください。

　新２年生の皆さんは、明日の入学式では、後輩が入学してきます。式への参加はできませんが、学校が再開したら、稲付中学校のよき先輩として、委員会や部活動の中で、後輩たちを引っ張っていってください。
　皆さんの稲付中学校での活躍を楽しみにしています。