令和4年度、第1学期が始まりました。
4月6日に入学した1年生42名を加えて、浅井北小学校は全校で288名となりました。始業式では、子どもたちそれぞれが浅井北小学校の仲間として大切な、かけがえのない、一人一人であり、自分も友達も大切にしてほしいという願いを込めて話をしました。
☆かこさとしさんの戦争体験から
「自分で考えるということ」
みんながよく知っている絵本「からすのパン屋さん」には、たくさんのおいしそうなパンがいっぱい出てきます。この絵本の作者はかこさとしさんです。かこさとしさんが子どもの頃、日本は戦争をしていました。遠い外国で戦っている兵隊さんたちの勇ましい話を見たり聞いたりするたび、かこさんは「ぼくも大人になったら、りっぱな兵隊さんになるんだ」と夢見ていました。ところが戦争が終わってみたら、食べるものがない、住む家も焼けてしまってない、大切な家族は戦争に行ってしまって帰ってこない、本当に悲しいことばかりになってしました。そのとき、かこさんは「自分はいさましい兵隊さんのことだけを信じて、本当の戦争の怖さを何も知らなかったんだ」と、とても悲しい気持ちになりました。絵本作家になったかこさんは、「世の中にはたくさんのことがあって、その中から自分が一番大切だと思うこと、正しいと思うことを考えて選べる人になってほしい」という願いを込めてたくさんのパンの出てくる絵本をかきました。そして、私たちに選べることの大切さを伝えようとしたのです。
「誰かがそう言ったから」「みんながそうしているから」誰かって誰だろう、みんなって全員がそうなの?大切なのは自分で考えることです。残念ながら、世界には戦争をしている国があり、新型コロナウィルス感染症もおさまっていないね。いろいろなことを見たり聞いたりする中で、「本当に自分が大切にしたいことって何だろう」とみんなにはいつも考えてほしいと思います。そして、相手も、自分と同じ大切な命をもつ仲間だという思いやりの気持ちを忘れずにいてほしいと思います。
〇「一丸」〜心をひとつにつながろう〜
そんなみんなに大切にしてほしい言葉があります。それは「一丸」です。漢字の一はひとつ、丸はつながるという意味です。「一丸」心をひとつにつながろうという意味です。288人のみんなが手をつなぐように、心をひとつにしてつながること、思いやりの気持ちをもつことが、大きな力になります。みんな違うのは当たり前、できることも違うのも当たり前です。互いの違いを認め合って、苦手なことは助け合って、できたときは喜びあっていけば、この丸は大きく強く広がります。
今年度「一丸」をキーワードに、自分で考えること、思いやりの気持ちでつながることを大切に、浅井北小の思いやりの輪を大きく強く広げていきたいと思います。浅井北小学校で生活をするすべての子ども、教職員のやさしさでこの丸をしっかりつなげ、そして、しっかり考え、正しい確かな丸にしていきます。子どもたち、教職員総がかりで「一丸」となり、前進していきます。
保護者の皆様、地域の皆様、今年度も本校の教育活動へのご理解、ご協力をお願いいたします。
浅井北小学校長 太田暢子