本日、6年生の子どもたちは、浅井北小学校の同窓会に入会しました。これまで、この地域の方々に見守られ、地域の中で成長してきました。そして、これからも浅井北小学校を故郷とし、成長していってほしいと思います。今日は、同窓会にちなみ、6年生の子どもたちには、以下のような話をしました。
今年度は一宮市市制百周年という節目の年でした。皆さんは、その記念事業の一つ、一宮市植樹祭に参加をし、植樹祭を行いました。この植樹祭は、元横浜国立大学名誉教授 宮脇 昭先生が中心となって行った「ふるさとの木によるふるさとの森づくり」を受け継ぐものです。
日本各地にある、神社には、まわりを取り囲む森のように木が植えられています。こうした森を「鎮守の森」と言います。では、なぜ、このように神社には木がたくさん植えられているのでしょうか。
以前、私は宮脇先生の書かれた本を読みました。本の中で先生は、この「鎮守の森」は、その地域ならではの植物を守り、緑を残すための先人のすばらしい知恵であることを述べていらっしゃいました。そして、その大切な自然を残すため、日本全国で木を植える取り組みをされました。このような取り組みで、日本だけでも4000万本の木が植えられたそうです。
今回の植樹祭でも、ここ浅井町の地域にあった十七種類の木、七百ニ十本を植えました。木を植えることは、今後何十年もの間、ふるさとでの命をつなげていくきっかけになること、また、木を植えることは命を植えることにつながります。皆さんが一生懸命植えた木は、この浅井町で命の居場所を得て、根を張り、皆さんと同じ太陽の光を浴び、大気を吸って成長をしていきます。いわば、同じ故郷をもつ仲間となったのです。
6年生の皆さんには、皆さんを成長させてくれた故郷、浅井北の地域があります。うれしいとき、つらいとき、人生の節目には、故郷で過ごしたかけがえのない日々を思い出してください。そして、皆さんの手によって命を与えられ、暑い日も寒い日もすくすくと成長している木々たちのことを想像してみてください。きっと、元気がわいてくることと思います。皆さんを温かく見守り、育ててくださった、多くの方々に感謝の気持ちを込めて、残り少ない小学校生活を過ごしていきましょう。
人生の大きな節目を迎えようとしている子どもたち。地域の皆さんのご支援に感謝して、卒業の日を迎えさせたいと思います。