みなさん、「人権週間」は知っていますか。12月4日から10日までの1週間は、世界的に人権週間といって、人権について考える期間と決められています。これは、71年前に国際連合で「世界人権宣言」が採択されたことから決められました。
「人権」とは何でしょうか。「人権」とは、人のもっている権利のことです。人は、生まれながらにしてだれもが、自由であり平等です。顔かたちや考え方などで差別することは絶対にしてはいけないということです。そして、誰もが人として、安心して安全に暮らすことができる権利です。毎日の生活の中で安心して暮らすためには、まずは自分の身の回りにいる人たちと安心して暮らすことです。周りの友だちを見ても、みんなが同じことを考えているわけではありません。生まれ育った生活環境が違います。好みも価値観も違います。そんな友達と安心して暮らすためには、お互いを認め合うところから始まります。
今回は「教室はまちがえてもよいところ」という話をします。「教室はまちがえてもよいところ」と聞くと、どう思いますか。いくら先生に「まちがえてもいいよ」と言われても、「はずかしい」「まちがえたことをバカにされる」と思う人も多いのではないでしょうか。周囲の目が気になるところです。でも、だれか他の子がまちがえた答えを言ったとき、「そうそう、私もそう思った」「私もそこが分からなかった」と感じた人も多いと思います。実は「まちがい」をすることで、自分の考えを見直せます。また、「なぜそのように考えたのだろう」と、まちがえた原因を考えることで、新しい考え方が生まれたりすることがあります。したがって、誰かが勇気を出してまちがっているかもしれないけれど自分の考えを発表してくれることは、学習が深まることにもつながり、みんなのためになることです。「まちがえてもあたり前」という雰囲気をみんなでつくりましょう。
ところで、学校で学習している問題には、答えがない、まちがえのない場合もあります。例えば「リンゴが2つあります。3人でどのように分けますか」という問題にどう答えますか。算数から考えると、「2÷3=0,66…で分けられない」「2÷3=⅔ で一人⅔個」という答えもあります。でも、実際にはそれだけでしょうか。頭を柔軟にすると、「ナイフがないから切り分けることができないので、じゃんけんやくじで決める」などなど。他にもいろいろ考えられると思います。この答えの一番大切なのは、分ける3人がお互いにその答えを認め合い、納得することです。
さて、身の回りにも、こんな答えのない問題はいろいろ起きていると思います。お互いが、自分を主張しすぎ、相手のことを認め、理解できないと、ひどいときには、けんかやいじめにつながっていくこともあります。でも、みんなが自分と違う答えをもった子がいた場合に、「なぜ、そのように考えたのだろう」と立ち止まって考えることができたらどうでしょうか。そんな話し合いができたら、きっと、お互いが理解でき、お互いを認め合い、けんかやいじめになることはないでしょう。
「学級はまちがえてもよいところ」このことが、学級の仲間が、お互いの意見を認め合いもとになる言葉です。「自分とは違う答えはまちがいだ」と決めつけずに「なぜそう考えたのだろう」と考えることが、学級や学校の絆を深め、笑顔あふれる浅井北小学校をつくっていくことになります。これからも、みんなで力を合わせて、笑顔があふれる浅井北小学校をつくっていきましょう。