第5回は、11月16日13時〜15時です。講師は、インクルーシブ教育の専門家『野口晃菜先生』です。ぜひご参加ください。

川上先生セミナー1

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6月9日に東京都立矢口特別支援学校の川上康則先生をお迎えし、「通常学級における、発達につまずきがある子どもの輝かせ方」というテーマで講演していただきました。その一部をご紹介します。

まず初めに、子どものつまずき、困難さを感じるところからセミナーはスタートしました。文章を目で追いながら音読するのが困難な状態、体をうまく動かせない状態を体験し、どんな支援があれば、その子にとってよいのかということを考えました。音読で困るならリーディングスリットを活用してみる、運動で困るときは、手順表示をしてみるなどの手立てを提示されました。その子の立場になって考えることが大事であると学びました。
「子どもはルールよりもラポール(信頼関係)に従う」というお話がありました。信頼関係の中身は、1自分が認めた大人、2自分のことを分かってくれる大人の2つ。やり方(How to)を求めがちだけれども、あり方(To be)を見直さないといけないことを教えていただきました。
崩れる学級の原因についてもお話していただきました。学級経営には、「軸・枠・型・幅」が必要だが、これらを崩しにお試し行動をとる子がいます。また、教師に過度な身体接触をしてくる子がいます。「ぶれない、動じない、揺るがない、かつ、その子の持ち味を引き出す」ことを目指すとお試し行動をさせなくすることにつながります。腕に巻きついてきたり、膝の上に座ってきたりする子は意図的に離れないとどんどんエスカレートしてしまいます。「距離をとる」、「やってもらえるという誤学習をさせない」という2つを心がけていくひつようがあると教えていただきました。

川上先生セミナー2

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子どもたちの中には、理解がゆっくり「スローラーナー」がいることをお話しされました。スローラーナーは、行間を読み取ること、比喩的な表現を理解すること、言葉の書き写しになどに困難を抱えている。そんな子どもの学びにくさの分かる教師になろうということをお話していただきました。
川上先生は、お話の間にペアトークを何度か行いました。ペアトークの意義として、1理解のレベルを揃える、2インプットした内容はアウトプットで定着する、3他人のフィルターを通して学ぶ、4話すことでガス抜きができ、集中力が続く、の4つを挙げられました。しかし、ペアには能力差があるので、質問の難易度で調整するなど、配慮が必要なことを学びました。
「安心してわからないと言える教室をつくりましょう」というお話もされました。わからないが続くとやろうとしなくなってしまいます。対策としては、援助要求スキルを教えてあげる。しかし、スキルだけでなく、自尊感情と合わせて考える必要があります。困ったが言える人は自尊感情が高い人で自尊感情が低い人は、恥ずかしいという気持ちを持っています。だから「ピンとこない人?」など間接的に聞くことも一つの手段。そしてできたことは、「できたね!」と褒めてあげる、自尊感情を大切にすることを学びました。

川上先生セミナー3

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「できていることを発見しよう」というお話を聞きました。苦手を強みにするリフレーミングで視点を変えて、子どもの価値を引き出すことができます。反省しない→切り替えが早い
褒め方についてもお話をしていただきました。コツは短く、太く。「あー」(納得)、「いい」(同意)、「うーん」(降参)、「えー」(驚愕)、「おー」(感嘆)皮肉を込めずに褒めることが大切です。高学年向けな大人っぽい褒め方もベスト5で教えていただきました。1深い(読みが)2鋭い(見方が)3大きい(スケールが)4ちがう(着眼点が)5助かる(頼りにする)
逆に叱り方のコツも教えていただきました。コツは、褒めるときと同じで、短く、太く。気を付けなければならないことは、1行動を叱る(人格の否定をしない)、2意欲まで否定しない、の2点です。最後は、ハッピーエンドで終わるとスッキリします。叱るには、「覚悟」、「基準」、「技術」が必要です。効果のある褒め方・叱り方は、どちらも好球必打であることを学びました。
最後に二次障害についてお話していただきました。周囲の無理解や誤解は、ODD(反抗挑戦性障害/反抗挑発症)やOD(行動障害・素行症性 )などにつながることがあります。二次障害に陥らないためには、1「ポジティブな自己理解、2「レジリエンス」の高さ、3誰かに必要とされている感覚(貢献感覚)が大切になります。レジリエンスは「心の回復力や抵抗力、再構成力」などと定義されます。学校には、もがき苦しんでいる子の気持ちが分かる教師が必要です。子ども達の日常的な姿を見ている教師だからこそ、サポートができると教えていただきました。
今を見直し、教師としてどうあるべきかを見つめ直す2時間でした。参加者の振り返りからも明日から頑張ろうという思いが伝わるセミナーになりました。

第2回(通算123回)「川上康則先生」登壇

■日時 6月9日(日)10時〜12時
■会場 大口町立大口中学校
■講師 川上康則先生(東京都立矢口特別支援学校主任教諭)
■演題 「通常学級における、発達につまずきがある子どもの輝かせ方」
■プロフィール
 1974年、東京都生まれ。臨床発達心理士、特別支援教育士スーパーバイザー。長年、特別支援教育コーディネーターとして、地域の相談支援にも携わっています。特別支援教育のプロフェッショナルとして有名な川上先生に、2年ぶりに登壇していただきます。特別支援教育の視点を、実践をもとに話される講演はまさに必見。先生の優しさと温かみのあるお話を伺えば、教育力アップにつながること間違いなしです。

多賀一郎先生セミナー1

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 本年度最初のセミナーは、追手門学院小学校講師の多賀一郎先生をお招きして、「学級にプラスの風を吹かせる〜ヒドゥンカリキュラムを意識した学級経営」というテーマで講演をしていただきました。このホームページでは、その一部を紹介します。

〇居心地のよいクラスとは
 安心感や明るさ・あたたかさのあるクラスがよい。「ちゃんと話を聞いてもらえた」、「自分のことを見てくれている」という思いが、子どもの安心につながる。教師が冷たくては子どもをあたためられない。教師自身があたたかく健康に生活していることが一番である。

〇どんな人を信頼できないか
 信頼感の観点は人によって違う。逆を考えて、どんな人は信頼できないかを思い浮かべると、以下のことが考えられる。教師も一人の大人として子どもの前に立っていることを忘れてはいけない。
・言う事がころころと変わる
・人によって態度が変わる
・お金に汚い
・偉そうにする、人を見下す
・他人を利用する
・話を聞かない

多賀一郎先生セミナー2

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〇授業の布石となるヒドゥンカリキュラム
・注意でなく、手をかける
普段行っている机間巡視にも目的がなければならない。見かけた時に注意ばかりしていると子どもはいつか爆発する。話している子どもたちがいたら、その子たちの間に入って授業をする。すると、自然と静かになる。細かいところには口ばかりではなく、手をかけることも大事である。

・第一声の直前の空気を読む
休み時間の遊びから帰ってきたら、いきなり授業始めるのでなく、いったん授業の準備をさせる。遊び時間が子どもの仕事なので、いきなり切り替わるわけではないということを意識したい。


〇気づかないまま伝わってしまうヒドゥンカリキュラム
・嫌味と皮肉を言ってしまう
嫌味や皮肉は言い返すことができずに、嫌な思いだけが残る。「お前が90点とるなんておどろきだ」、「君にも得意なことがあるんだね」といった一言が子どもを傷つけている。

・子どものマイナス点にこだわる
こだわるとこは見極める必要がある。子どものマイナス点はいくらでもあるが、その中でもプラスの点を探すのがプロの教師としての仕事である。

多賀一郎先生セミナー3

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〇保護者から教師はどう見えているのか
・「見た目」は大きい判断要素
プロだからこそ、よく見せようとしなければならない。
1 服装、髪型
2 声のトーン、大小
3 姿勢
4 語り口調
5 挨拶

・先手必勝の論理がヒドゥンカリキュラム
1 連絡帳に一言書いている
2 電話で余計な一言が相手に残っている
3 トラブルは、先に連絡


 具体的なお話ばかりで、普段の生活を振り返る2時間となりました。アンケートにも、「普段やっていた言動のマイナスの効果に気づくことができた」という感想を書かれた方が多くいました。プロの教師として子どもに接するときのポイントを学ぶことができた、多賀先生のご講演でした。ありがとうございました。

第1回(通算122回)「多賀一郎先生」登壇

■日時 5月12日(日)10時〜12時
■会場 大口町立大口中学校
■講師 多賀一郎先生(追手門学院小学校講師)
■演題 「学級にプラスの風を吹かせる 〜ヒドゥンカリキュラムを意識した学級経営〜」
■プロフィール
 神戸大学附属住吉小学校を経て、私立小学校に長年勤務。専門は国語教育。セミナーや教師塾で教師が育つ手助けをされています。『ヒドゥンカリキュラム入門ー学級崩壊を防ぐ見えない教育力』等、著書多数。親塾を開催し、保護者教育にも力を注がれています。今回は、目に見えない教育力である「ヒドゥンカリキュラム」を意識した、学級経営のポイントを話していただきます。連休明けの学級にプラスの風を吹かせましょう。
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