【フォーラム2018】第2部・模擬授業Cと授業検討

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模擬授業C:小3 理科
授業者:野木森 広先生

野木森先生の模擬授業では、磁石の特性について、既習事項を用いてそれらを応用しながら調べ、どういうことが言えるのかを説明できるようにする、という発展的な授業をされました。

子ども役の皆さんが、とにかく楽しそうに実験を繰り返していた様子が印象的でした。

子どもは実験が大好きですが、ただ実験するだけでなく、どんな実験をすればいいのかを自分たちで考えるような仕掛けがされており、野木森先生の考え抜かれた発問のすごさに感嘆しました。

「どういうことが言えるのか」を説明しなければならない、という課題に対して、子ども役からさまざまな実験の方法が生み出されていたのです。

指示されたことだけでなく、自分たちで考え、工夫することができる授業になっていたので、子ども役もどんどん引き込まれていったのだと思います。

模擬授業Bの和田先生と同様に、子どもたちに望む姿が明確になっており、そのための教材研究がしっかりなされていることが伝わるすばらしい模擬授業でした。


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授業検討:3+1授業検討法

この模擬授業の検討では、「3+1授業検討法」を使って、会場の皆さんにも話し合いをしていただきました。愛される学校づくり研究会会員が会場に散らばり、グループの話し合いに参加しました。

良かった点3つ、改善したら良い点1つを各自で考え、それをグループで出し合い、検討します。

模擬授業がすばらしかったので、良かった点がたくさん出ましたが、「なぜ良かったのか」という視点も合わせて出し合えば、若手を含めて多くの人に「良い授業とはどんなことに気をつければいいのか」という視点が生まれます。

こうしたプラスの視点がたくさん生み出される授業検討が、これからの学校現場では必要なのではないかと感じました。

できないことをできるようにする、というマイナスを減らす考え方も大切ですが、今できている良い点をさらに伸ばす、というプラスを増やしていく考え方も持っていただけるといいですね。

授業者のプラス面を、他の教員にも広げていける授業検討会となるように願っています。

【フォーラム2018】第2部・模擬授業Bと授業検討

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模擬授業B:小6 算数
授業者:和田裕枝先生

授業名人である和田先生の模擬授業では、「組み合わせ」について同じものがあることに気づかせ、もれがないようにするにはどのような方法で調べればよいのかということを、子ども役のつぶやきを拾いながら展開する授業が見られました。

和田先生は、授業以外でも日常のさまざまな場面で子どもたちを鍛えておられるので、模擬授業を初めて体験した子ども役はそのテンポの速さに少々戸惑います。

そうした雰囲気をうまくほぐしながら、どんどん授業に引き込んでいく流れに、観客の皆さんも一緒に引き込まれていました。

和田先生のように、子ども役のつぶやきを拾い、それで授業を進めていくには、確かな授業技術と深い教材研究が必要です。

つぶやきを促すような発問や、つぶやきを広げる切り返しなどの技術は、観客に大いに参考になったと思います。

またそうした確かな技術を支える、深い教材研究には「子どもたちにこうなってほしい」という明確な「つけたい力」が根底にあることがわかります。

観客の立場によって、さまざまに得るものがあった模擬授業でした。


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授業検討:授業アドバイスツール「授業検討モード」


3人の検討者がツールを持ち、授業を参観している間に「主体的」「対話的」「深い学び」の3つの観点で、ここだと思った場面について検討しました。

「授業検討モード」では、ボタンが押された場面をすぐに再生できるので、その場面をみんなで共有しながら検討できる利点があります。

子ども役の様子から指摘される場面が多かったことを考えると、やはり「具体的な子どもの姿」について、みんなで共通の認識を持つことの重要性を感じました。

つまり、どのような姿が「望まれる姿」なのか、という部分を共有しておくことが大切だということです。

その基盤ができていれば、より具体的な授業改善策を出し合えるような検討会になると思います。

そのためにも、授業の様子が簡単に撮影できて、すぐに再生して検討できるツールは、とても有効であると感じました。

【フォーラム2018】第2部・模擬授業Aと授業検討

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第2部 「楽しく、手軽に授業改善しよう」

第2部では、3本の模擬授業と授業検討の様子をご覧いただきました。

授業改善のためには、授業者の年代や力量に合わせたアドバイスが必要ですし、授業検討は具体的な子どもたちの姿をもとに行われるとよいでしょう。

そのような授業検討にするために、私たち「愛される学校づくり研究会」で開発した「授業アドバイスツール」を使った授業検討や、「3+1授業検討法」を用いた授業検討を提案し、実際に会場の皆さんにも体験していただきました。

教員の発問や指示、子どもたちの姿など、事実に基づいた授業検討では、検討者の意見が空中戦になりにくく、より具体的な改善案へとつながります。

体験していただいたことで、その良さを実感していただけたことと思います。

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模擬授業A:小5 社会
授業者:岐阜聖徳学園大学 玉置ゼミ 寺坂友希さん


4月から教壇に立つ学生さんとは思えない、とても堂々とした授業で、会場からは感嘆の声が上がるほどでした。

資料を効果的に使い、子ども役が思わず話し合いたくなるような授業展開で、見ている側も引き込まれました。

ICTを使った調べ学習を取り入れるなど、すぐに授業で取り組める内容になっており、観客の皆さんにも大いに参考になる授業でした。

他のゼミ生にも協力してもらい、何度も何度も練習して本番に臨んだそうです。

大変なプレッシャーの中での授業でしたが、立派に大役を果たしてくれた寺坂さんに拍手を送りたいと思います。
ありがとうございました。


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授業検討:授業アドバイスツール「アドバンスモード」

授業検討は、若手の授業者への授業づくりや授業技術などのアドバイスを行うという観点で、立場の違う3人の検討者が行いました。


・同僚的立場から

寺坂さんの先輩である玉置ゼミ1期生で、今年度初任者として小学校に勤務している佐藤広樹先生から、いくつかの授業場面を提示して、良かった点や工夫が感じられた点などの評価をしてもらいました。
机間指導のうまさを見逃さず評価し、授業者も気づかなかった自分の良さを再確認できたことと思います。


・管理職的立場から

小学校で校務主任をされている古田弘樹先生から、アドバイスをいただきました。
古田先生も、寺坂さんのあまりの落ち着きぶりに驚嘆されていましたが、良かった点をしっかり価値づけしてくださいました。
教師の発問で、子ども役の様子が変わった場面などを評価され、発問の大切さに気付いたことと思います。


・指導員的立場から

実際に小学校などで教員の指導をされている神戸和敏先生から、アドバイスをいただきました。
教材研究の大切さや細かな授業技術など、具体的ですぐに役立つアドバイスをされました。
授業者が迷っていることや困っていることなどにも明確に答えていただける指導に、安心して指導を仰げたことと思います。

【フォーラム2018】第1部・テーマ4

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テーマ4:授業改善と新学習指導要領

新学習指導要領では「何を学ぶか」に加えて、「どのように学ぶか」ということが示されています。

そこでは「主体的・対話的で深い学び」の視点での学習過程の改善が求められていますが、その具現化のためには日常の授業改善が欠かせません。


もちろん授業改善の必然性は言うまでもありませんし、どの学校でも取り組んでおられることですが、その取り組まれ方は学校によりさまざまです。

これまで行ってきた授業改善が、新学習指導要領のねらいに沿ったものとなっているのかどうか、今一度見直してみる必要があります。


テーマ4では、「主体的・対話的で深い学び」という視点で考えるとき、どのような子どもの姿が見られるのが望ましいのか、具体的な子どもたちの姿をイメージしながら授業改善ができるようにワークシートを作成しました。

また模擬授業を通して、ワークシートをどのように活用すれば効果的か、という提案も行いました。


校内研修で、「授業を行う」、「授業を参観する」、「授業を検討する」、ということが繰り返し行われることでしょう。

その時の「共通の指標」としてダウンロードしたワークシートを活用していただけるといいですね。

【フォーラム2018】第1部・テーマ3

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テーマ3:学校と保護者・地域連携と新学習指導要領

これまでも、学校と地域連携についてはその重要性が認識されており、すでに多くの学校が取り組んでいることです。

新学習指導要領では、「社会に開かれた教育課程」として、学校と地域が、教育の目標やそれぞれが持つ願い(ねらい)を共有し、連携・協働して教育課程を実現することが示されました。


すべての学校のコミュニティスクール化を目指し、学校運営協議会の設置が努力義務となりました。

新学習指導要領で示された「社会に開かれた教育課程」の実現のために、国はコミュニティスクール化を進めて連携や協働を加速させたいと考えています。


しかし現場の学校では、「これまでにやってきた地域連携とどう違うの?」という戸惑いの声が聞かれます。

そこでテーマ3では、各学校でこれまでに取り組んできたさまざまな地域連携や協働の活動を、「社会に開かれた教育課程」のねらいと関連付けて見直し、実現するための具体的な手立ての提案をしました。


私たちが考えたのは、「社会に開かれた教育課程」の実現のためには、学校と保護者や地域が、それぞれの願いやねらいを伝えあい、共有することが大切だということです。

そのために学校が地域向けに「学校説明会」を開催する、というシチュエーションを作り、そこで説明のために提示する資料を作成し、実際の「模擬・学校説明会」を劇でお見せしました。


「模擬・学校説明会」では、専門家による講演で、新学習指導要領で求められている「社会に開かれた教育課程」とはどういうことなのか、という概要をお知らせし、次に学園長から学校の願いやねらいについて説明をしました。

さらに小学部、中学部から、具体的な活動についての学校の願いやねらいを説明し、地域の人からの質疑応答に答える形で、お互いの思いの共有を図りました。


これまでは前年踏襲で「今年度もお願いします」という程度で進めてきた活動を、「子どもたちにどのような力をつけたいのか」「子どもたちのために何ができるのか」「未来のまちづくりのために」といった視点を持って見直し、学校と保護者・地域が一緒に考え、思いを共有することが今後は必要となってきます。

テーマ3の具体的な提案を、「何から手を付けたらいいのか…」と戸惑っている多くの学校で活用していただけるといいですね。

ダウンロードできる資料は、地域連携行事を説明するときに活用できるプレゼン資料です。ご活用ください。

【フォーラム2018】第1部・テーマ2

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テーマ2:学校経営と新学習指導要領

皆さん、「新学習指導要領」はちゃんと読みましたよね?どうですか?
読んだよという人?との問いかけに、残念ながら、手が挙がる人はほとんどいませんでした。


一般の教員ではそこまで手が回らない、ということもあるかもしれませんが、管理職たるもの、当然、概要はきちんとつかんでおいてほしいものです。

そうは言っても、自分がある程度理解できていても、それを学校の教職員にわかりやすく伝えるのは難しいところです。

そこでテーマ2では、「新学習指導要領」の基本理念や、学校経営との関わりについて、管理職が校内研修で教職員に説明できるような提案と資料づくりをしました。


まず、新学習指導要領がねらいとしていることは何なのか、子どもたちにどのような力をつけようとしているのか、という根本の部分を押さえて、施行されるまでのスケジュールから、これからどういう流れで進んでいくのかということを確認しました。

現行の学習指導要領が実施された後に教員になられた人にとっては、初めての経験なので、流れを確認することは大切なことですね。


また、新学習指導要領で注目されている「道徳の教科化」については、教員の皆さんが気になっている「評価」の部分を具体例をあげながら解説をしました。

記述式の評価、とわかっていても、具体的にどう書いたらよいか…と悩んでいる人々に参考になる提案になりました。


新学習指導要領の根本の部分はわかったよ、となれば、次はそれを自分たちの学校の教育にどう活かしていくのかを考えなければなりません。

実際の校内研修では、この部分を教職員全体で考えてほしいところです。

ですから、そうしたことができるような校内研修用のワークシートも、資料として提供しています。

ぜひご活用いただき、学校の経営方針や教育目標が教職員全体で活用できるような校内研修を行っていただけるといいですね。

【フォーラム2018】第1部・テーマ1

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第1部 「愛される学校づくり”公開”研究会」

今年度「愛される学校づくり研究会」が研究テーマに選んだのは、昨年3月に告示された「新学習指導要領」です。

完全実施を目前にして、学校などの教育機関で、新学習指導要領を理解するために活用していだける「資料づくり」をすることにしました。

この資料は、フォーラムで具体的に活用する場面を想定した提案に使うだけでなく、ご参加くださった皆さんがそれぞれの学校で活用していただけるように、汎用性を持たせ、自由にダウンロードできるように体制を整えました。

校内研修や学校説明会の場で、ぜひご活用いただければ幸いです。

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テーマ1:ICT活用と新学習指導要領

ICTの活用に関しては、新学習指導要領では現行の学習指導要領よりも、より具体的に活用する場面に触れられており、学校現場ではもはや必須のアイテムになるようです。

環境を整えることはもとより、「日常的に活用できるようにすることが必要である」との文言が示されているように、ICT活用は「日常的」ということが重要なキーワードになります。


しかし、この「日常的」というのは、人により受け取り方がさまざまなのが実情です。

環境は地域性や学校の規模に左右されますし、教員の力量や関心の度合いにも影響を受けます。


そこで、私たちは、PISAの調査データなども示しながら、客観的な観点で「ICT活用の日常化」というのはこういう姿を指すのではないか、という提案を行いました。

会員がそれぞれの学校で、実際に授業などで活用し実践している様子や、子どもたちの姿を紹介しながら、新学習指導要領が求める「ICT活用の日常化」の具体的な形をお見せしました。


現状、ICT活用は少しずつ認知されてきてはいますが、学校現場ではさまざまな異論反論が出ているのも事実です。

環境整備だけでも、相当な費用も時間もかかります。

また、ICTで子どもに力がつくとは思えない、という教員側の意識の問題もあります。

そうした課題についても整理して提示しました。

良い面はたくさんあるけれども、皆さんが二の足を踏む気持ちも理解できます。


それでも、学習指導要領に明記されれば、ICT活用の日常化は「やらなければならない」という方向性になるのは明白です。

私たちの提案や資料が、いきなり大きく変えることは難しくても、できるところからやってみる、という試行錯誤をするためのきっかけになるといいですね。

愛される学校づくりフォーラム2018 in 名古屋 開催

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2月24日(土)東建ホールにて、「愛される学校づくりフォーラム2018 in 名古屋」を開催しました。
全国各地から、たくさんの方々にご来場いただき、大盛況のうちに開催することができました。ありがとうございました。


私たち「愛される学校づくり研究会」では、年6回ほどの研究会を開催し、子どもたちや保護者、地域だけでなく、教職員も含めた学校に関わるすべての人々に「愛される学校」となるような学校づくりのために役立てようと、さまざまなテーマで研究を重ねてきました。
年一度のフォーラムでは、我々が研究してきたことを、具体的な提案として発表しています。
そして、この度、第8回の「愛される学校づくりフォーラム」を開催することができました。


今年度は、昨年3月に告示された「新学習指導要領」をどう読み解き、学校現場でマネジメントしていけばよいだろうかと観点で研究を進めました。
フォーラムでは、その成果として以下の4つのテーマで提案をしました。

・テーマ1:ICT活用
・テーマ2:学校経営
・テーマ3:学校と保護者・地域連携
・テーマ4:授業改善


第1部では、昨年に引き続き「愛される学校づくり”公開”研究会」と題して、上記4テーマについて、「このようにすると新学習指導要領がよく伝わりますよ」という具体的な提案を行いました。

第2部では、「楽しく、手軽に授業改善をしよう」と題して、模擬授業を3本と、我々が研究してきた「授業検討法」をICTを活用(授業アドバイスツール)した形で行う授業検討会をご覧いただきました。


なお、フォーラムで使用した資料は、テーマごとに整理されており、本サイトからダウンロードしてご利用いただけるようになっています。(ダウンロードにはパスワードが必要/パスワードは当日配布した要項に記載)
ぜひ皆さんの学校でご活用いただければ幸いです。


「愛される学校」の輪が広がることを願ってやみません。
ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。

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