【教育コラム】「お母さんは学校の応援団長」第49回
教育コラム「お母さんは学校の応援団長」第49回をアップしました。今回は「ワークシート活用のヒント(1)」です。
【教育コラム】「学校を離れて観ると」第7回
教育コラム「学校を離れて観ると」第7回をアップしました。今回は神戸和敏先生の「改善のために」です。
【教育コラム】「私の心に残る授業」第8回
教育コラム「私の心に残る授業」第8回をアップしました。今回は佐藤正寿先生の「やはり、有田和正先生の授業です」です。
【フォーラム2017】午後の部・まとめ協議
まとめと協議
午後の2本の模擬授業と授業検討のまとめとして、「授業検討法を生かし、授業改善につなげるポイント」についての協議を行いました。 それぞれの模擬授業が特徴的だったので、授業検討の目的も明確に違っていて、それに合わせたスタイルになっていたので、会場の観客の皆さんにもわかりやすかったのではないでしょうか。 実際に学校で行われる授業検討でも、このように目的をはっきりさせて、それに合わせた形で行われるとよいという意見が出ていました。 そのためにも、授業検討会を司会する人がしっかり運営できるようになる必要があるが、これがなかなか難しい。 今回使った「授業アドバイスツール」をうまく活用できれば、司会者の力量に左右されない検討会ができるのではないか、といった話題もありました。 今後、若手教師が増えて、授業検討会の持つ役割も重要性を増してくるでしょう。 「アドバイスする」「知識や知恵を共有する」というどちらのスタイルも必要です。 観客の皆さんの学校で行われる授業検討会で、ぜひ参考にしていただけるといいですね。 【フォーラム2017】午後の部・模擬授業2授業者: 岩手県奥州市立水沢小学校副校長 佐藤正寿先生 授業名人として有名な佐藤先生をお迎えしての模擬授業でした。 おそらくこの模擬授業を目当てにフォーラムに参加いた人も多かっただろうと思います。 緊張する生徒役の固い雰囲気をゆっくりほぐしながら、優しい語り口で授業は進みました。 便利な道具を使うことが当たり前になっている現代では、昔の生活を知れば知るほど「つらい」「不便」「面倒」といったマイナスのイメージを持ちやすいものです。 佐藤先生は、昔の生活場面の絵から道具の使われ方を考えさせて、生徒役にたっぷりと「やっぱり昔は大変だったよね。今は便利になったよね」という気持ちを味わわせておいて、でも便利になった今の道具には、昔の知恵が引き継がれているんだよということに気付かせ、生徒役を「すごいな〜」と驚かせる展開をされました。 さらに、岩手の地場産業である南部鉄器とも関連付けるなど、地元の産業にも目を向けさせる工夫をされ、会場からは「おぉ〜」と感嘆のどよめきが起こりました。 会場の反応からもわかるように、よく練られた教材で、いくつもの伏線を用意してあり、最後まで子どもを飽きさせることなく、楽しく集中させる授業でした。 すばらしい模擬授業をありがとうございました。 ********** 授業検討「授業アドバイスツール(授業検討モード)」を活用した授業検討 ここでは「授業アドバイスツール(授業検討モード)」を活用して、実際に学校で行われている「授業検討会」のように模擬授業を振り返りました。 この「授業検討モード」では、端末を持った人が授業を参観しながら「いいね」や「疑問」というボタンを押して、何かに気付いた場面を記録していきます。 ボタンが押された数を集計し、全体を一覧で見ることができるので、数が多かったところが一目瞭然でわかります。 授業検討をする際に、数が多いところを中心に進めれば、参観者の気づきを反映させやすいということですね。 今回の検討では、発問の意図や生徒役に期待した反応などの質問に授業者が答えながら、授業者のねらいについて語ってもらうことができました。 子どもたちが最初持っていたネガティブなイメージから、すごい!というポジティブなイメージへと大転換させる仕掛けに込めた授業者のねらいは、「困っていないので気付いていない『よさ』に気付かせること」そして「気付くことは、自ら改善しようとする意欲につながる」というところにあったそうです。 授業検討では、授業技術の検討だけでなく、こうした授業者が教材に込めた思いやねらいなどを掘り下げて、子どもたちにつけたい力は何なのかといったことも共有できるといいですね。 優れた授業者から多くを学んだ、優れた授業検討でした。 【フォーラム2017】午後の部・模擬授業1模擬授業1: 小4 国語「文と文をつなぐ言葉」 授業者: 岐阜聖徳学園大学 玉置ゼミ 牧野紘子さん フォーラムで、学生による模擬授業を行うのは初の試みです。 授業者の牧野さんは、相当な緊張とプレッシャーを感じて登壇したことと思います。 しかし、そんな不安な様子はみじんも感じさせない、堂々とした立派な授業でした。 生徒役をやってくれたのが同じ玉置ゼミ1期生だったということで、力をもらえたということもあったでしょう。 日ごろからゼミで鍛えられてつけてきた授業力を発揮して、会場からは「学生とは思えない。すばらしい」という声が多数出ていました。 単元は「文と文をつなぐ言葉」で、つなぎ言葉は気持ちを表すことに気付き、気持ちや状況に合ったつなぎ言葉を使えるようになることが目標でした。 生徒役から「つなぎ言葉」をたくさん出させるために、ペアで話し合わせたり、教師が例示するなどの工夫をして、おもしろい発言を引き出していました。 気持ちに合ったつなぎ言葉を使った文章を作らせて実感させたことや、最後に振り返りをして再度確認することで、子どもへの定着も図れたと思います。 準備も大変だったでしょうし、直前は胃が痛くなる思いをしたことでしょうが、大役を引き受けてやり遂げてくれた牧野さんとゼミ生の皆さんに感謝しています。ありがとうございました。 実は一番ハラハラドキドキしていたのは、指導教官である玉置先生だったかもしれませんね(笑) ********** 授業検討「授業アドバイスツール(アドバイスモード)」を活用した授業アドバイス 若手教師へのアドバイスという想定で、「授業アドバイスツール(アドバンスモード)」を活用しながら、立場の違う3人(同僚・指導員・管理職)からアドバイスを受けました。 「同僚」役は、同じく玉置ゼミの松井大樹くんがやってくれました。 授業中の指示の出し方や、発問に対する生徒役の反応の様子など、授業技術的なことで授業者が気付かなかったことを知らせてあげて、そうした点に気を付けたらさらに良くなると思う、というアドバイスをしてくれました。 「指導者」役は、小学校で教務主任をされている中川先生が担当してくださいました。 授業中の気になった部分を提示して、「この時、どんなことを考えていた?」「どういう展開にしたかった?」「子どもからどんな言葉が出るといいなと思った?」と問いかけ、授業者が自分で振り返りながら、自ら気付けるように促していました。 直接的なアドバイスだけでなく、このような振り返りの手法もあるのだと学びました。 「管理職」役は、元校長の神戸先生が担当してくださいました。 授業者の良かった点、子どもたちの様子で良かった点など、具体的に指摘しただけでなく、管理職として「うちの学校では、このように考えてやってほしい」という学校の教育方針に沿ったアドバイスをされていました。 これは実際の学校ではとても大事なことだと思います。 それぞれの教師の持ち味を活かしながら、学校全体の方向性を示していくのが管理職の役割だということを、神戸先生のアドバイスを聞いて改めて学びました。 「授業アドバイスツール(アドバイスモード)」では、アドバイザーが授業の様子を録画しながら、気になった部分に印をつけることができます。 画面上に直接コメントを書くこともできますので、後で見直したときに、「何が気になったのか」が一目で思い出せます。 このツールをうまく使って、三者三様のすばらしいアドバイスを見せていただきました。 アドバイザーの皆さん、ありがとうございました。 【フォーラム2017】午前の部・テーマ4「地域連携」は以前から言われていることで、何を今さら…と思われる方もいらっしゃるでしょう。 うちはもう地域と連携しているから大丈夫、という学校もたくさんあるでしょうね。 しかし、文科省は「コミュニティ・スクール化」の推進に、本格的に力を入れてきています。 これまでの地域連携から一歩進めた「コミュニティ・スクール」にするためには高いハードルがある、と感じられている学校が、実は多いようです。 大テーマである「カリキュラム・マネジメント」の中心となるのは「社会に開かれた教育課程の実現」です。 そこには当然、保護者や地域など、学校を取り囲む社会への働きかけ、協働が必要になってきます。 そこでこの「協働」の体制づくりのプロセスを提案しようと考えました。 地域連携を進めようと、地域から人を集めて話し合おうとしても、参加者の意識が揃わずに「沈黙の会議」になってしまったり、逆にそれぞれが言いたいことを言い「収拾のつかない会議」になってしまうこともよくあります。 そこで私たちは、体制(組織)を作るための「熟議の場」(ワークショップ)をマネジメントできないかと考え、ワークショップで活用できるワークシートを開発しました。 このワークシートは「レベル1・2・3」と3段階になっていて、階段を上るように「熟議の場」を作っていこうという流れになっています。 フォーラムでは、実際にこのワークシートを使ったワークショップを劇化してお見せすることになりました。 ********** ・レベル1 レベル1では、「協働のためのはじめの一歩」として、参加者の関係づくりから始めます。 会議に参加するのは、さまざまな組織に属する人ですから、まずはお互いを知ることから始めて、学校が目指している教育についての理解を深めます。 ・レベル2 レベル2では、「協働のイメージを作ろう」ということで、学校が抱えている課題を共有し、みんなで協働できることはどんなことだろうかと考えます。 ・レベル3 レベル3では、「協働できることを絞り込もう」として、前回までにみんなで考えた協働できそうなことの中から、具体的な活動を検討します。 フォーラムでは、ファシリテーター役が、参加者の発言を促したり、つなげたり、まとめたりする様子を見ていただきました。 劇の中ででてきた活動のアイデアは、実は会員の勤務校で実際に行われたものばかりなのです。 時間の都合で数を絞りましたが、それでも多くの活動を紹介しました。 会場の皆さんには「協働できることはたくさんあるんだな。うちの学校でもできそうだな」と参考にしていただけるものが、きっとあったことでしょう。 【フォーラム2017】午前の部・テーマ3そもそも「校務」とは、学校で行われるすべての業務が含まれる、というほど広義的に捉えられているものであり、そこで扱われる情報(データ)は膨大なものになります。 教職員が扱う業務には、教員が扱うもの、管理職が扱うもの、事務職員が扱うものなど、職種別のものや、さらに全員が扱うものなど多岐にわたっています。 これらがすべて「校務情報」となるわけですが、この膨大なデータが現場で十分に活用されていないことはもったいない、なんとかできないものかという課題意識から、テーマの1つとして考えてみることにしました。 せっかく集めた情報を有効に活用できるといいよね、という発想で始まったテーマの検討でしたが、具体的な提案にするまでは困難を極めました。 というのも、実際の現場はとにかく業務をこなすだけで精一杯で、その先を考える余裕がありません。 ですから、現場で無理なく受け入れてもらえて、ちょっと考えてみようかなと思ってもらえるような提案にする必要がありました。 そこで、キーワードを3つに絞り、「何ができるようになるのか」という観点で検討して、それがどのように現場に役立つのかを提示したいと考えました。 キーワード ・情報の一元管理 ・いいとこみつけ ・ビッグデータ ********** それぞれのキーワードで、具体的な事例をあげて、現状の課題から、活用することで生まれる可能性について発表しました。 「情報の一元化」では、たくさん集まった情報を「良いこと」も「悪いこと」も一元管理するとよいのではないか、という提案に対し、個人情報に関してセンシティブな情報の扱いには留意しなければならないので、なんでもかんでも一元化というわけにはいかないだろう、という学校現場の声が紹介されました。 このことは、今、学校に強くコンプライアンスが求められている時代であることから当然出てくる問題です。今後も検討していく必要がありますね。 しかし子どもによりよい教育をするという視点から考えると、情報が一元化されることには大きなメリットがある、と特別支援担当からの指摘や、研究者からも、学校経営に必要な情報を見極めて、それを集約することの重要性が指摘されました。 「いいとこみつけ」では、学校全体で取り組んでいる地域で効果を生んでいる事例の発表がありました。 しかし良い効果が出ていることはわかるのだが、取り組むには教員の負担が大きくならないかという問題提起がされました。 校務情報システムに「いいとこみつけ」を導入したEDUCOMでは、入力の負担を軽減するためのさまざまな工夫をシステムに盛り込んでおり、選択するだけで済むような簡単な操作で入力ができるようになっています。 もちろん詳細な記述もできるようになっており、複数の教員が情報を共有できることのメリットにも配慮された仕様になっている、ということが紹介されました。 「ビッグデータ」については、マスコミなどで発表されるさまざまなデータが、自校の実態に合っているかどうかの検証が必要なのではないか、ビッグデータに頼るだけでは実態を見誤る可能性があるという問題提起がありました。 研究者から、データの見た目にとらわれていては有効な活用はできない。 学校経営の根拠とできるように、データを分析することや、それを学校経営につなげるための知識や知恵を磨くことが必要だという指摘がありました。 学校にも説明責任が求められるようになってきます。 正しく伝え、正しく理解してもらうためにも、データを根拠に説明することは有効ですから、ビッグデータと実態に合わせたスモールデータ(自校のデータ)を適切につなげる知恵を持てるといいですね。 【教育コラム】「お母さんは学校の応援団長」第48回【フォーラム2017】午前の部・テーマ2多くの学校が頭を悩ます問題が「ミドルリーダーの人材不足」です。 40歳代のミドルリーダーとなる年代が著しく少なく、若い教員が増えています。 なんとかしなければ、と考えている管理職に向けて、昨年のフォーラム(愛される学校づくりフォーラム2016 in 東京)で、「若手教師の力量を高めるには」というテーマで「『ヤング』ミドルリーダーの育成の実践」についての提案を行いました。 その提案がたいへん好評で、いかに現場ではこのことで困っているか、ということがわかりました。 今年の大テーマである「カリキュラム・マネジメント」では、学校経営の視点も重要です。 そこで、トップリーダーである校長として、若手の人材育成にかける思いや大切なこと。また、マネジメントする中で、うまくいったことやうまくいかなかったことなどを発表することにしました。 さらに、昨年の実践発表の中で「育てた(と校長が思っている)」ヤング・ミドルリーダー(中堅のミドルリーダーよりもさらに若い世代のリーダー)の皆さんにご登壇いただき、「実際はどうだったの?」という本音の部分を語ってもらうことになりました。 ********** 管理職の登壇者からは、「本当にうちも頭を抱えていて、昨年の提案を受けて、すぐにうちでも取り入れようとやってみた。しかしうまくいかなかった。教職員の温度差もあるし、いきなり導入するのは難しい」「若い女性教員が多く、産休や育休で抜けてしまう」という本音や、「ベースとなる方法として取り入れるとしても、実際には学校の実情に合わせて、工夫しないとうまくいかないのではないか」といった意見も出ていました。 ただ「管理職が『ともに学ぶ』という姿勢で臨むことが大事だ」という発表者の主張には、みな共感していました。 「あれやれ、これやれ」と旗を振るだけでは若手はついてきません。 管理職が自ら学ぶ姿勢を持ち、若手とともに学びの場に足を運ぶことで若手の心をつかみ、リーダーシップを発揮できたのだと思いました。 ゲストとして登壇されたヤング・ミドルリーダーの皆さんは、ちょっとイジワルなインタビュアーの直球の質問に、「当初は重圧を感じたり、やり方がわからず当惑したり、荷が重いと感じたこともある」と素直な気持ちを語ってくれました。 それは当然のことだと思います。 しかし、「校長が『ともに学ぶ』姿勢を示してくれたおかげで、そばで見守ってくれる安心感が生まれ、共通の話題ができることでコミュニケーションも円滑に取れるようになった」「やりがいを持てた」と話してくれたことに、彼らが大きく成長したことが見て取れました。 きっと、会場の管理職の皆さんは「若手育成のヒント」を得られたことでしょう。 【フォーラム2017】午前の部・テーマ1愛される学校づくり研究会では、今年度「カリキュラム・マネジメント」を大きなテーマとして研究を進めてきました。 ご承知のように、つい先日、次期学習指導要領案が発表されました。 その中で、以下の3つの改訂のポイントが示されました。 ・新しい時代に必要となる資質・能力の育成と、学習評価の充実 ・新しい時代に必要となる資質・能力を踏まえた教科・科目等の新設や目標・内容の見直し ・「主体的・対話的で深い学び」の視点からの学習過程の改善 これらのポイントの考え方の中心となるのが「社会に開かれた教育課程」です。 そしてこれを実現するために、各学校における「カリキュラム・マネジメント」の実現が求められています。 研究会には学校管理職の会員が多いこともあり、次期学習指導要領については、継続して議論を重ねてきました。 中教審の委員を務める会員から随時情報提供を受けながら、率直な意見交流をしてきましたが、「わかりにくい」「うまく機能させられるか不安」「何をやったらよいのかわからない」といった疑問もわいてきました。 そこで、「フォーラムで提案して皆さんと一緒に考えよう」となり、「カリキュラム・マネジメント」を大きなテーマとし、その中でも会員の課題意識の高い4つの分野に絞って提案することになりました。 それぞれのテーマでどのような提案がされたのか、順次「まとめ」を掲載します。 ********** テーマ1:教育課程を軸とした学校づくり そもそも「カリキュラム・マネジメントで、求められていることがわからない」という学校関係者がたくさんいる現状を踏まえて、具体的にどのようなことなのか?これまでとはどう違うのか?どのように取り組めばよいのか?といった観点で考えました。 冒頭から「これからは、言われたとおりにやればいい…と思っている校長は、今度こそ退場してもらわなければならない!」という刺激的な発言があり、各学校が真剣に「社会に開かれた教育課程」にすることを考える必要性を感じました。 これまでも「教育課程」については、学校が決めて実施するものとして存在していましたし、教育課程に沿った教育が行われてきたはずです。 しかしここで改めて言及されている、ということは、形骸化してしまい、それほど機能していないのではないか…ということが、暗に示されていると捉えることもできます。 ではどうすればいいの?という現場の悲鳴が聞こえてくるようですね。 登壇者からは「まずは現状の把握をしっかりやって、必要なものを厳選して、実践可能な形に組み立てることが大事」という意見が出されました。 その上で「教科書に載らない部分(学習規律などのしつけの部分や、話し合い活動のような協同学習など)もがんばらないといけない」という見方も提示されました。 また、現場の関心が高い「評価」についても、「外から見ると、学校の中で、どのような目的で、何が行われているのかがわかりにくい」という指摘もされました。 「社会に開かれた教育課程」にするためには、外部からの評価も念頭に置く必要があります。 従来の「学校評価」の結果を、もっと教育課程に反映させることも必要ですね。 そのためには「小刻みな評価」を行うことや、評価しやすい具体的な目標を立てること。そして、学校の情報をタイムリーに地域など外部に出すことなど、具体的な意見も出されました。 さらに、行政との連携についても話題になりました。 今はインターネットを通じて、近隣の学校はもちろんのこと、全国の学校の情報はHPですぐに検索できます。 保護者や地域の人がそうした情報を使って「学校くらべ」をしている現状を受け止め、お互いに良いところは取り入れるような柔軟さも必要になりますね。 教育委員会は、地域全体を見渡す視点を持って、学校との連携を図ってもらいたいという意見に共感しました。 愛される学校づくりフォーラム2017 in 名古屋(2)模擬授業1本目は、岐阜聖徳学園大学玉置ゼミの学生による「小4年国語」の授業を行いました。 そして模擬授業2本目は、岩手県奥州市で公立小学校副校長をされている授業名人の佐藤正寿先生の「小3年社会」の授業を行いました。 それぞれの授業検討では、愛される学校づくり研究会と企業会員であるEDUCOMが共同開発した「授業アドバイスツール」を使いました。 ツールの便利さを皆さんにお知らせするだけでなく、検討する内容の着目点(若手教員への授業技術指導、優れた授業では具体的に良かった点を絞りそれをシェアするなど)についても提案しました。 会場からの反応を見ていると、皆さんが「学びのタネ」を受け取ってくださったと感じられる、感嘆の声や明るい笑顔がたくさん見られました。 ********** 会場に足を運んでくださった多くの参加者の皆さま、本当にありがとうございました。 また、当日ばかりでなく、事前からさまざまに配慮のある会場運営をしてくださったEDUCOMスタッフの皆さま、ありがとうございました。 皆さんのおかげで盛大なフォーラムを開催することができたことに感謝しています。 最後に、研究会会員の先生方。 限られた時間の中で、十分に準備のための検討ができませんでしたが、きっちりとすばらしいフォーラムに仕上げていただき、ありがとうございました。 来年度も、どうぞよろしくお願いします! ※各コンテンツの詳細記事は、後日アップする予定です。 愛される学校づくりフォーラム2017 in 名古屋(1)愛知県内だけでなく、全国各地からたくさんの皆さんにご参加いただき、300席のホールが満員になりました。 今回のフォーラムも、午前・午後の二部構成で行いました。 ********** 午前の部では、「愛される学校づくり”公開”研究会」と題して、私たちが日ごろ行っている研究会での討議の様子をそのままお届けしよう!という趣旨で取り組みました。 私たちは、多種多様な会員が集まった研究会の特性を活かして、さまざまな分野のテーマについて、忌憚のない意見交流をしています。 立場が違えば、当然意見も違ってきますし、テーマの中には結論が出せるわけないようなものが多くあります。 それでも、情報提供を受けたり、自由に討議をしていく中で、会員それぞれが見識を深めたり、新しい視点を得たりと、毎回刺激を受けるのです。 そうしたエキサイティングな雰囲気を会場の皆さんに届けたい、と準備を進めてきました。 今年度は大きな課題として「カリキュラム・マネジメント」を取り上げました。そして「カリキュラム・マネジメント」を具体的に語り合う為に選んだのが、 テーマ1:教育課程を軸とした学校づくり テーマ2:ミドルリーダーの育成 テーマ3:校務情報を学校経営の手助けに テーマ4:地域連携 の4テーマです。 今年の参加者は、例年に比べて若い方が多かったので、午前の部で提案した4つのテーマについては少々難しかった、との声も聞いています。 たしかに管理職向けの話題が中心となりました。 しかし、新学習指導要領案が発表になり、これからの教育の方向性が示された今、そうした動きについてはすべての教員が知っておくべきではないかと思います。 若いから関係ない、ということではなく、どういう教育が求められるようになるのか、ということに少しでも関心を寄せてもらえるといいですね。 それぞれのテーマで私たちが提案したことが、ご参加いただいた皆さまにとって、何かしらの気づきやヒントになっていれば幸いです。 【教育コラム】「学校を離れて観ると」第6回
教育コラム「学校を離れて観ると」第6回をアップしました。今回は小西祥二先生の「学校を離れて観ると」です。
【教育コラム】「学校を離れて観ると」第5回
教育コラム「学校を離れて観ると」第5回をアップしました。今回は平林哲也先生の「「止揚」の必要性」です。
【教育コラム】「お母さんは学校の応援団長」第47回
教育コラム「お母さんは学校の応援団長」第47回をアップしました。今回は「地域と学校がつながろう(1)」です。
【教育コラム】「玉置流・教師論」第8回
教育コラム「玉置流・教師論」第8回をアップしました。今回は「教育実習での悩み(4)発問後の沈黙に耐えられない」です。
【教育コラム】「玉置流・教師論」第7回【教育コラム】「お母さんは学校の応援団長」第46回
教育コラム「お母さんは学校の応援団長」第46回をアップしました。今回は「「地域と学校の連携・協働」に想う(4)」です。
【番外編】 第4回 教育と笑いの会 (4)
12月10日(土)に開催された「第4回 教育と笑いの会」の記録です。
********** 第3部 シンポジウム「教師修行と落語家修行の接点」 玉置会長を進行役に、野口先生、志水先生、大西先生、池田先生、花丸さん、雀太さんの6名がパネリストとなり、教師と落語家の立場で「修行」という切り口でお互いの共通項を探るシンポジウムとなりました。 落語家は「言葉」を操る職業なので、そこへのこだわりを持って修行を積まれている、というお話がお二人から出ました。 言葉そのものだけでなく、相手に伝わるような言葉を選ぶことや、言葉を重ねる、逆に言葉をそぎ落とすなど、研究を重ねておられることに感心しました。 また声も大切で、トーンや強弱、速さにもこだわりを持って、日々練習を重ねているというお話には、さすがプロだと会場から感嘆の声があがりました。 そうしたお話を受けて、壇上の先生方が話された「教師修行」の経験や思いは、実は「落語家修行」にとても通じていることがわかりました。 言葉のこと、声のこと、どれも教師にとっても大切なことばかりです。 そして驚いたのは、登壇された先生方は皆、落語家のお二人が言われた修行と同じようなことを、ずっと訓練されてきたということです。 優れた教師は、優れた落語家同様に、努力を積み重ねてこられているのだと改めて教えていただきました。 まさに、野口先生がよくおっしゃる「経験は意図的に積み、整理を加える」ということを体現されておられるのですね。 とても味わい深いシンポジウムとなりました。 登壇された皆さま、ありがとうございました。 |
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