第3回 教育と笑いの会

6月の始めに第3回教育と笑いの会が開かれました。
今回は東京での初開催です。教育と笑いの会と授業と学び研究所の主催ですが、ベネッセコーポレーションに後援をいただき、会場の提供や準備で大変お世話になりました。また、いつものように協賛会社のEDUCOMの社員の方が裏方として大活躍をして下さいました。多くの方に支えられていることに感謝です。
野口芳宏先生の教育漫談、瀧澤真先生と鈴木美幸先生の漫才、玉置崇先生の教育落語、桂雀太師匠の落語、そして横山験也先生司会によるそれまでの登壇者に山中伸之先生を加えての大喜利でした。

今までの2回は最後に出番があったため、純粋に客として楽しむことができませんでしたが、今回は出番がなく新鮮な気持ちで見ることができました。

野口先生の教育漫談は、教え子とその保護者とのエピソードを漫談仕立てにされました。驚いたのが、事前に野口先生がメモを取って話の整理をされていたことです。過去2回は、ほとんど準備なしでお話しされていたので、今回にかける気合のようなものを感じました。
とはいえ、いつも通りの語り口で野口先生の人柄がダイレクトに伝わるお話です。今回のエピソードは私がかつて聞かせていただいたことがあるものですが、それにもかかわらず楽しく、笑わせていただけました。
常に謙虚な野口先生の人柄を感じられる、それだからこそおかしい話に、「ああ、やはり野口先生だ。昔からちっとも変わらないんだなあ」と何度もうなずいていました。野口先生の人柄を知っているからこそ一層笑えたように思えました。

続いて瀧澤生と鈴木先生による教育漫才です。教師のあるあるを話題に、そうそうとうなずきながら楽しむことができる内容でした。お二人が野口塾の飲み会で話していることを野口先生が聞かれて、「面白いからこれを東京でやりなさい」と鶴の一声で実現したそうです。漫才などやったことのないと思われるお二人ですが、とても仲よく楽しそうで、それだけで見ている私たちも楽しくなる、そんな芸でした。

休憩をはさんで玉置先生の教育落語です。玉置先生は、落語のみの出演依頼もたくさんある方ですから、もう余技の域を越えています。新調したばかりの着物の話から始まり、安定して楽しめる一席しでした。だからこそ、この後の桂雀太師匠の噺が際立ちます。プロの噺を際立たせることができるだけの、プロと同じ舞台に上がる資格のある素晴らしいものだったということです。

教育と笑いの会で毎回口演いただいている雀太師匠は、毎回素晴らしい噺を聞かせていただけます。いつもと同じつかみで、落ちがわかっていても笑ってしまうおもしろさはさすがです。しかし、それ以上に感動したのは、私のような素人が言うのも失礼なのですか、師匠の芸がとても進化しているように思えたことです。上手く表現できないのですが、ムダというか、雑味といったものが減って、すっきりと芯の通ったものになっていたのです。雀太師匠の持ち味や芸風が変わったということではありません。むしろムダがなくなることでより際立ったように感じます。雀太師匠の持ち味で、噺の面白さが広がり深まったと言ってもよいでしょう。前回の口演からまだ半年しか経っていません。関西の新聞社主催の新人賞を取られたこともうなずけます。勢いを感じました。懇親会では、その変わるきっかけとなったのであろう出来事についても、聞かせていただくことができました。日々芸を磨いている方だからこそ、経験を活かすことができるのだと改めて気づかせてくれるお話でした。

最後は、横山先生司会による大喜利です。正直これはどうなるかと一番心配していた演目でした。お題は登壇者が事前に考えて持ち寄ったはずですが、当日の打ち合わせで玉置先生の準備していたもの以外全部没になったということで、さらに不安はつのります。
しかし、横山先生が、当意即妙で場を見事に切り回します。ところどころ、教育についての話につなげながら、教育と笑いの会にふさわしい内容にしていきます。
玉置先生と雀太師匠も司会とうまく絡み、広がりのある、しかも楽しい時間になっていきました。
今回の大喜利を野口先生がたいそう気に入られ、これから野口塾の最後の10分間は大喜利を行うことになったそうです。ちょっと覗いてみたくなります。

実は、今回の教育と笑いの会は事前準備の時間も短く、どうなるかと心配していたのですが、協力会社の皆さんや登壇者のお力で、終わってみればとても楽しいものになりました。感謝感謝です。
次回は名古屋に戻っての開催です。私も今までの司会ではなく、芸をやれとの玉置会長からのお達しを受け、今からドキドキしています。12月10日(土)の午後の予定ですが、詳細は9月ごろに授業と学び研究所のホームページでご案内できると思います。昨年は数週間で満席になりましたので、興味のある方はチェックを忘れないでください。
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