実物投影機でノートを映す(その2)

実物投影機でノートを映すときは、作業が終わったあとが多いと思いますが(「実物投影機でノートを映す(その1)」参照)、途中で使う方法もあります。子どもたちの多くが見通しを持てていないときや、作業の途中で手が止まっているときにヒントとなりそうなノートを見せるのです。このとき、ノートの内容の説明をする必要はありません。作業をやめさせてノートを見せるだけでいいのです。見せるノートはまだ途中でもかまいません。また、全体を見せる必要もありません。「ちょっと作業をやめて。○○さんのノートを映すよ」とポイントなる部分だけをズームアップして見せればいいのです。何人かのノートを見せたあと、「自分のやり方でもいいし、みんなのノートを参考にしてもいいからね」と作業を続けさせます。余計な説明を加えないことで、自分の力で情報を読み取ろうとするようになります。もちろん「よくわからなければ、友だちに聞いてもいいよ」とすることで、かかわりあうきっかけとすることもできます。

子どもたちが自分で読み取る力がまだ育っていないならば、「こんな図を描いているよ。このあと、○○さんはどうするのかな?」「最初に、こんな式を書いているね。これは何を計算しているのかな?」「これは、どの資料を見たのかな?」と、読み取る視点だけを示してもよいかもしれません。
本人に説明させるのも悪くはないのですが、どうしても時間がかかります。映されたノートを見て見通しを持てた子どもは早く作業に戻りたいと思います。ここは、テンポよく進めたいところです。

「わからなければ、友だちに聞いてもいい」といっても、なかなか聞けない子どももいます。まずは、友だちのノートを覗き込むことができるだけでもOKです。映されたノートを見ることで、友だちのノートを見るよさを知ればそのきっかけとなります。説明せずにただ見せることには、こういうねらいもあるのです。

意図的に使うことで、実物投影機でただノートを映すことも、とても効果的な手法となります。ICT機器は、こういう手間がかからず、効果的な場面で利用することを心がけたいものです。

新年度になりました

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