岩手県「横軸連携」の実践(宮古市立鍬ヶ崎小・宮古市立津軽石小・盛岡市立山岸小・盛岡市立向中野小・花巻市立南城小)
「横軸連携」の取り組み(昨年度発刊した「東日本大震災の記録」より転載)
いま、被災地岩手では、各学校の校長先生方のリーダーシップのもとで、一歩一歩、復旧・復興に向けて歩き始めています。しかし、遅々としてなかなか前に進まない課題が多いのも事実です。骨身を削り、強い使命感をもって子供たちに向き合う沿岸被災地区の教職員の姿に、何かをせずには居られません。被災地区の課題は、それぞれが異なり、それに対応した真摯な支援を考える必要があります。内陸部の各地区においては、いま心を一つにした温かい支援が展開されていますが、それと同時に、“岩手の未来を創るのは自分たちである”という自覚も子供たちに持たせなければいけません。「いま、自分にできることは何か」…それを考えさせることも私たちの大切な仕事なのです。 ※紹介は紙面の関係で一部とさせていただきます。 【花巻地区】(集会用テント一式等) ・7月に姉妹校(唐丹小学校)から、9月の運動会に向けて集会用テントの要望が入る。 ・市内小学校で集めた義援金を使いテント一式を業者に発注。 ・8月上旬に校名・校章入りのテント一式が届けられる。 ・3月に閉校した東和地区小学校の運動会用具(紅白玉入・綱引きロープ)も送る。 【胆江地区】(児童間交流) ・7月6日、奥州市立真城小学校は、大船渡市立盛小学校と猪川小学校に出向き、児童による交流会を実施した。 ・参加したのは、6年生全員とマーチングバンド部員の総勢99名。 ・剣舞(6年)とMB演奏(3〜6年)披露のあと、ボランティア委員から義援金が手渡された。 【釜石地区】 学校運営上の諸課題 (1)施設・設備にかかる事項 ・仮設校舎が年内に完成するが十分な広さの校庭、体育館が確保されず、望ましい教育環境とは言えない。 ・震災で傷んだ施設を早急に修理し、使用できる状態にしたい。 (2)震災加配にかかる事項 ・未補充の解消と次年度以降の充実した継続。 ・支援員の増員(バス送迎等) (3)人事異動にかかる事項 ・凍結人事の解消、復興に向けた特別人事、要領を超えた配慮。 (4)その他 ・児童の心のケア。カウンセラーとの連携。校長裁量で使える義援金。 岩手県「横軸連携」の実践(宮古市立鍬ヶ崎小・宮古市立津軽石小・盛岡市立山岸小・盛岡市立向中野小・花巻市立南城小) No.1
「歩みだそう未来への第一歩」と題し発表しました。
岩手県「横軸連携」の実践(宮古市立鍬ヶ崎小・宮古市立津軽石小・盛岡市立山岸小・盛岡市立向中野小・花巻市立南城小) No.2
長年の防災教育への取組が認められ、「ぼうさい甲子園」でグランプリを受賞。
岩手県「横軸連携」の実践(宮古市立鍬ヶ崎小・宮古市立津軽石小・盛岡市立山岸小・盛岡市立向中野小・花巻市立南城小) No.3
姉妹校(都南東小・手代森小・永井小)と交流集会を行いました。さんさ踊りや合唱交流のあと、「いま、自分にできることは何か」を一緒に考えました。
岩手県「横軸連携」の実践(宮古市立鍬ヶ崎小・宮古市立津軽石小・盛岡市立山岸小・盛岡市立向中野小・花巻市立南城小) No.4
地域との関わりを大切にしながら、ふるさとを見つめ直す教育を
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地域との関わりを大切にしながら、ふるさとを見つめ直す教育を
岩手県「横軸連携」の実践(宮古市立鍬ヶ崎小・宮古市立津軽石小・盛岡市立山岸小・盛岡市立向中野小・花巻市立南城小) No.6
器楽の部 交流会の様子
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盛岡市内3校(山岸小学校・仁王小学校・城南小学校)では、宮古市立宮古小学校の児童を迎え、音楽や郷土芸能の交流を通し、相互に親睦を深めながら復興への決意も新たに実践を行いました。
テーマは、「花の輪ミニコンサートを開こう」です。 平成24年8月10日(金)。午前11時、盛岡市立山岸小学校を会場に交流会が開始。全体交流会で各学校の紹介を行い、その後、部門別(合唱・器楽・郷土芸能)交流会を行い、日頃の取組の様子や練習の成果を交流しました。また、ミニコンサート(合唱・器楽部門)においても日頃の取組の成果や合同練習の成果を地域に発信しました。 被災地域の宮古小学校との交流を通して、復興に向け共に頑張っていこうとする心情を高めることができました。今後も被災地域の学校との交流活動を継続していきたいと思います。 岩手県「横軸連携」の実践(宮古市立鍬ヶ崎小・宮古市立津軽石小・盛岡市立山岸小・盛岡市立向中野小・花巻市立南城小) No.8
高さ6mの津波は、海岸近くの学校にまで襲いかかり、校庭や体育館も浸水。子どもたちは、近くの神社に逃れて難を逃れました。向中野小学校の子どもたちは、避難経路を追体験し、災害から身を守る術を学びました。
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大津波は、街並みを瓦礫の山と化しました。
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平成24年8月2日早朝、夏の熱い日差しの中、花巻市内各小学校の児童代表2名、計37名が花巻から、バスで釜石へと向かいました。
児童たちが、震災で被害を受けた釜石市を訪れ、津波被害の受けた校舎を実際に見たり、被災された地域の方からお話を聞いたりすることで、津波の怖さや復興に向けて頑張っている姿を肌で感じ取ってほしいと願って計画したものです。 釜石市で児童が目にしたのは・・・ バスが釜石市街地に入ると、廃墟となったビルが点在し、まだ被災の跡が残っていました。児童は想像を絶する街並みに、驚きと恐怖感で声も出ませんでした。 最初の見学地である唐丹小学校は、津波を受けた状態のままで残っていました。想像を超えた被害の状況を児童は目の当たりにして、津波の凄まじさをまざまざと感じ取ったに違いありまん。 その後、今の唐丹小学校仮校舎を訪問しました。夏休み中にもかかわらず、唐丹小学校の6年生が出迎えてくれました。唐丹小の児童たちの元気な挨拶や明るい笑顔は、花巻の児童にとって光輝くものでした。 午後は、釜石市教育センターに移動し、河東眞澄氏(前釜石市教育長)から、被災の様子についてのお話を聞きました。 今回の釜石訪問に参加した児童は、自然災害の恐ろしさや、地域の人々が復興に全力を挙げて頑張っていることをわずかでも体感できたのではないかと思います。 岩手県「横軸連携」の実践(宮古市立鍬ヶ崎小・宮古市立津軽石小・盛岡市立山岸小・盛岡市立向中野小・花巻市立南城小) No.11
釜石市を訪問した各学校の代表児童は、夏休み明け、それぞれの学校ごとに報告会を実施しました。被災地の様子を直接見聞して感じたことを全校に伝えるためです。そのための発表スライドも校長会として作成しました。
おわりに 復興までは長い道のりが予想されます。これからも、被災地のニーズに応じながら、息の長い支援(交流)活動を続けたいと思います。そのために、被害の少なかった私たちにできることは、被害の大きかった地域の状況に思いを寄せ、自分たちに何ができるのかを考え続けることが大切だと考えます。 |
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