よいスタートを切った学校

連休の谷間に、中学校の授業研究に参加しました。

新学年のスタートはどうのようであるか気になっていましたが、特に新3年生が集中して授業に参加していました。2年生のときと比べて、ずいぶんよい状態です。4月は子どもたちも気持ちを切り替えるときです。そこを先生方がうまくつかんでよいスタートを切ったのだと思います。学年内の横のつながりがよいのでしょう。学級による差が少なかったのも印象に残りました。
1年生もうまく人間関係をつくることができたようです。学級の一体感が育ちつつあるようでした。友だちの発言をしっかり聞こうという雰囲気を感じました。
新2年生は、まだ子どもたちがまとまっていないようでした。1年生のとき、学級によって雰囲気がかなり異なっていました。子どもたちが昨年度の学級の状況を引きずっているため、学級としてまとまりなく感じるのかもしれません。ここからが各担任の頑張りどころです。担任個人の問題ではなく学年の問題として協力しあってくれることを期待しています。

授業研究は、生徒に焦点をあてて検討会を開きました。ともすれば、教師の指導面に目が向きやすくなるのですが、司会者の上手な進行で、子どもたちの活動を中心にしっかりと意見交換ができました。新しく赴任された先生も、グループでの協議にすぐに溶け込み、とてもよい雰囲気で進みました。昨年から始めたグループ討議も1年間でしっかり定着したようです。

3月の時点で心配な面もいくつかあったのですが、全体としてとてもよいスタートを切れているようでした。先生も子どもも4月は気持ちを切り替えるときです。うまく波をつかめたようです。また前年度にやってきたこと、学んだことを一からトライできるときでもあります。うまくスタートを切れたのは、昨年度に先生方が地道に努力し学び続けたことがその根底にあると思います。

学校がよい方向に向かう手ごたえをしっかり感じた1日でした。次回の訪問がとても楽しみです。

家庭訪問

家庭訪問は保護者も教師も気を使うものです。学校によっては廃止するところもあるようですが、子どもたちが普段生活している環境を知ることはとても意味のあることです。せっかく時間を使って実施するのですから、形式的なもので終わらず学級経営に役立つものにしましょう。

家庭訪問は、子どもの生活環境を知ることが大きな目的の一つです。
家だけでなく、そのまわりの環境もしっかり観察することが大切です。遊び場が近くにある。コンビニが近くにある。そういったことも子どもの生活に影響を与えます。また、最近は玄関先で話をすますことも多いと思いますが、花が飾ってある、靴が揃えられているといったちょっとしたことからでも家庭の雰囲気をつかむことができます。きょろきょろしてはいけませんが、しっかりと観察することが大切です。
許されるのであれば、子どもが勉強している場所を見せていただくことはとても有益な情報を得られます。もし見せていただくのであれば、事前にその旨を保護者に伝えておくことが必要です。その場で突然お願いしても困ってしまわれます。ときにはなぜ部屋を見せたと親子でトラブルになることもあります。家庭訪問でお願いすることがあれば、必ず事前に伝えておくようにします。

保護者との話ですが、基本は聞き手にまわることです。保護者と担任の信頼関係を互いに築くチャンスです。今度の担任は話をしっかり聞いてくれると思ってもらえることが大切です。笑顔でしっかりとうなずき、受容的な態度で接することを心がけます。
また、相手のホームグランドですので、学校で話すのとはまた違ったことを聞くことができます。子どもの家庭での様子を中心に聞きましょう。家へ帰ったら最初に何をしているか、どこで遊んでいるか、どこで勉強しているか、など項目は事前に整理しておきます。保護者同士で何を聞かれたか情報交換されたりもしますので、共通のものを決めておくとよいでしょう。
こちらから話すのは学校での子どもの様子です。ポイントを押さえてよいところを中心に伝えるようにします。これも事前に整理しておくとスムーズに進みます。
最後に要望等を聞くことになると思いますが、その場では答えづらい質問や要望が出てくることがあります。そのような質問にはその場で答えることはせずに、持ち帰って検討すると伝えましょう。その際回答の方法を確認しておきます。電話でよいのか、文書がよいのか、後日訪問がよいのかをきちんとしておかないと対応が悪いとトラブルになることもあります。そして、学校に戻ったらすぐに上司に報告し、翌日にはいつまでに回答するかだけでも伝えましょう。ここでの対応をしっかりすることが信頼につながります。
また、時には質問や要望というより学校や同僚への批判を聞かされることもあります。言いたいだけであって何か対応を期待しているのではありません。「なるほど、そのように感じられているのですね」としっかり受容だけはして、こちらの意見等は差し控えておきましょう。同調するのも、逆にそんなことはないと説得するのも意味のある行動ではありません。このようなことで保護者と仲良くなったり、議論して関係を悪くしたりしてもしょうがありません。

家庭訪問には地域の事情が色濃く反映されます。お茶やお菓子はいただいた方がいいのか手をつけない方がいいのか。座敷に上がった方がいいのか、玄関先で済ますのか。その学校固有の暗黙のルールがあることもあります。わからないことや気になることは先輩や同僚にきちんと確認しておくことが大切です。
訪問時間は長くはとれません。個人の情報をメモするカルテ作り、聞くこと話すことなど事前に整理して臨んでください。このカルテは家庭訪問以外にも面接や生活指導時にも活用できます。

家庭訪問は感度を高くして、子どもたちの家庭生活に関する情報をできるだけたくさん集めることと、保護者との関係づくりのためによい聞き手になることを意識して臨んでください。
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