佐藤曉先生から学ぶ
教師力アップセミナーで佐藤曉先生のお話しを聞かせていただきました。
佐藤先生は大学の研究者ですが、学校現場での実践を大切にされています。年間200回も授業研究に参加されているとのことです。実際の授業での子どもたちの学びの軌跡を具体的に示してのお話しは大変説得力にあふれていました。 発達障害の子どもの対応について直接先生とお話しすることができましたが、「これが正解という対応があるわけではない」という言葉が印象的でした。 この子はこういう障害があると診断がくだりレッテルが張られると、今度はそのレッテルが独り歩きをする。障害はその子どもの持つ多くの要素のほんの一部でしかない。その一部分で全体を規定することはおかしい。子ども一人ひとりと向き合い、その子に応じた対応を考える。障害があるなしに関係なくどの子に対してもアプローチの仕方は同じであるはずだ。区別する必要はない。手探りで一人ひとりに応じた対応を見つけていくしかない。 あらためて、一人ひとりを大切にすることの意味を教えていただけた気がしました。ありがとうございました。 教師の人事評価
私学の経営にかかわる方とお話ししていると、人事評価のことが話題になることがあります。頑張っている方により多くの給与を与えたい。報われる形にしたいということです。
時として、給与の割に働いていないと感じる方の給与を下げて、その分を頑張っている人に回したいと言われることもあります。気持ちはわかるのですが、給与規定の改定が必要だったり、なかなか難しい面があります。 学校改革に成功しているところでは、人事面の評価を給与に反映させるのではなく、ポジションに反映させていることが多いように思います。成果を上げている人は、例え若手でも責任のあるポジションにつける。ベテランでも成果を上げていない人はそのポジションから退いてもらう。また、必要に応じて新しいポジションを作って活躍する機会を与える。ダイナミックな人事が学校の活性化につながっています。 教師も子どもたちと同じで、自己有用感を持つことが、いきいきと働く原点だと思います。要は、自分のやったことがきちんと評価されていると実感できることが大切なのであって、学校の実情に応じていろいろと工夫の余地はあるはずです。ここが、学校経営の腕の見せ所なのです。 ノート作りで意識したいこと
子どもたちのノートを見てみると、板書の内容を写しているだけのものがあります。計算や作業が中心の物もあります。教科によっても違いがあると思いますが、どのようなことを意識してノートを作らせればよいのでしょうか。
大切なことは、ノートを作ることで、自分の考えが深まったり、成長が意識できることです。そのためには、ノートにはまとめだけ、正解だけが書かれているものにしないように注意することです。板書とも連動しますが、途中の考え、間違ったものもノートに残すようにする、消さないということです。 例えば、いくつかの考えが出たら、それらをノートに書かせ、自分がよいと思った考えを丸で囲ませる。できれば、その理由も書かせる。友だちの意見で納得するものがあればそれも書く。間違いに気づいたらその部分を赤で訂正したりしてわかるようにする。このように考えの変遷を残すようにします。 これらを根拠としてまとめを自分で書き、友だちや教師のまとめを聞いて足りないところを付け加える。このとき、色分けなどの工夫をして付け加えたものがわかるようにする。 また、算数や数学であれば、正解が黒板に書かれていても見ずに再挑戦し、見なければ書けなかった部分に線を引くなどして自分にとってのポイントがわかるようにする。 すべての場面でこのようにするのは時間の関係で難しいと思いますが、グループ活動のように自分たちで考えさせる場面ではこのようなノート作りをできるだけ取り入れてほしいと思います。 次年度に向けて考える
気が早いと思われるかもしれませんが、三ヶ日は次年度も継続してお手伝いする予定の学校のことを考えていました。4月になってから新たな行動を起こそうとしても、1年で最も忙しくかつ学級づくりにとって最も大切な時期にそんな余裕はありません。3月末までに準備を終えていなければなりません。今の時点で明確な方向性が打ち出されていなければ、間に合いません。
多くの課題を抱えている場合、緊急度の高い課題が優先されます。しかし、次年度のことを考えた時に、今手をつけておかなければならないことがあります。わかっていてもどうしても余裕がないために後回しにされがちですが、ここでやっておかないと次の1年の動きが取れなくなってしまうのです。 あわただしい3学期ですが、今の課題を明確にして、解決のための準備を怠りなくしてほしいと思います。 |
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