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最新更新日:2024/06/17 |
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オンライン朝礼での校長先生のお話 2/28
今日で2月が終わります。2月の初めから、6年生の子たち5〜6名を15分間、毎日順番に校長室にお招きしました。卒業が間近なので、小学校での思い出・将来の夢ややってみたいこと、中学校に入ってからやってみたい部活動などについて私と話をしました。一人一人の思いが伝わってきてとてもよい時間となったのですが、その中である子が「やってみたいとは思わないけど、○○○という職業に憧れている」と話してくれました。私はその言葉を聞いて「憧れ」という気持ちはすばらしいなと感じて、今日は私が「憧れた人(方)」についてお話します。
私がまだ20歳代前半で初めて学校の先生になった時、その学校にいらっしゃった私より5歳年上の「神屋先生(仮名)」が私がこんな先生になりたい、と憧れた方でした。 その時、私は4月1日に中学校の先生になったばかり。翌日、4月2日に神屋先生は私に向かって「山田先生は、弱いな。」と言われました。私が就職した中学校は時にはガラスが割られたり暴れる子がいたりしたいわゆる荒れた学校でしたので「そうか、自分は弱いのか。この学校でやっていけるかな。」と不安になりました。しかし、その後、神屋先生は「弱いけど・・・いいよ。山田先生は、いい!」と言ってくれたので、私は「自分は、いいんだ。」と思ってほっとしました。教師になったばかりで1時間も授業をしたことがなく全く経験がない私の何がよかったのか、いまだにわかりません。考えてみると、その時の私は「教師になれたからがんばるぞ。」というやる気だけはありました。やる気しかない私だったけど、神屋先生はそれを認めてくれたのかな、と思っています。 また、神屋先生は、教師としての心構えも教えてくれました。「子どもを指導する時には、“きみ(あなた)のために”と必ず言いながら指導するんだよ。指導しても素直に聞かず口答えする子も中にはいるだろうけど、子どもをきらってはだめだ。だから、“きみ(あなた)のために”と言い続けるんだよ。」と教えてくれました。別の機会には、私に「山田先生は、美術(図工)のプロだよね。今度、自分が顧問をしている陸上部のユニフォームを新しく注文するんだが、どんな色の組み合わせにするとよいか教えてほしい。」と言われました。私は憧れの神屋先生にあてにしてもらえたことがうれしくて、ユニフォームのデザインを見ながら、この部分はこの色でこっちはこの色・・と色の組み合わせを考えて神屋先生に提案しました。出来上がったユニフォームは私が考えた通りの色になっていて、とても嬉しい気持ちになりました。 神屋先生は私に教師として、人として大切なことを教えてくれました。このことは、みなさんが友達と、または自分より年下の子と接する時にも大切なことなのではないか、と感じたので、今日、お話ししました。もう一度、まとめてお伝えします。 ★その人の「できる・できない」に関係なく、やる気(意欲)を認めて伸ばす。 ★よくない行いについては指導するけれど、人としてきらってはだめ。 ★自分一人でやらず、時には人をたよりいっしょに取り組むことで、その人のやる気を引き出す。 それから、私は教師として30年以上働いてきましたが、憧れの神屋先生に追いついたと思えたことはありません。もしかしたら、一生追いつけないかもしれません。でも、6年生の子が話してくれた「憧れ」という言葉を聞いて、神屋先生のような先生に少しでも近づけるようにがんばろうという気持ちをあらためて思い出しました。「憧れ」という素敵な言葉を伝えてくれた6年生の子に感謝しながら、お話を終わります。今日もよく聞いて下さり、ありがとうございました。 ![]() ![]() ![]() ![]() オンライン朝礼での校長先生のお話 2/14
私は朝、学校に来た時に2階にある職員玄関から入るので、まず階段を上がって扉をあけて靴を脱ぎ、靴箱に靴をしまいます。めったにないのですが、たまに階段や玄関が少し汚れているな、と感じる時があります。それは、前の日の掃除の時間が「漢字計算タイム」などのために掃除がなかった日なのです。逆に言えば、いつもいかにみなさんがしっかりと掃除をしてきれいにしてくれているか、感じる瞬間でもあります。感謝しています。
私は掃除の時間に時々校内をまわっていますが、高学年の子と低学年の子が協力しながら掃除に取り組んでいる場面をよくみかけます。掃除の時間は、高学年(4・5・6年生)の子全員がリーダーとして、活躍できます。低学年の子に掃除の仕方を教えながら、自分もしっかりと掃除をすること、それが西成東小学校のリーダーとして活躍しているということなのです。今、4・5・6年生の子たちが低学年の時にも、今と同じように高学年の子がみなさんに掃除の仕方を教えてくれて、できた時には「それでいいよ」とか「ありがとう」というように認めてくれたのでしょう。だから、みなさんは同じように今、低学年の子に教えることができるのです。 人は、自分がしてもらったことは必ず覚えています。そして、無意識のうちに、同じことができるのです。今は、コロナが心配なので高学年と低学年の子がペアになって近くで本を読む時間をとることはできないけれど、毎日の掃除の時間や田植え・稲刈りの時には、ペアでの活動ができています。高学年の子は低学年の子に教え手本を見せることで自分に自信がもてるようになり、低学年の子は高学年の子に教えてもらうことで感謝の気持ちが育まれます。これからも、こうしたペア活動を通してみなさんが成長できることを期待しています。 さて、コロナの感染は、広がるばかりです。先日、手洗い場で水は冷たいのに長い間、手を洗っている二人の女子をみかけました。私が「水は冷たいのに、よくそんなに長い間、手が洗えるね。」と声をかけたら、その子は「どちらが長い間洗えるか、競争しています」と笑顔で答えてくれ、私はその姿に感心しました。「手洗いで手についているウイルスを洗い流す」「目や口などの顔(粘膜)をさわらないようにする」などに気をつけて、コロナにかからないように予防をしましょう。 ![]() ![]() ![]() ![]() オンライン朝礼での校長先生のお話 2/7
今日は「好きなことをすると、苦しい」・・・なぜ?、というお話をします。
私は、図画工作(美術)が専門の先生です。ある時、私が描いた絵を見た子が「先生は、どうしてこんなに絵がかけるの?」と聞いてくれました。私はちょっと考えた後、「それはね、絵がきらいになるくらい何度も絵を描く練習したからだよ。」と答えました。すると、その子は「きらいになったらダメですよ。」と言いました。おっしゃる通りです。 先週、放課の時間に6年生の教室にいた時、ある子と絵の話になりました。その子も絵を描くことが好きなのですが、その子のお姉さんは水彩やパステルなどを使って本格的に絵を描いていて、ふたつの景色を組み合わせて一枚の絵にした現実にはない風景の絵などを描いているそうです。部屋には絵の道具が置かれ、学校では美術部に入って絵を描いているそうですが、その子のお姉さんも「時々、絵を描くことが苦しくなる」と言っているそうです。 私も、6年生の子のお姉さんも、絵を描くことが好きで始めたのに、どうして、きらいになりそうになったり、苦しくなったりするか、みなさんはわかりますか。ちょっと、考えてみてください。 これは、絵を描くことに限らず、スポーツや楽器の演奏など多くのことに共通するのだけど、ただ遊びでやっているうちは楽しいし、気持ちも楽です。でも、もっとできるようになりたいと目標のレベルを高くして本気で取り組み始めると、自分で決めた高い目標までなかなか届きません。一生懸命やっても、急にはレベルアップしない。だから、時にはきらいになりそうになったり、苦しくなったりします。私が高校生や大学生の時、私より絵がうまい友だちは何人もいましたので自慢するつもりは全くありませんが、少々苦しくても、思ったように上達しない時があっても、ひとつのことに打ち込み繰り返し取り組むことで、自分が成長できると考えています。「あっ、前よりできるようになった。」と感じる時が訪れると、それが自信になります。その自信が、他のことにもよい影響を与えて、いろいろなことに前向きに取り組めるようになります。みなさんにとっては、リズム縄跳びがよい例だと思います。リズム縄跳びのお手本の映像を初めて見た時は、「この先生はすごいな。自分にはとてもできない。」と思った人もきっといたでしょう。でも、失敗を繰り返しながら何度も練習してだんだんとできるようになった時、自分に自信が持てて「もっとやりたい。」という気持ちがふくらんだのではないでしょうか。「先生、みてみて。○○跳びができるようになったよ。」と声をかけてくれる子は、ピカピカに輝いています。リズム縄跳び以外にも、何度も繰り返し練習してできるようになったことは、きっといくつもありますよ。思い出してみてください。 自分で何かができるようになるには、時間がかかります。スマホをポチッと押して検索するように簡単にはいきません。だからこそ、できた時の喜びや自信も大きくなるのです。今日は、この後、サッカーチームの子たちの表彰をしますが、この子たちもきっと時にはサッカーをすることがつらくなったり苦しくなったりしながら、がんばって続けてきたのだと思います。 あせらず、あきらめず、何かに取り組んでみてください。今日もよく聞いてくれて、ありがとうございました。 ![]() ![]() ![]() ![]() |
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