7月の校長講話「カタツムリ」(7/2)
おはようございます。
今日もさわやかな挨拶ですね。静かに腰をおろしてください。いつもすぐに話を聞く姿勢になって、すばらしいですね。 あちこちであじさいの花がきれいに咲いています。今年は梅雨なのに晴れる日が多く、楽しいプール水泳ができてうれしいですね。 さて、梅雨の時期に庭などでよく見かける生き物がいます。かたつむりです。でんでん虫ともいいますね。「でんでんむしむし、かたつむり・・・」という歌もあります。 虫みたいですが、かたつむりは、陸に住む貝で、日本ではおよそ200種類いるそうです。ほとんど動かないように見えますが、実はゆっくりゆっくりと進んでいます。 今日はかたつむりにまつわるお話を紹介します。 彫刻で有名な北村西望さんという人がいました。長崎の平和祈念像を造った人です。平和祈念像というのは、こんな格好をした大きな像です。見たことがある人もいると思います。 この平和祈念像を造っているときに、足下に1匹のかたつむりを見つけました。そのときはあまり気にとめずに、平和祈念像を造っていました。お昼頃になって再びその場所に戻ってみると、先ほどのかたつむりはいませんでした。 午後になって平和祈念像の頭部をつくるため、はしごを登って、像のてっぺんにつきました。するとそこにあのかたつむりがいたのです。すすむのがのろいかたつむりですが、いつのまにか9メートルもある像のてっぺんにきていたのです。北村西望さんは、とても感心して、「たゆまざる 歩みおそろし かたつむり」という句を詠みました。平和祈念像は5年がかりで昭和30年に完成しました。北村西望さんは、自分をかたつむりにたとえて、「私は天才ではない、だから人の5倍、10倍もかかるのです。」と常々語っていたそうですが、その後もたくさんの有名な彫刻をつくり、文化勲章や紺綬褒章を受けられた方です。昭和62年に102歳(享年104歳)でなくなりました。 今日は「たゆまざる 歩みおそろし かたつむり」、ゆっくりでも着実に前にすすむかたつむりのお話をしました。あと3週間で夏休みです。暑さに負けずに元気で過ごしましょう。終わります。 |
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