最新更新日:2024/06/10 | |
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リンゴの傷ばかり見るな〜講演会での僧侶の話から〜 ある日、その僧侶は妻から買い物を頼まれスーパーに出かけた。頼まれたものの中にリンゴがあった。季節外れのリンゴは高いのだから傷がなくて形のいいものを選ぼうと、一個ずつ手にとっては眺め必死だった。スーパーでよく見かける見慣れた風景である。気がついたら自分も同じことをしていた。しかし同時に、これはおかしいと思ったのです。リンゴを買うのに傷ばかり探していました。傷の一つや二つ、皮を厚めにむけばどうということはない。リンゴの味に変わりはないのです。リンゴの傷ばかり見ようとする。ひょっとして、私はこのようなことを人間に対してもやっているのでないでしょうか。そこで思い出したのが私のところで働く女性のことです。ある時、重要な書類のコピーを頼むと、原稿が斜めに曲がったままで大量のコピーが出来上がってきました。正しくコピーできたかどうかちょっと確認すれば済んだことだったので、それ以来、その女性を見かけると、「コピーも満足にできない子」というレッテルで見ていることに気がつきました。彼女はコピーの件を除けばとてもよく働き、寺は大いに助けられているのです。そういう全体を忘れて一点の傷ばかりに目を向ける。人は思い通りになっていることよりも、思い通りになっていない部分を気にします。でもどうか、傷ばかりを見ないでください。大事なことは傷の付いていないところをどう受け止めるかということですから・・・・・・というような話でした。 私たち教師であってもこのようなことがないとは言えません。一人ひとり異なった個性を持つ子どもたちの良さを見出し、意欲がわき、思考力、判断力の高め、豊かな自己実現ができるよう学びを支えていきたいと思います。 |
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