継続的に育てる

日々の教材研究は、どうしても目の前の授業をどうするかに追われてしまいがちです。なかなか、1年間、3年間、6年間を通じて育てる力のことをじっくりと考えることができません。

例えば、読む力はどの教科でも大切な基本となる力です。1時間ごとにどう力をつけると考えるようなものではなく、継続的に育てていくものです。授業のどのような場面で、何を意識し、活動させなければならないのかを整理しておく必要があります。

国語であれば、わからない言葉や読めない漢字を見つけて調べる。すらすら読めるようになる。話の内容がわかる。筆者の主張、登場人物の気持ちを本文に沿って理解できる。・・・
算数・数学であれば、問題文の条件がわかる。何を求めればよいかがわかる。・・・
社会であれば、事実がわかる。違いがわかる。因果関係を整理できる。・・・
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このように、読む力といってもいろいろな場面でさまざまな形で求められます。それを身につけるための活動も、子どもの成長や教材によっていろいろ考えられます。

初めて目にする文章であれば、黙読してわからない言葉や、漢字に線を引くという作業をするとよいのかもしれません。いきなり音読して、詰まったところを調べる方法あります。
すらすら読ませたいのなら、できるだけ早くとプレッシャーをかけた方がよいのかもしれません。ペアで読みながら、詰まったところを教え合うのもいいでしょう。
内容を理解するのであれば、「主人公の気持ちがわかるところに線を引いて」と指示をして、じっくり読ませることも大切です。
算数の文章題であれば、問題文を絵や図にすることで把握する。求めたいものと、わかっていることを別の色で線を引く。こんな方法も知っておく必要があります。
社会科で資料を整理するのであれば、箇条書きではなく、事実とそこからわかること、因果関係を線で結んで関係図をつくる。
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書く、聞く、話す、調べる、・・・。多くの力が子どもたち求められます。それぞれの力をつけるため、どのような場面で、何を意識して、どのような活動が必要なのかを整理してみてください。若い先生は、ほんの少ししか見つからないかもしれませんが、意識して授業をおこなったり、他の先生の授業を見ることで見つかっていくはずです。
このことが明確になってくると、新しい教材に出会っても、時間をかけずに授業を組み立てていくことができると思います。
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