学習計画を考える

長期休業などで、子どもたちに学習計画を立てさせることがあると思います。なかには学習計画を立てて満足してしまう子もいます。子どもたちにとって意味のある学習計画とはどのようなものなのでしょうか。

子どもたちの学習計画は、何時から何時まで勉強するといったものがどうしても多くなります。時間が来たから勉強するぞと机に向かい、それから何をするか考え始めます。これではなかなか取り組めませんし、すぐにやる気をなくします。
計画はできるだけ具体的にするように指導します。国語をやる、漢字の練習をする、漢字の練習帳の何ページをやる。後にいくほど具体的になっています。具体的であればあるほど、それだけ実行できる可能性は高くなります。
何をどれだけやるかが明確であれば、机の前で時計を見て時間がたつのを待っているのではなく、早く終わらせて次の行動に移ろうとするとして集中力が生まれます。早く終われば遊んでもいいのです。

ここで、もう一つ注意してほしいのは、やったことで満足するのではなくその結果どのような力がついたか、何ができるようになったかという成果を意識することです。そのためには具体的に何ができればよいのかの目標と成果を明確にする必要があります。漢字の練習であれば、練習帳の何ページの漢字が全部きちんと書けるようになるといった成果を明確にすることです。

この目標と成果を明確にするためには、学習計画全体を通じての目標、成果を具体的にすることが大切になります。休みを通じてどんな力をつけたいのか、その成果をどんな形ではかるのかです。目標は漢字力をつける。その成果は、問題集のテストで何点とれたかで確認する。そのために、練習帳を毎日何ページやる。こういう発想です。
子どもたちが自分でこの目標と成果をつくれないようであれば、教師の側で最低限のものを用意することが必要かもしれません。休み中の課題と連動してもよいですが、その場合、成果を具体的にチェックする方法をプラスする工夫がほしいと思います。

また、子どもたちが立てる計画は、気合を入れすぎて無理をしたり、確実にできることを意識して押さえ目になったりします。そのために、チェックポイントを設けるようにします。たとえば1週間ごとにチェックし、うまくいっているなら上方修正、うまくいっていないなら、目標達成のために計画を立て直すのか、目標自体を修正するのか考えます。

とはいえ、なかなか計画通りに実行できないのも子どもたちの常です。子どもたちのやる気を持続させるためにはいくつかの工夫が必要です。
目標に対してどこまで進んだかを視覚的にわかるようにすることも一つの方法です。予定をこなせたら、マスをぬりつぶしていく、シールを貼るといったやり方です。こうすることで、達成感を味わうことができます。
また、いつも目標をクリアできないとやる気がなくなりますが、最低限でもここまではというラインを設定することで、達成感を味わいやすくするという方法もあります。たとえば、目標10ページに対して6ページを最低ラインに設定します。集中力が切れかかっても、6ページはクリアしようという気持ちが働きます。6ページできれば、とりあえず最低ラインをクリアした達成観が得られるので、あと1ページくらいはと意欲が戻ってきます。

これらのことすべてを子どもたちに求めることは難しいと思います。しかし、子どもたちの発達段階に合わせてできること、やれそうなことにチャレンジさせてください。とりあえず、学習を時間ではなく、具体的に何をするかでとらえさせることで、子どもたちの学習に対する取り組み方が変わっていくと思います。
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