大前暁政先生から刺激と視点をいただく(一部削除)

先週末は、今年度第1回の教師力アップセミナーに参加しました。京都文教大学准教授の大前暁政先生の講演でした。

前半は「学級づくりの筋道」、後半は「理科の授業づくり」についてのお話しでした。共通して感じたのは、まだ若いのに大前先生が実によく勉強されてきたのだろうということでした。特に前半のマネジメントに関することは、どこかで聞いたことのある話ばかりなのですが、ご自身の現場での経験をもとに実践する側の視点で何が大切かを改めて整理されているように感じました。目標を立てても具体的な手立てが見えなければ、実行することはできない。具体的な手立てを持つこと、示すことが大切だという主張は大いに賛同できるものでした。学級経営を考える時に、その大切な要素が授業だという考えも納得でき
るものでした。

後半の「理科の授業づくり」は、大前先生が日ごろ大切にしている視点を伝えられました。これも、一つひとつの内容はどこかで聞いたことがあることなのですが、実践を通じて大前先生の言葉で整理されたことに価値があると思います。

・3つの力(問題解決能力)
比べる・因果関係を考える・規則性(法則性)を探し出す。

・心理的盲点に気づかせる
子どもが素通りしそうな(見過ごしそうな)知識を問う。

・わかった状態から、わからない状態へ
わかった状態からわからない状態へ追い込むことによってより深くかんがえさせることができる。

・問題意識を探り、授業で扱う
子どもたちから疑問や調べたいことを引き出すことで、意欲を持たせる。

こういったことを、具体例をもとに話していただけました。

ただ、示された例が興味を持って調べる、知識を得ることにやや偏っていて、子どもが考えて結論を出すといったものが少なかったことが気になりました。知識を得て、その知識をもとに考えるという流れが、明確になっていなかったのです。考えさせる例でも、そのために何を知識として持っていなければいけないのか、それをどう与えてどう子どもたちに活用させるかの手立てが示されなかったのです。大前先生の中ではきちんと流れがあるのでしょうが、若い先生にはそのことを意識することすらなかなか難しいことです。小学校の先生の多くは理科の専門家ではありません。理科で大切にすべきことが何かをわからずに、ただ同じ実験をやる、課題を与えるだけでは、興味を持たせることはできても、理科の力がつくかどうかは疑問です。もし次の機会があれば、ぜひこのあたりのことを話していただきたいと思いました。

まだ若い大前先生ですが、たくさんの刺激と考える視点をいただけました。ありがとうございました。
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