体育大会で子どもたちの成長をみる

先週末は学校評議員を務めている学校の体育大会に、来賓として参加させていただきました。
いつものことですが、子どもたちがどのような成長を見せてくれるかとても楽しみです。

開会式では、子どもたちの視線が印象的でした。しっかりと壇上を見つめています。端の列の子どもたちが体を自然に内側に向けているのに気づきます。とても素晴らしい姿勢です。
例年、聞く姿勢や集団行動面で差があるので、1年生がどの集団かすぐにわかるのですが、今年はよく見ないとわかりませんでした。かろうじて体の大きさの違いでわかる程度です。学年の差が縮まったようにおもいます。というか、高いところで揃ってきたという感じです。
何人も交代で話が続くので集中力が切れやすいのですが、最後までしっかりと保てていました。中でも校長の話の時の集中力はとても高いものでした。校長の話ということもありますが、やはり指導力も大きいと思いました。受け身の状態を変えるために、子どもたちに声を出させます。大きな声が出せるようになってから、「次は挨拶をします」と宣言し、子どもに心の準備をさせます。とてもよい挨拶になるのは当然です。こういうことが自然にできるのは流石です。集団に対する指導の上手さは、専門教科が体育であるからかもしれません。よい勉強をさせていただきました。

一方、係の子どもたちですが、今年は特にやらされている感が少ないように思いました。しっかり指導されてきちんとやっているというより、自分で一生懸命考えてやっているという雰囲気です。ただ、国旗掲揚や進行の係は、旗を揚げることやアナウンスに意識がいってしまい、自分たちが見られているという意識があまりありませんでした。公的な場であることを意識し、背筋を伸ばして美しい姿をつくろうとしてほしいところでした。最近はそこまでは指導しないのかなと思いましたが、聞けば今年は、教師の口出しをできるだけ減らし、子どもたちに考えさせ自分たちでつくる大会を意識させたそうです。いろいろな意味で納得できる話でした。
子どもたちの係の中でとても印象に残っているのが、トラックの審判です。1レースごとに違反がないか旗を揚げて知らせるのですが、例年は旗を揚げる時に顔が下がったままの子どもが目立ちます。無理もありません。暑い中、選手の足元を見ながら淡々と旗を揚げ続ける仕事です。モチベーションを維持するだけでも大変です。しかし、今年の審判は、どの子どもも背筋を伸ばし、顔を上げ、肘を伸ばしてまっすぐに旗を揚げます。とても気持ちのよい姿でした。見ていて感心しました。大会を支える地味な仕事ですが、自分に与えられた大切な仕事としてとらえていることがよくわかりました。

体育大会では競技している子どもではなく、観戦している子どもたちの様子を見るのが私の常です。昨年は、自分の学級の友だちが参加している時だけ集中して、他の学年の競技の時にはまわりとおしゃべりしているような姿も目につきましたが、今年は違います。どの学年もどの競技でもしっかりと観戦し、声援をおくっています。
スタートの準備の笛が鳴ると、運動場全体に緊張がみなぎります。該当学年でなくても全員の視線がスタートラインに集中しています。昨年と比べて大きく進歩していました。

クラスマス(ゲーム)で、とても素晴らしい姿を見ることができました。全員が運動場の正面に座り各学級の演技を見るのですが、午前は1、2年生だけで3年生の演技はありません。その3年生が各学級の演技の見せどころで自然に拍手をするのです。それにつられて各学年からも大きな拍手が起こります。自分たちの出番がないところで、見る姿勢で下級生を引っぱっていました。これが最上級生ということなのでしょう。

時間の関係で、午前中で失礼しましたが、子どもたちの成長した姿をたくさん見ることができ、とても幸せな時間を過ごせました。いろいろ指導したいこともあるでしょうが、その気持ちを抑え、先生方が子どもたちに多くを任せ、考えさせたことが成長の原動力のように思いました。先生方に見守られて子どもたちが生き生きと頑張っていました。この日の空のように、さわやかな気持ちで学校を後にしました。
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