保護者の授業を見る目

学校公開日などで保護者へのアンケートをどのように実施するかということは、学校ごとに工夫がされています。先日の研究会でも話題になったのですが、特に授業についてのアンケートをどう考えるかは悩ましい問題です。

・そもそも保護者は自分の子どもしか見ていない、信頼に足る意見が得られるのか。
・アンケート(評価)項目を工夫することで、有意義な情報となる。
・アンケート(評価)項目を保護者と一緒につくることで、保護者の視点がわかるし、学校側の視点も伝えることができる。
・保護者のアンケート結果と、ふだん校長が授業を見て感じているものとのずれは少ない。保護者に授業を見る目はある。
・自由記述欄に書かれたことが、保護者の言いたいことだ。それをきちんと受け止め対応していくことで保護者の信頼や理解が得られる。
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いろいろな考えがありますが、学校の一番の根っこである授業に関して、保護者とのコミュニケーションを否定的にとらえることは、マイナスのように思います。
確かに、保護者の興味は自分の子どもが中心でしょうが、少し意識を変えていただければ授業を見る目は十分に信頼できるものになると思います。

昨年度PTAで講演したときに世話役だった方から先日届いたメールに、授業参観の話がありました。
今までは授業参観は自分の子どもの授業態度ばかり見ていたが、今回は「どんな授業の進め方をしているのか?」「子どもたちはどんな反応をしているのか?」と自分の子ども以外の態度まで気にして、まるで先生を審査するように見たそうです。先生によって本当にいろいろで、ベテランだから授業の進め方が上手というわけでもないと思ったそうです。
実際にこの方の感想が的を射たものであるかどうかははっきりとは言えませんが、授業の進め方、他の子どもの態度に注目したという時点で、かなり信頼に足る、聞く価値のあるものだと思います。
この方は、私の講演後ときどきこの日記を見て、子育ての参考にしていただいているそうで、とてもうれしく思っています。この日記を通じて、授業を見る視点を意識されたことが授業参観の仕方を変えるきっかけになったのだと思います。

授業で何が大切なのか、何を大切にしているのか。どこを見るべきなのか、どこを見てほしいのか。このことがきちんと保護者に伝わっていれば、授業のアンケートはとても有効なものになると思います。学校が目指す授業をポジティブに評価していただけ、先生方が元気になるはずです。学校HP(ホームページ)で、授業のよい場面やその解説を毎日のように発信している学校があります。こういう学校は間違いなく保護者の授業評価を意識しているはずです。保護者の授業を見る目を肥やした上での授業アンケート(評価)がどのようになるのかとても楽しみです。
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