ほめることは難しい?

子どもたちをほめて伸ばすということが、よくいわれます。ところが、このほめることがうまくできない、ほめ方を教えてくれという相談がよくあります。中には、「悪いところばかりの子どもをどうやってほめるの?」と質問する方もいます。子どもたちをほめるには、難しいことなのでしょうか、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。

まず、ほめる観点が具体的であることが大切です。「積極的に取り組んでいる」ことをほめるのであれば、それがどのような子どもの姿でわかるのかを明確にすることです。そして、どのような場面で見られるかを明確にしておくことです。具体的な姿を意識して、その姿が見られる場面をつくることで、子どものよい姿を見つけることができるのです。見ようとしないと見られないのです。

また、教師の中に絶対的な基準があって、これができればほめるという発想だと、どうしても能力の高い子、よい子ばかりがほめられることになります。教師にはどうしても完璧を求める傾向があります。最終目標は高くてよいのですが、そこに足りないところを見つけて指摘するのではなく、出来たところまでをほめるのです。こうして、一人ひとりの成長したところ、できたことをほめるようにすればすべての子どもをほめることができます。

「Aさん、プリントが配られてすぐに名前を書いたね。えらいね」
「Bさん、すぐに鉛筆を持ったね。やる気があっていいね」

こんなことでも、普段なかなかできない子であれば、ほめていいのです。全員を同じ基準で見るのではなく、個人内相対評価をしてあげることが必要です。

教師が子どもたち一人ひとりのほめたい姿を明確にして、その姿を見ようとすれば、ほめることは難しくないはずです。
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