介護現場の課題から組織力を考える

先日、介護職員研修の打ち合わせをおこなってきました。
引き継ぎが上手くいかない、優先順位がおかしい人がいるといったことから、組織としての力をどうつけるのかが話題になりました。個人の問題と言ってしまえばそうなのですが、それでは解決につながりません。ルール化して、罰則を設けるという発想もあります。行動規範を明確にして、自覚を促すという発想もあります。どれが正解と言うわけではありませんが、実態にあった方法を模索する必要があります。
このことは学級経営にもつながります。教師が厳しく指導してルールを徹底させるか、子どもたちの自主性を大切にして子どもたちに規範意識を育てるか、悩ましいところです。

引き継ぎのようなコミュニケーションの問題は、伝える側、受ける側の両者が存在します。一方の側に問題があるから上手くいかなくなるのか、もう一方がカバーすることで上手くいくのかが問われます。相手の非を追求するのではなく、カバーする発想を持つことが大切です。組織としてこのことを浸透させることが課題です。

仕事の優先順位の問題は、介護の現場では予定外のことにどう対応するかという問題でもあります。ここで、「すること」と「起こること」という視点が必要になってくると思います。「すること」とは、予定されている仕事です。事前にわかっているので、優先順位も明確にできます。一連のタイムスケジュールにそってこなしていけば問題はありません。一方の「起こること」は、いつとは予定できないが、確実に起こり得ることです。利用者さんがトイレに行きたい、体調が悪くなる。こういったことは緊急に対応する必要があります。問題は予定されている仕事をこなしている時にこういったことが起こることです。自分の仕事を途中で止めるのは嫌なものです。直接の担当でなければ、自分以外の方に対応してほしいと思ったりもします。これが、優先順位がおかしくなる要因の一つです。「起こること」に対してどう対応するかを明確にする必要があります。この視点で、業務を一度棚卸することをお願いしました。

これと似たことが学校でもあります。例えば、担任が帰宅した後に生徒指導上の問題があったと学校に連絡があったとしましょう。その子どものことは他の者ではよくわからないからと帰宅した担任に対応させるのでしょうか。それとも、学校に残っている先生方で対応するのでしょうか。内容にもよりますが、前者の対応もよく目にします。子どもたちの(生徒指導上の)情報をきちんと共有できていれば、他の先生方でも十分に対応できることもたくさんあるはずです。情報の共有が大切になります。

一人ひとりが自分の強みを活かすと同時に、互いに助け合えることが強い組織の条件です。助け合うためには、助け合おうという掛け声だけでなく、助け合うために必要な仕組みや環境をつくることも必要です。このことを改めて考えさせられました。
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30