介護研修で、コミュニケーションスキルの共通性を考える

先週末に、介護技術の研修をおこなってきました。今回は「排泄介助」がテーマです。実務担当者の助けを借りながらの研修です。

排泄は非常にプライベートな行為です。他と比べてもより利用者の気持ちに配慮した介助が求められます。また、老化や病気などにともない、失禁といった排泄の失敗はどうしても起こってしまいます。排泄の失敗は精神的にもこたえます。よく観察し予見することで、できるだけ未然に対応したいものです。そのためには、何が原因でどのようなことが起こるかの知識は欠かせません。失禁一つとっても様々な原因が考えられます。介護職員の方には多くの知識が求められることを改めて感じました。

今回は、おむつ交換のポイントを、訪問介護のエキスパートの方に実演しながら教えていただきました。その技術もさることながら、利用者とのコミュニケーションの取り方に感心しました。オムツ交換は、利用者にとっては恥ずかしい気持ち、申し訳ない気持ちなどが混じって精神的な負担の多いものです。利用者の精神的な負担を少しでも軽くするような声かけに感心しました。同じことを伝えるのにもちょっとした言葉の使い方で、命令に聞こえたり、こちらの意向を聞いてくれているように感じたりします。利用者の「嫌だ」という言葉に対しても、「そうだね」と受容して、「できるだけ早くするから、きれいにしましょうね」と前向きな言葉をかけます。そして、協力に対して「ありがとう」の言葉を忘れません。
このような接し方は、教師の子どもに対する接し方とも共通するものがあります。子どものよい面を引き出し、よい行動を増やしていくことは、「○○しろ」という命令では決してできません。「○○しよう」「やってみよう」と、子どもに寄り添い、一緒にやろうという姿勢が大切です。
コミュニケーションスキルには、仕事や対象にかかわらず共通のものがあることを、いつものことながら感じさせられました。

今回、利用者役も訪問介護のエキスパートの方がやってくださいました。なるほど、利用者はこういう反応をするのかと納得させられます。毎回、実務担当の方の力添えのおかげで、私のような素人でも研修が成り立っています。皆さんの協力に感謝です。
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