他教科の意見は貴重

昨日は中学校で授業研究に参加しました。私が参観したのは同時展開でおこなわれた2つの数学の少人数授業でした。

おもしろかったのが、数学科以外の先生方の反応や意見でした。教科の人間でないので、子どもと同じ視点で授業を見ます。「何をすればいいのかわからない」「何をやっているのかわからない」といった声が聞こえてきます。数学の教師にとっては当り前のことが、そうでない者にとっては決して当り前でないことがよくわかります。
検討会では、数学の教師とは違った視点から、「なるほど」とうなずかされる意見がたくさん出されました。

中学校では教科担任制をとるために、授業研究で他教科の方が参加することに懐疑的な方もいらっしゃいます。しかし、他教科の意見はその教科の人間では決して気づかないようなものがたくさんあります。子どもの目線に近く、しかも教師の視点もあわせもっているということは、とても貴重なことなのです。

今回の授業で「何をやっているかわからない」という声が出た原因の一つが、教材研究不足です。端的に言えば教科書の内容をしっかりと理解していなかったことです。
1次関数のグラフの傾きの最初の授業ですが、1次関数の「変化の割合」という関数としての性質と、直線のグラフに対して定義された「傾き」が等しいことを使って、グラフの傾き具合と「傾き」との関係を整理するという教科書の論理の進め方をきちんと理解していなかったのです。ここが不明確なまま授業を進めたため、傾き具合と「傾き」、「変化の割合」の関係が混乱してしまったのです。

ここでも何度も取り上げているように、教科書の内容をきちんと理解することはとても大切なことです。課題や発問を子どもの視点で見直すこと、教科書をきちんと読み込んだ上で自分なりの進め方を考えることを授業者にはお願いしました。
私自身数学が専門ですので、今回、他教科の方の素直な意見に触れることで、たくさんのことに気づくことができました。とてもよい機会を得られて感謝しています。ありがとうございました。
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