うれしい驚き

昨日は授業研修の講師を務めました。市内の小中学校から集まった16名の先生方との授業研究です。今回は代表者が研究授業をおこない、それを全員で参観して協議するという形式でした。

授業は中学3年生の社会科でした。教師と子どもたちの関係がとてもよく、明るい学級でした。授業を見ていてその理由がよくわかりました。子どもたちに対する教師の否定的な言葉が少ないのです。できるだけポジティブに評価しようとしています。
今回の授業はグループを使っての話し合いが中心でした。子どもたちは元気に話し合っていますが、自分の答や意見の主張が目立ちました。少数意見をしっかり聞こうとするグループもありましたが、多数決をとって終わるグループもありました。実は、学級活動や道徳ではグループをよく取り入れているが、社会科の授業では今回が初めてということでした。今回の研修をきっかけに、子どもたちのグループ活動の質が上がっていくことと思います。
また、グループではよく発言している子どもも全体ではなかなか発言しようとはしませんでした。子どもたちは正解を発言することを求められていると感じているようです。結論を聞くのではなく、出た意見を聞くようにすると変わっていくと思います。

驚いたのは、参加者による、授業後の4人グループでの話し合いです。どの先生も実によく子どもを見ていました。各グループでの話し合いの様子、子どもが課題に取り組むときの戸惑いなど、細かなことも見逃していません。子どもの事実をもとにした足が地についた話し合いでした。

参加できない生徒がいたのは、6人とグループの人数が多かったから。それなら司会者をつくるか、4人くらいに減らしたらよいのでは。
対決的な話し合いになっていたのは、グループの結論を求めていたから。グループで一つにまとめることにこだわらない方がよいのでは。
考えを書くという指示であったが、子どもはどうすればよいかわからず戸惑っていた。2回目は経験しているので、すぐに取りかかっていた。例を挙げて具体的に伝えるべきだったのでは?
・・・

充実した話し合いでした。皆さんの意見に私がつけ足すことはほとんどありませんでした。子ども同士のつなぎ方、結果ではなく過程や根拠を問うことについて少し話させていただきました。

この年3回の研修を始めて5年目になります。参加者は毎年入れ替わりますが、年々話し合いのレベルが上がっていると感じます。子どもを中心に見て、少人数で話し合う形の授業研究が、この研修会を通じて市内のほとんどの学校に広がったという話をうかがいました。みなさん、自分の学校で質の高い授業研究をおこなっているに違いありません。だからこそ、ここでの話し合いがとても素晴らしいものになったのだと思います。
グループごとにまとめ方も工夫していました。きっと、お互いの学校の工夫を伝えあっているのでしょう。この研修会が市内の学校の学び合いのきっかけになっていることを大変うれしく思いました。

先生方のレベルアップに負けないように私もレベルアップしなければと気持ちを新たにしました。よい刺激をいただきました。
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