介護の研修で、仕事に対する世代間の視点の違いを感じる

介護職員の研修を行いました。7月は4年後の事業所とそこで働く自分の姿を考えてもらうものでした。

事業所の将来については施設の数が今より増え、新しい仲間が増えているという意見が大勢でした。そのことをよいことと思う反面、心配なことが増えるという方もいらっしゃいます。新し職員が増えることで、この会社のよさが薄まるのではないかというのです。確かにその通りです。今の自分たちの仕事の進め方や、心構えを新しい仲間に伝えることがどんどん大切になっていくことがわかります。

参加した若い層は、こういった状況を前向きにとらえてくれているように感じます。4年後には、自分が率先して新しい仲間に範を示すことや、新しい施設に移ってこの事業所のやり方を伝える立場になっていると考えています。介護について技術面だけでなく、コミュニケーションなど幅広く研鑽を積んでいこうという意欲を感じました。

一方、管理的な立場の中堅層の一部の反応は若い層とはちょっと違い、規模が大きくなることに対してあまり前向きにとらえていないように感じました。現在の状態で仕事を回していくことでも大変なので、規模が大きくなることで負担が増えることが心配なのです。現状で事業所を維持できているので、無理に大きくしなくてもよいという発想なのでしょう。介護の事業所の環境は今後それほどよい状況がつづくとは予想されません。規模をある程度大きくすることで職員の流動性を事業所間で高め、効率化を図る必要があります。管理的な立場の方であれば、自分の仕事のやり方を変えて質を高めることで環境の変化に対応することをぜひ考えてほしいと思いました。

また、子育ても終わり生活に余裕ができてきたベテランの方は、仕事と自分の人生のバランスを考えていたことが印象的でした。自分のできることはしっかりとやるが、あまり無理はせずに自分の趣味や生活も大切にしていきたいということです。この気持ちもよくわかります。

4年後の在り方を考えた時に、世代間で考えが異なっていることは仕方がありませんが、経営的な視点がどの世代でもあまり意識されていないことが気になりました。介護職の方に経営者的な視点を求めること自体が無理な要求なのかもしれませんが、こういった面も意識していただけることを考えなければいけないと思いました。

学校でも経営的な視点を持つことが課題となっています。カリキュラムマネジメントもその一つだと思います。管理職やミドルリーダーだけでなく、どの教員にとっても大切な視点ですが、育てるのはなかなか難しいことだと思います。

今後、各施設の事業計画の作成等を通じて、経営的な視点でも仕事をとらえていただけるようにしたいと思います。
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