管理職の本気を感じる

私立の中学校高等学校の今年度の授業改善について打ち合わせを行いました。

昨年度末に、私なりの改善の方向性を、授業評価アンケートの結果から提案させていただきました。今回の訪問は、学校として授業改善をどのように先生方に意識・実行していただくかの具体的な計画を立てるのが目的です。
うれしいことに、今年度のスタートにあたり、「アクティブ・ラーニングを取り入れた授業改善に今年度は学校全体で取り組む」と、校長が明確な方針を出されていました。授業改善へ向けてリーダーシップをとることを強くお願いしようと思っていたのですが、素早く決断されていたのです。具体的な取り組みも始まっていました。教科ごとにどのように取り組んでいくのかの計画を立てることがすでに依頼されていました。副校長はこの学校で取り組もうとしている「アクティブ・ラーニング」のポイントをまとめたものを各教科に配っています。生徒が「活躍する→ほめる→やる気を増す」といったサイクルを回すという視点や、笑顔で生徒に接し根拠や課程、思考のプロセスを問いかけること、互いに授業を見あうことなどがまとめられています。素晴らしいのは、「具体的なイメージが湧かないのであれば」という条件付きで、教科書からアクティブ・ラーニングを実践しやすい例を選び出して紹介していることです。副校長自らがすべての教科の教科書に目を通して、「ここならば」という例を探したということです。
また、一部の教科から、アクティブ・ラーニングを進めると教科書がきちんと終わるか心配だという声が上がってきたそうです。過去にそのようなことがあり、保護者から責任を追及されたようです。管理職は、そのようなことがあれば自分たちが責任を取るとはっきりと答えたそうです。授業改革への強い意思が伝わったことでしょう。管理職の本気が感じられます。

管理職にこのようなやる気を見せていただくと、こちらもこれまで以上に頑張ろうという気持ちになります。スタートでつまずいてやる気がなくなることを避けるために、早い時期に先生方の取り組みを見て教科ごとにアドバイスをする時間をとることにしました。6月の上旬に2日間連続で訪問て、できるだけ多くの授業を見て先生方をバックアップさせていただきます。
今年度は「学校の授業を変える」と保護者に明言しなかったが、来年度はそうできるようにしたいと校長は話しておられました。「これからは進学実績を競うのではなく、充実した高校生活を送れることが学校の魅力だと思う。そのためにも、子どもたちが活躍する場面の多い授業に変えていくことが大切だ」という管理職の言葉に、目指す学校の姿が明確になったように思いました。

管理職の熱い思いを感じて先生方はどのように変化していくのでしょうか?次回の訪問がとても楽しみになりました。
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