【第6回】５月２６日はネットデイ、先生方の手作り校内ＬＡＮ
五反野小学校には、ネットワークを利用した校務支援システムが導入されていて、始業前に児童の保護者から入る欠席の連絡や、毎日の諸連絡、各種受理文書・提出書類などの情報を、先生方が一人一台持っているノートパソコンから、入力・閲覧できるようになっています。 |
 |
これらを利用して校務を効率化することで、朝の職員会議等の会議の時間を短縮し、生まれた時間を、先生方の１分間スピーチにあてるなど、スキルアップやコミュニケーションアップに利用しているそうです。また、日々の児童の「よかったこと」を、ネットワークを利用して、気づいた教職員全員が記入していき、通知表などでご家庭にフィードバックしていくということです。
しかし、小学校の場合、担任の先生は、授業が始まると職員室にもどる機会がほとんどなく、せっかくのシステムも活用の機会が半減してしまっています。また、五反野小では、教科の授業の中でもコンピュータを有効に活用しようと、いろいろな試みを行っていますが、現在の普通教室では、パソコンを用意しても、インターネット等を利用することはできません。
そこで、普通教室を含めた校内の全教室にＬＡＮを用意しようと、プロジェクトがスタートしました。
校長の三原徹先生にお話をうかがいました
|
Q．手作りの校内ＬＡＮプロジェクトがスタートしたきっかけを教えてください。 A．せっかくの校務支援システムや、子どものためのネットワークを利用したコンピュータ教材など、普通教室でも気軽にコンピュータを活用してもらうためには校内ＬＡＮが必須と感じました。しかし、校内ＬＡＮを敷設するには大きな予算がかかり、いますぐ整備というわけにはなかなかいきません。 そこで、地域の方や学校を応援していただいている皆さんに相談したところ、手作りの校内ＬＡＮという方法もあるという話が出て、早速プロジェクトがスタートしました。 |
 三原徹 校長先生 |
A．私を含め先生方は、コンピュータやネットワークに関しては素人ですから、まずはどんな作業を、どんな段取りで進めるのか把握するためにも、一部の教室（高学年）を先行して、先生方が中心になって工事を行ってみることにしました。運動会の翌週の土曜日であったにもかかわわらず、十数名の先生が、ボランティアで参加してくれました。
 |
 |
 |
 |
 |
 |
Q．とてもきれいに仕上がっていますね。
A．先生方が、子どもたちのことを考えながら丁寧に工事をしてくれましたので、素人の仕事とは思えない、とてもきれいな仕上がりです。黒板の両脇に、先生用と児童用の情報コンセントが設置され、黒板が情報ボードに変身しました。廊下は、配管用のパイプを利用して、天井裏などの危険な箇所の工事をしないで、上手に配線することができました。また、教室と廊下の基幹配線の間に情報コンセントを設けたので、工事をパターン化することができて、作業効率がアップしました。
 2系統がつながった各階のハブ |
 廊下の基幹配線から教室へ |
 教室の情報コンセント |
A．校務支援システムなどが利用できる先生用のネットワークと、子どもが利用する児童用のネットワークは、情報の安全を考え、物理的にも別なネットワークにしています。もちろん、先生用の情報コンセントに登録してあるパソコン以外のパソコンを接続しようとしても、何も情報が見えないように、セキュリティが施されています。
Q．収穫は大きかったようですね。
A．はい、高学年の各教室でコンピュータが利用できるようになったのはもちろんのこと、実際にＬＡＮケーブルの端にコネクタや情報コンセントを付け、ハブを介して一つのネットワークを作る作業を通じて、先生方の情報スキルも一段とアップしたと思います。まずは、先生方がコンピュータやネットワークをわがことのように利用する。それで、情報の共有化、業務の効率化が進み、一人ひとりの子どもの姿がよく見えるようになる。学校でのコンピュータの活用は、ここから進んでいくと考えます。
Q．今後の展開を教えてください。
A．次は、全教室にＬＡＮを設置したいと思います。可能であれば地域の方や保護者の方にも協力をお願いして、夏休み前に、どの教室でも、気軽にパソコンを活用できる環境ができれば、大変ありがたいと考えています。
どうもありがとうございました。
（編集部 小西）
（2004年6月21日）
