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新潟市立亀田東小学校 平成21年度3年生 総合的な学習の時間

総合的な学習の時間「わたしたちのまちじまん」

平成17年3月,新潟市に合併されるまでは「亀田町」だった本校行政区。

3年生の「総合的な学習の時間」は,その故郷『亀田』の産業や施設,人を見つめる学習。自分たちが住むエリアの産業や施設の特色・特徴・輝いている人に気づき,故郷に誇りをもってほしい。そんな思いをもって私たち職員は指導にあたっています。

(平成21年度3学年担任 野上)

PART.1 梅作り名人,村山さんをお迎えして 7月3日(金)

その歴史は今からさかのぼること約200年も昔。江戸時代は「文化・文政」時代。亀田荻曽根地区の宇野籐五郎氏が栽培,市場に出荷した梅が評判となり,その名を命名した事が「籐五郎」梅の始まりと言われています。紀州南高梅と比較するとやや小粒のこの梅,現在もなお約100トンがここ亀田地区では収穫され,県内最大の生産地として市場でも高く評価されています。

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「ファームムラヤマ」を経営されている村山さん。その梅にかける思いはTVでも紹介されたことがあるほど。実際にたわわに実った梅の枝を持参,子供たちに見せていただきました。
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子供たちの代表が,収穫を体験させていただきました。
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子供たちが使っている道具は全て村山さん愛用のもの。
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緊張しながらも,興味津々の子供たち。梅を傷めないように細心の注意を払いながら疑似体験させていただきました。
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 目の前で剪定(せんてい)の様子も実演していただきながら,1年間の作業の様子をわかりやすくお話しいただきました。
 梅を収穫した後にも作業があると聞き,新しい発見をした子供たち。上等な梅をたくさん収穫するには,冬の間に行われる剪定(せんてい)作業がとても大切であることを学びました。
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安価な外国産の梅。ちょうど子供たちが産まれたころには,籐五郎梅の価格が大暴落し,大きな痛手を受けました。
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 以来,生き残りを懸けた,村山さんを中心とした生産農家の皆さんの努力は,並大抵のものではありませんでした。
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 その結果,より高品質な籐五郎梅の生産とともに,梅酒,梅ジュース,梅ジャム等,梅製品の開発が次々となされてきました。食に対する安全性から,見直されてきた国産の梅。その地位は確固たるものを築くに至りました。

約四半世紀にわたり梅を栽培されている村山さん。毎年3月末に荻曽根地区,通称「梅の木通り」で行われている「亀田梅まつり」を立ち上げ,ここまで発展させてこられた張本人でもあります。

本校では数年前よりゲストティーチャートしてお越しいただいております。子供たちに籐五郎梅について知ってもらおうと,毎年様々な教材を用意していただいており,その姿勢には頭が下がります。亀田発祥の「籐五郎梅」をもっと広めていきたいという村山さんの願いに共感した子供たちでした。


PART.2 梨作り名人,窪田さんをお迎えして 7月9日(木)

新潟市江南区の梨栽培は,古い書物に残った記録によると,今から約300年前。徳川四代将軍・家綱の頃にまでさかのぼります。梨畑に囲まれ育った窪田さん。当たり前のように梨農家の後継ぎに…。

気がつけば梨と向き合って半世紀以上。「おいしかった」「いい梨だなあ」そんな声を聞くのが嬉しくて嬉しくて…。生涯かけてよりよい梨を追い求めます。

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 試験的な品種も含め,15種類の梨を栽培されているそうです。梨の木の数は600本!
 そのうち「新興」を中心に7種類の梨を出荷されているそうです。
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 年間8万個もの梨を収穫,出荷される窪田さん。計18回行われる消毒の作業は機械を使って行われますが,受粉や袋掛けといった作業は,全て手作業で行われると聞き,びっくりした子供たち。日の出から日の入りまで,1個1個細心の注意を払いながら連日作業が行われるそうです。
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 それだけに,台風等により下に落ちてしまうことが最も辛いことと話される窪田さん。その切なさといったら測り知れませんが,子供たちなりに窪田さんの梨への愛情を理解していたようでした。

窪田さんからは7年間にわたりゲストティーチャートして子供たちに梨作りへの愛情,熱意をお話しいただいております。梅と梨。種類は違えどお二方には共通の熱い思いがあることを気付き始めた子供たちです。


PART.3 越後絵蝋燭本店,小池孝男さんをお迎えして 7月14日(火)

和ろうそく・専門店として明治26年創業。新潟県では唯一の絵蝋燭の老舗です。お越しいただいたのは四代目の小池孝男さん。全国でもトップクラスの生産量・出荷量を誇る同店。蝋燭にかける熱い思いを語っていただきました。

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 ずらり並んだ絵ろうそくを前に話し始める小池さん。「絵ろうそくで『うれしい』『楽しい』と思ってもらいたい。使う人への思いを込めて作る。手を抜くことは許されない。」と,その思いを熱く語ります。
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 毎年明治神宮に献上されている絵ろうそく。これまでTVや新聞等で,繰り返し紹介されてきました。
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 全国の百貨店でも取り上げられているほか,海外でもその評価は高いと聞き,驚きを隠せない子供たちでした。
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間近で絵ろうそくを眺める子供たちはあまりの美しさにうっとり。
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自分たちが住む亀田に,日本を代表する絵ろうそくが受け継がれていることを知った子供たち。伝統の技を大切にしたいと感じた瞬間でした。
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脈々と受け継がれてきた絵蝋燭。「清く、正しく・美しい商品」から「うれしく・楽しく・感動を呼び起こす商品」へ。伝統だけに縛られず,常に前に進んでいこうという強い意志が話の端々に感じました。梅に梨に絵ろうそく。「より良いものをつくりたい」というひたむきな姿勢がどの名人にもあるということを,子供たちには学ばせたいものです。

また,小池さんからは,「ありがとう」の気持ちをもつことが大事と,子供たち一人一人に「ありがとうろうそく」をプレゼントしていただきました。小さなろうそくにこめられた『ありがとう』の思いを,しっかり受け止めた子供たちでした。