主張

平成21年9月25日

中央教育審議会

キャリア教育・職業教育特別部会長

          田村 哲夫 様

全国連合小学校長会 向 山 行 雄

「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」に関する意見

貴特別部会におきましては、今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について精力的に検討されていることに対し、深く敬意を表します。全国連合小学校長会としても、小学校におけるキャリア教育の重要性について深く認識しているところであり、下記について意見を表明いたします。



1 「II 改革の基本的な方向性」について

  1. 改革の基本的方向性の3つの柱について、基本的に賛成である。特に方向性1の「義務教育から高等教育にいたるまで体系的に身に付けさせるため、キャリア教育の視点に立ち、社会・職業とのかかわりを重視しつつ教育の改善を図る」ことに大きな意義がある。
  2. 「学校の教育活動全体を通した体系的なキャリア教育」について小学校段階では、特別活動の中で係活動や当番活動等として指導し、望ましい勤労観・職業観の育成に努めている。また、生活科、社会科等各教科の指導においては、様々な職業をとおして、児童が現在及び将来の生き方を考える学習を設定している。したがって現行の教育課程の枠組みの中で実施されているキャリア教育を大きく変更することは、各学校に混乱を招くことはないか不安がある。
  3. 「義務教育段階からの体系的な取組」には賛成できる。しかし、(2)と関連し、キャリア教育として特化した枠組みを設定するのではなく、キャリア教育の視点から現状を見直し、より一層意図的にキャリア教育を進めることが肝要である。
  4. 「義務教育段階からの体系的な取組」には賛成できる。しかし、(2)と関連し、キャリア教育として特化した枠組みを設定するのではなく、キャリア教育の視点から現状を見直し、より一層意図的にキャリア教育を進めることが肝要である。
  5. (4)と同様の趣旨で、「義務教育段階において体験を踏まえたキャリア教育・職業教育を進めていく上で、・・・」という表現は、キャリア教育において、「地元の企業、商店、公共機関等との連携・・・」が必要である、連携しなければいけないという誤解を招きかねないので、例示とするなどの表現としたい。

2 「III 後期中等教育におけるキャリア教育・職業教育の在り方」について

  1. 基本的に賛成である。
  2. 3−(1)−2推進方策、指導の在り方で、「中核となる時間を高等学校の教育課程に明確に位置付けることも考えられる」とし、「小中学校の学習指導要領との整理が必要」としている。各教科等の指導だけでなく、給食指導や清掃指導等まで一人の学級担任が行っている中で、キャリア教育が行われている小学校とそうではない高等学校とが、キャリア教育の在り方について教育課程上異なることは、当然であると考える。無理にキャリア教育・職業教育の視点から体系化しすぎないよう配慮が必要である。

3 「各学校段階を通じたキャリア教育・職業教育の在り方」について

  1. 新学習指導要領では、特別活動の学級活動の内容として新たに「清掃などの当番活動等の役割と働くことの意義の理解」が加えられた。働くことの意義や大切さを実感させ、望ましい勤労観や職業観を自ら形成させることが重要である。あわせて、「役割を分担し、学級の一員として認められ、みんなから必要とされているという認識をもつなどの自己有用感や仲間と共に活動をしているという充実感がもてる」ことが大切であるとされている。?−1−(1)では必要な能力等が示されているが、能力だけでなく、意欲などの情意面についても考察する必要があると考える。
  2. 「初等中等教育と高等教育段階で・・・円滑な接続を図り・・・議論を深めていくことが求められる」とあるが、新しい枠組みだけでなく、現状の教育課程の中でいかにキャリア教育を改善・充実させるかという視点で検討していただきたい。
  3. ?−3−(2)では、一人ひとりの児童生徒のキャリア教育にかかわる学習状況を次の学校へ引き継ぐことについてふれている。新たに学習ポートフォリオを作成するという意見もあるようであるが、現行の指導要録を活用し、学校種間の円滑な接続をはかる方法を検討してほしい。