主張

平成20年3月13日

文部科学省初等中等教育局長 殿

全国連合小学校長会長
池  田  芳  和

「小学校学習指導要領改訂案」についての意見

貴省が、標記の件について具体的な改善に向けて精力的に審議を進められていることに対し敬意を表します。全国連合小学校長会(以下 全連小)としての意見を取りまとめましたので、下記により提出いたします。

1  「生きる力」の趣旨についての徹底

「生きる力」については、21世紀に生きる子どもの育成にとって基本となる概念であることから、教職員や保護者等、多くの人々に理念の共有が図れるよう丁寧で分かりやすい説明をしていく必要がある。
したがって、総則についての解説書において、十分にその趣旨が理解できるように工夫していただきたい。

2  「重点指導事項例」の提示

基礎的・基本的な知識・技術の指導に関して「重点指導事項例」を提示する考え方については望ましい。扱い方によってマニュアル的になるおそれもあり、各学校現場が混乱しないように、十分にその趣旨を説明していただきたい。

3  集団宿泊活動を通して行う道徳教育

総則第1の2及び第3章第3の3(2)に示された集団宿泊活動を通して行う道徳教育については、学校行事や総合的な学習の時間との関連も図りながら、各学校がその趣旨を理解できるように、丁寧な解説を期待する。

4  総合的な学習の時間における学習をもって相当する学校行事の実施に替える規定

総則の第3の5については、各小学校が誤解を生じぬように解説書で記述していただきたい。これまでにも、修学旅行や移動教室等を総合的な学習の時間に位置づけてきた学校があった。しかし、修学旅行や移動教室等は総合的な学習の時間ではなく、学校行事の領域である。
実施前後の調べ学習や事後の報告等の学習など、総合的な学習の時間のねらいが達成できるように、また、特別活動との混同がされぬように丁寧な解説を期待する。

5  小学校における外国語活動

第4章の外国語活動については、2(1)オの「コミュニケーションの場面」「コミュニケーションの働きの例」について、更に分かり易く記述していただきたい。また、その内容についての丁寧な解説を期待する。
また、2(2)に示されている第5学年と第6学年の活動について、各学校の指針となるような丁寧な解説を期待する。
なお、中学年の総合的な学習の時間(各70時間)における外国語活動についての扱いについて、慎重に検討し記述していただきたい。

6  各教科についての扱い
  1. 社会における第3・第4学年に「古くから残る建造物など」とあるが、個別の建造物だけでなく、街並みなどの景観をとりあげることでよいかどうか解説していただきたい。
  2. 算数の低学年の「D数量関係(3)」の統計にかかわる内容をどの程度扱うのか、「内容の取扱い」か解説書で明確にしていただきたい。
     第3学年のA(3)イもしくは第4学年のA(4)に関連して、円周率3.14を用いることが明記されたので、小数の乗法で小数第2位を扱うのは当然であるので、整合性をもたらせる意味で、整数の乗法で乗数が3位数のものを扱うことを明記する必要がある。
     円周率は枡形の面積を見積もる場合や概算等の場合はこれまで通り3を用いても差し支えないはずであるので、その旨を解説していただきたい。
  3. 理科における「実感を伴った理解を図り」について、この趣旨を丁寧に解説していただきたい。授業時数が増加したが、新たな単元も加わったので「体験」「実験結果の整理」「考察」ができるようにするための解説をしていだきたい。
  4. 体育においては、児童に運動経験が二極化していることを踏まえ、「動き」「技能の内容」の例示において、これらの差に対応できるような内容を解説していただきたい。
     低・中学年では、「基本の運動」領域にあった内容が、「体つくり運動」「器械・器具を使っての運動遊び」「器械運動」「走・跳の運動遊び」「走・跳の運動」…と分けられている。今後、これらの領域の特性を明確にするとともに、その特性に応じた「授業モデル」作成に生かせる運動の内容と方法を明示していただきたい。