主張

平成20年5月15日

文部科学省初等中等教育局長
      金 森 越 哉 様

全国連合小学校長会長
池  田  芳  和

学習指導要領改訂に伴う移行措置についての要望

貴職におかれましては、日頃から我が国の義務教育の充実・発展に向けて温かいご理解とご配慮をいただき感謝いたしております。

さて、4月24日に文部科学省より新教育課程の実施に向けての移行措置の内容が示されました。全連小といたしましても、各学校が新教育課程を円滑に編成、実施し、国民各位の信頼が得られるように願い、努力してまいります。つきましては、下記の点についてご配慮いただきますようお願いいたします。

1 教職員配置について教育振興基本計画に位置付け実施していただきたい
新教育課程は、平成21年度から、算数と理科において16%程度の授業時間数を増やすなど、移行期間中においても、その対応をしていかなければなりません。教職員は現状においても多忙の毎日を過ごしており、これ以上の教員の負担を増加させることは、望ましくはありません。
今後、政府が教育振興基本計画を策定するに当たっては、定数改善について計画的に実施するように明記していただきたくお願いいたします。

2 教材・教具等の整備を推進するための施策を進めていただきたい
新教育課程を円滑に実施するためには、教材・教具等について十全に整備をする必要があります。計画では算数や理科の補助教材、「英語ノート」、「心のノート」等についての整備を進めるとのことですが、本会はこれを歓迎いたします。
教材・教具等の整備については、地方自治体の財政状況により現状においてもかなり格差が見られます。義務教育の機会均等を保障し、我が国の学校教育全体の質の向上を担保する上からも、教材・教具等の整備を推進するための施策を進めていただきたくお願いいたします。

3 新学習指導要領の周知を徹底していただきたい
今回の改訂では、「生きる力」をはぐくむ教育課程の趣旨について前回改訂時より丁寧に説明することが、何よりも求められています。その点において、学習指導要領の全教員への配付、保護者向けパンフレットの配付について、本会としてそれを高く評価します。
しかし、前回より増加させたとはいえ中央説明会が全国3カ所しかないのでは各都道府県教育委員会への周知が十分とは言えません。今後、あらゆる機会をとらえて、なるべく早期に新学習指導要領についての趣旨徹底を進めていただきたくお願いいたします。