主張

平成20年1月30日

指導が不適切な教員に対する人事管理システムに
関するガイドラインの調査研究協力者会議 様

全国連合小学校長会長
池  田  芳  和

「指導が不適切な教員に対する人事管理システムに関する ガイドラインに関するこれまでの意見の整理」についての意見

貴協力者会議が精力的に審議を深めガイドラインを整理されたことに敬意を表します。全国連合小学校長会として、下記の通り意見をとりまとめましたので、お送りいたします。学校現場からの切実な思いですので、是非ご検討ください。

「指導の不適切な教員の扱い」について、これまでも「指導力不足教員」として様々な都道府県レベルで取り組みが行われてきたが、その中でも最大の問題点は校長の負担感であり、「こんなに大変ならば異動で解消しよう」となり、このような教師が人事のたらい回しによって解決しようとする方向に流れてしまった実情がある。よって、最も重要なことは校長の負担感の軽減であると考える。

1 「指導が不適切である」教諭等の定義について

「指導が不適切である」教諭等の定義について、(1)(2)(3)と3つの事例が示されているが、もっと具体的なたくさんの事例を示してもらった方が、校長は判断しやすくなる。最も問題となるのは、児童生徒に指導が入らなかったり、掌握できなかったりすることである。

2 「指導が不適切である」教諭等に認定する段階

「指導が不適切である」教諭等に認定されるかどうかの段階において、教育委員会の指導主事等の早期の強力な支援が必要であり、前段階で支援策を講じてほしい。それにもかかわらず改善が進まないので認定に至ったとなれば、校長のみに責任が行かなくなる。

これまでにも指導力不足教員への指導、各種資料の作成など校長にとっては困難であり大量の仕事量を必要とする業務であった。そのため多くの校長は、手続き上の膨大な書類作成に二の足を踏むことが多かった。書類作成等は、教育委員会と分担して行えるようにしたい。これまで以上に教育委員会の応援サポートの充実を望んでいる。

人事の管理主事による定期的な訪問は現状では不十分であり、配置を拡大し十全なサポート体制の構築を望む。

3 指導改善研修

指導力不足の教員は多くの場合、保護者はもちろん児童等との信頼関係も損なわれている。こういう教員が研修のためとはいえ、授業行為をすることは保護者や児童の理解を得にくいという実情を十分ふまえる必要がある。これに十分教委も対応できるよう検討してもらいたい。

4 指導改善研修後の措置

講習受講後、学校へ復帰した場合、再度指導上不適切な状況が多くあった場合には、再度受講を繰り返すのではなく、即分限処分と言った厳しい条件を付けてもよいのではないか。

○人の身分にかかわる問題であり、訴訟問題になることが多く、いつまでも校長はそのことで裁判を続けなければならなくなる。責任が校長一点に集中しないようなシステム作りをお願いしたい。