【第39回】座談会「3年間の実践研究を振り返って」(その3)
前々回から3回にわたって、3年間の実践研究を振り返る座談会(12月7日実施)の内容を紹介させていただきます。※これまでの内容は、バックナンバーをご覧ください。
[週刊五反野小通信(No.37)] 座談会「3年間の実践研究を振り返って」(その1)
[週刊五反野小通信(No.38)] 座談会「3年間の実践研究を振り返って」(その2)
■出席者
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保護者の意識の変化
三原 徹氏 |
三原 先生方の意識も大きく変わってきています。「とことんやってみようか」という意識になっている感触を受けます。これまで、先生方は学校の中のことだけやればよいとされ、理事会をはじめ外部の情報はほとんど耳に入りませんでした。先生方は、自分がよいと思った教育を実践しているわけですが、実際によいのか悪いのか、皆がどう思っているのか意識することはあまりありません。それが、今年度の授業公開から、提供した教育の質や効果の評価が全部返ってくるようになりました。 |
情報をクローズして伝えていかないことが、いかに意思疎通を阻害して無駄、足踏み、すれ違いを発生させているのか、他の学校の視察を受けるたびに感じます。
大神田賢次氏 |
大神田 それが今までの学校観ですよね。学校は横並びの世界だから、よくないということはお互いに言わない。その学校が、授業診断を思い切って取り入れたというのは大きな成果です。昨年度は、それを具体的なデータとしてまとめるようになり、今年度から、先生方一人ひとりに公開するようになった。ひとつひとつの段階が積み上がって、ここまで来ましたね。先ほどの五反野小の基礎学力への取り組みも、授業診断なしでは語れないものです。 |
鴨下 五反野小の授業診断に関しては、素人がものを言っているという段階ではなくなってきています。ここまでノウハウを積み上げ、サンプルが毎回500近くあるということは、統計的にも意味があるものでしょう。これも五反野小の3年間の成果と言えます。 |
鴨下甚冶氏 |
三田利恵氏 |
三田 授業診断の結果を直接投げかけられた先生方は、どうお感じになったのですか。そこが診断した保護者も大変気になっているところです。 |
石崎 記入された内容から、授業の技能的なものをしっかり見られているんだなと思いました。反面、前の授業時間の状況を把握されていないで書かれたものもあり、違うのになという思いをされた方もいます。授業の見方の勉強会などもあり、理事の方は授業を見る視点がはっきりしていますが、一般の保護者の中には授業を見た印象だけで書かれる方も、まだ多いようです。 |
石崎忠男氏 |
三原 見えたものがすべてですから、状況を把握されていないで書かれたものも、釈明は必要ないと思います。言い訳をするのではなく、次回の授業では、前の時間からの状況を含めて改善していくしかないわけです。
保護者の方には、思っていることを本音で書いていただきたいと思います。辛辣な意見も書いていただいて、後は学校の役割です。書かれた先生を追い詰めていくのではなく、情報を開いたうえで、周りの先生方と一緒にどう先生を引っ張っていくのかが、たくましく先生が育つ処方箋かと思います。
平成16年12月7日
五反野小学校図書室にて
(編集部 小西)
(2005年2月14日)