【第38回】座談会「3年間の実践研究を振り返って」(その2)
前回に引き続き、3年間の実践研究を振り返る座談会(12月7日実施)の内容を紹介させていただきます。※前回の内容は、バックナンバーをご覧ください。
[週刊五反野小通信(No.37)] 座談会「3年間の実践研究を振り返って」(その1)
■出席者
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保護者の意識の変化
三田利恵氏 |
三田 そういった取り組みに関して、保護者も基礎基本の定着が必要だということについては共通の思いをもっています。特別な受験のための教育は必要ありませんが、6年間、教科書にのっていることを、しっかり学んで身につけてほしいというのが保護者の願いです。ただ一部には、プリントの丸つけは面倒くさい、親の負担は少なくしてほしいという方もいらっしゃるのは確かです。小学生のお子さんしかいない保護者の方は、中学に行って勉強でつまずいたときの大変さを知らないので、多少意識も違うのかもしれません。 |
鴨下 実は、保護者の意識の問題は、頭の痛い問題のひとつです。先生方も意識を変えてもらいたいのですが、それ以上に、保護者の意識が変わらなくてはダメだと思います。基礎基本を徹底的にやってほしいと学校に要望する中、今のままでいいのではといった保護者の声も実際に聞かれました。 最近、先生方の努力の結果として、子どもたちに今までと少し違うものが出てきました。それを見て保護者の方の意識も変化してきたということがあると思います。本来、理事会制度は学校と保護者が中心で、地域はサポートでよいのだと思います。ある段階まで保護者の方の意識が高まり、本当の意味での先生方との切磋琢磨が生まれることが理想です。 |
鴨下甚冶氏 |
石崎 保護者の意識の違いは、例えばプリントの丸つけにもあらわれています。保護者の協力度合いが高い学年は、子どももがんばりますし、先生もがんばろうという気持ちがより強くなります。 理事会制度を活用して、家庭の啓発がさらに進めば、もっともっと五反野小がよくなってくると思います。 |
石崎忠男氏 |
今まで、学校にお任せしていたものを、それぞれの教育責任を自覚し改善していく、コミュニティ・スクールの本当のねらいはそこにあるのではないでしょうか。ただ出始めは、子どもの結果を出してあげて、保護者の意識を変えていくしかないと思います。
石崎 子どもは自分で変わってきますね。点数をまったく意識していなかった子が、きちんとやって結果が出てくるようになると自ら変わってきます。また、学級の雰囲気がよくなってくると、ほかの子どもも自分だけ怠けていられないと思うようになっています。
三田 子どもたちがどんどんよくなっていると実感している学年では、保護者も教育に関してとても前向きです。学校・地域・家庭が一体となって、よいサイクルを築いていきたいと思います。
(編集部 小西)
(2005年2月7日)