【第34回】地域や保護者のニーズを生かした教育計画
昨年11月に日本で初めて地域運営学校(コミュニティ・スクール)の指定を受け、新たなスタートを切った五反野小学校が、新しい年を迎えました。今年度は、文部科学省の実践研究指定の第3年次でもあり、1月29日の研究発表会に向け、理事会も学校も、その準備に余念がありません。
そのような中、先生方は、冬休み期間などを利用して、平成17年度の年間指導計画案等を作成・検討しています。地域運営学校として、これまで以上に保護者・地域のニーズを生かした教育計画とすべく、さまざまな工夫をされているようです。
教務主任の高草木政浩先生にお話をうかがいました
Q.指導計画案等を作るうえで、どのようなことに留意していますか。 A.地域運営学校といっても、他の学校のものとまったく違うわけではありませんが、地域に根ざした学校にすべく、これまでの試みをより深化させるように計画を考えています。特に、授業については、授業診断の結果を受け、地域や保護者の方のニーズを生かすものにするよう工夫しています。 また、さまざまな学校行事に関しても、学校だけの行事ではなく、地域の方にも参加・参画していただけるものにするようプランを練っています。さらに、地域の行事にも、学校や子どもたちがより積極的に関わっていくようにしたいと思っています。 |
教務主任の高草木政浩先生 |
Q.地域や保護者の方のニーズを把握するのに、授業診断が有効なツールになっているのですね。 A.はい、そうです。授業診断、特に診断後の意見交流会が、非常に重要な役割を果たしています。単に授業を評価してもらうということだけではなく、しっかり時間をとって、学校について、教育について話し合い、学校・家庭・地域が共通の理解を形成する貴重な場になっています。しかも、この意見交流会は、回を重ねるごとに内容が充実してきており、地域の方・保護者の方の授業を見る目もますますシャープに、そして手厳しい意見も頂戴しますが、大変ありがたいことです。 |
Q.基礎基本の学力定着への取り組みも進んでいますね。 A.今年度は学校全体で基礎基本定着への取り組みを行い、先生方の共通理解も深まってきました。結果、実際に子どもたちに基礎力がついてきたように思います。漢字テストを実施しても、合格できない子どもがいなくなるなど、子ども自身もそれを実感しています。土堂小学校(広島県尾道市)では、国語、英語、社会などの教科でさまざまなバリエーションのくり返し学習を実践しているのを視察しました。それらも参考に、五反野小の次のステップを考えていきたいと思います。 |
Q.学校がいろいろと変わってきていますね。 A.学校全体で取り組みを行うことで、先生方の意識も変化してきました。一部には、くり返し学習や習熟度別指導等の取り組みに関し、負のイメージや抵抗感もありましたが、実践して実際に結果が表れてきたことで、それも変わりつつあります。教職員の連携・チームワークもよりよくなってきました。学校の中の連携ができていないようでは、地域との連携には及びつきません。 また、子どもたちがこれまで以上に前向きになって、しっかり声を出して、気持ちよいあいさつができるようになりました。学校・家庭・地域が一体となった「あいさつ運動」が、しっかり定着してきたように思います。 |
A.1月29日が間近にせまってきました。午前中は実際に授業を見ていただくわけですが、飾った発表会にするのではなく、普段のありのままの子どもの姿を見ていただきたいと考えています。特に五反野の子どもたちの、「あいさつ」をしっかりして快活な面と、真剣に学習に取り組み学力向上に励む面を、発表会参加者の方にお伝えできればと思っています。
<参考資料>
どうもありがとうございました。
(編集部 小西)
(2005年1月10日)