【第32回】一対一の個別指導で学習を応援する「目の教室」
五反野小学校には、視力が弱いとか視野が狭いなどの原因で、見ることにハンディをもった子どもたちのために「目の教室」(弱視学級)が設置されています。一対一の個別指導を基本として、拡大読書器やルーペ、単眼鏡などを活用しながら、子どもたちの学習や生活の指導を行っています。
「目の教室」の松田清美先生と生井由美先生にお話をうかがいました
Q.「目の教室」は、いろいろな学校に設置されているのですか。 A.弱視学級が設置されている小学校は、都内に9校しかありません。五反野小学校の「目の教室」には、周辺の3つの区から子どもたちが通っています。 Q.子どもたちは毎日通ってくるのですか。 A.校外通級の子どもたちは、週に1回から2回通ってきて、8時間程度を「目の教室」で学習します。「目の教室」は一対一の個人指導が基本で、学習のつまづきや遅れをみつけて個別に指導しています。 |
松田先生(右)と生井先生 |
Q.どんなところを苦手としている子どもが多いのですか。 A.画数の多い漢字や、細かい目盛りを読むのが大変で、よく間違ってしまいます。また、地図やグラフを見るのが苦手です。ボールがどこからとんでくるのかわからないので体育を嫌がる子どももいますし、家庭科で包丁などを使うのも得意ではありません。 子ども一人ひとりの苦手やつまづきに応じてサポートを行っていくのが、この教室です。ですから、ここでの学習は、算数だったり国語だったり、体育だったり家庭科だったりといろいろです。 |
A.本などの文字をテレビ画面に拡大して映し出す拡大読書器や、近くのものを拡大して見るルーペ、遠くの黒板の文字などを見る単眼鏡などの機器を活用しています。また、机の上のものを必要以上にかがみこまずに見ることができる傾斜机や、文字や図の大きい拡大教科書、拡大辞書なども有効な教具・教材です。
拡大読書器 |
ルーペ |
単眼鏡 |
傾斜机 |
拡大辞書 |
Q.先日は、交流会も実施されていましたね。 A.普段は一対一の個人指導が基本ですが、子どもたちが顔を合わせて一緒に活動する交流の場も企画しています。 少し大きめの手づくりカルタでカルタ大会をしたり、調理実習やスポーツ大会なども実施しています。苦手としていた包丁の使い方なども、とても上手になってきました。交流会には、五反野小学校のいろいろな先生方にも参加していただいて、ふれあいの場を広げるようにしています。 |
(編集部 小西)
(2004年12月20日)