【第18回】コミュニティスクールがめざすもの〜学校理事会の取り組み
8月26日、神奈川県立教育センターにて、教育公開講座「コミュニティスクールがめざすもの」が開催され、五反野小学校の三原徹校長先生が「学校理事会の取り組み〜五反野小学校の挑戦」について発表を行いました。 |
法整備などの面を含めコミュニティスクールの実現のためにご尽力されている慶應義塾大学大学院教授の金子郁容先生の基調講演「コミュニティスクールがめざすもの」に続き、金子先生と、秋津コミュニティの岸裕司氏、五反野小学校の三原校長先生がシンポジストとなり「地域で子どもを育てること」について、さまざまな意見が交換されました。 |
五反野小学校校長の三原徹先生の発表の一部をご紹介いたします
「地域立」の学校づくり■■■
平成14年度から3年間、全国7地域9校が文部科学省の「新しいタイプの学校運営の在り方に関する実践研究」の指定校となり、学校運営に関する新たな取り組みの実践と、新たな制度につながるアイディアの提案を行っています。 五反野小学校では、「開かれた学校づくり協議会」からの『地域提言』があり、「個による改革から組織による再現性のある改革」を目指し、次のことを実行してきました。 1)学校理事会の設置 2)校長公募を要望 3)学校裁量権を拡大した予算の弾力的執行 4)柔軟なカリキュラム編成によるパワーアップタイムの提案 |
五反野小学校 校長 |
地域生まれの学校理事会■■■
文部科学省は、諮問機関である「学校評議員制」や協議機関である「地域学校協議会」を構想していましたが、五反野小学校では、地域主導の学校支援を行う「開かれた学校づくり協議会」と、意志決定機関である「学校理事会」を設け、外部組織の改革から内部組織による改革の実現を目指しました。平成15年1月、公立学校では全国初となる「学校理事会」がスタートしました。
学校理事会■■■
学校理事会の目的は、保護者・地域代表による「地域立」の学校づくりです。保護者代表3名、地域代表3名、学校代表4名、行政代表1名により構成され、以下の事項に取り組んでいます。1)学校経営計画・教育課程の編成
2)校長候補者の選定
3)児童の安全に関する事項
4)協議会・PTA・地域との調整、啓発
理事会と校長の関係は、学校理事会が「最高意志決定機関」であり、校長が「執行責任者」という位置づけです。
推進体制■■■
このような実践研究を推進するため、学校理事会のほかに、理事の研修等を実施する「運営指導委員会」(筑波大学教授・小島弘道先生、帝京大学助教授・佐藤晴雄先生)、学校評価・学校支援等を行う「開かれた学校づくり協議会」等の組織があります。また、研修派遣など予算・人事面で、教育委員会から学校への権限委譲も進められています。理事会・学校がめざす重点事項■■■
五反野小学校において、理事会・学校がめざす重点事項は次のことです。1)基礎基本の定着と学力の向上
時代のリーダーを五反野から輩出すべく、基礎基本の定着と学力の向上を目指します。また、IT・英語・郷土等の総合学習を進めます。
2)地域との協働
カリキュラムや教材づくり、学校支援ボランティアの強化など、地域との協働による教育を進めます。
3)理事会が選ぶ校長
組織マネジメントを確立し、地域との協働をより進めるため、求める校長像にあった校長を理事会が選びます。
(編集部 小西)
(2004年9月13日)