愛される学校づくり研究会

【第14回】TTと少人数を組み合わせた算数の授業、プロジェクターも有効活用

7月15日、小学2年生算数の研究授業が行われました。今回は、清永亜矢子先生と信澤喜代子先生がTT(ティームティーチング)と少人数クラスを併用した構成で、「10を単位とする相対的な見方」の導入の授業を実施しました。信澤先生オリジナルのソフトをプロジェクターで提示したり、具体物(紙製の10円玉など)を併用したりするなど、とてもわかりやすくて楽しい授業でした。
 当日は、インドネシアの教育関係者5名の方が五反野小学校を訪問し、子どもたちと一緒に給食を食べたり、研究授業を見学されたりしていました。見学されたインドネシアのみなさんの感想をご紹介します。

  ・あいさつがとてもしっかりしている。
  ・先生と子どものコミュニケーションがとても活発なことに驚いた。
  ・子どもたちがとても元気がよく、物おじしないで発言していて、すばらしい。
 

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足立区教育委員会指導主事の大和義行先生にお話をうかがいました

Q.五反野小学校の授業を見学された感想をお聞かせください。
A.以前は、五反野小学校の研究の担当者であったので、年間に50日程度学校を訪問していましたが、今年度担当が変わって、久しぶりに授業を見させていただきました。五反野小学校の先生方は、皆さん本当に一生懸命です。研究授業を行うにあたって、何日もかけて準備をし、他のクラスでの実践なども踏まえてさらに工夫をして、意欲的な提案を行っていただいています。また、子どもたちが大変元気で、あいさつもしっかりして、とても気持ちがよいですね。
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足立区教育委員会指導主事
大和義行先生

Q.今回は、TTと少人数を組み合わせた授業でしたが・・・
A.前半は、TTによる授業で、子どもたちのさまざまな意見を引き出していました。そして後半は、2つの集団に分かれ、習熟の状況をふまえた授業が行われました。先日、国立教育政策研究所の調査結果が新聞等で報道され、TT、少人数、一斉授業のどれが効果的かという議論もありますが、何れの授業の形態も、「ねらい」を明確にして取り組むことが重要です。しっかりとねらいを持って取り組めば、今回のようなTTと少人数の組み合わせは、効果が期待できる方法の一つであると思います。「まずTTありき、少人数ありき」ではないことが重要です。

Q.授業の中で、プロジェクターなどを有効に活用していましたね。
A.はい、プロジェクターや具体物を上手に用いて授業を行っていました。これらの手法は、1、2年生の授業において特に有効だと思います。子どもは、変身・変化の様子を見ることで具体的にイメージをもつことができるようになり、そのイメージをふくらませることによって、将来、思考の中で操作ができるようになります。

Q.授業の最初に行われた「フラッシュカードゲーム」も大変盛り上がっていましたね。
A.「フラッシュカードゲーム」は、わかりやすくて楽しくて、大変すぐれた教材であると思います。日々繰り返して実践されているようで、子どもが見通しをもって、計画的・主体的に活動している点がとてもすばらしいです。集中力を高める、習熟を行うなどさまざまな面で有効な教材だと思いますので、このような教材は、何のために利用するのか、ねらいを明確にして取り組むとが重要だと思います。

Q.その他に授業の特徴的な点などお聞かせください。
A.今回の研究授業は、非常にたくさんの要素を盛り込んだものになっていたと思います。授業の前半部分で、子どもに考えを書かせる場面がありました。考えを書かせることは個人の考えを深めることにつながります。算数は、子どもの発達段階や教室の人数などにより、さまざまなアプローチが可能ですが、ねらいとするものは一つです。ねらいをはっきりさせて取り組めば、TTや少人数、そしていろいろな教材の工夫などが、活きてくると思います。
 
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どうもありがとうございました。

(編集部 小西)

(2004年8月16日)

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