【第11回】「ほめられるってうれしいですね」○つけ法で子どものやる気をアップ
7月9日、1年生国語の研究授業とともに、○つけ法の勉強会が実施されました。
○つけ法は、愛知教育大学の志水廣教授が提唱される授業技術で、ノート等に問題を解く場面や気づいたことをかかせる場面で、子ども一人ひとりに対して、赤ペンで○をつけていく方法です。原則的に教師が子どもの机を回り、全員に○をつけることを基本理念に、声かけ等の支援を行いながら全員の反応を把握し、○をつけていきます。
■○つけ法のポイント■■
1)スピード
待つ時間が長いと子どもの集中力が持続しない。適用題の場面では、3分間で40名に○をつけるスピードが必要。
2)声かけ
子どもの意欲を高める声かけを行う。途中までできている子どもに対しても部分的に肯定してから、つまずきに気づかせる助言を行う。
3)実態把握
正解であるか、どこにつまずきがあるか、同じ考え方の子どもはいるかなど瞬時に実態把握を行う。
4)正確さ
正確に○つけを行う。スピードを気にしすぎて、間違っているものに○をつけないように気をつける。
(※参考文献:「授業力アップ志水塾ガイドブック」志水廣・志水塾運営委員会著)
清永亜矢子先生にお話をうかがいました
Q.○つけ法の勉強会を行った感想をお聞かせください。 A.勉強会では、全員が先生役と子ども役になって、○つけ法のロールプレイを行いました。子ども役になって思うことは、○をつけられるとうれしいということ。そして、「すごいね」「よくできたね」と声をかけられるともっとうれしいということを、あらためて感じました。教師は、間違いを見つけるのは大変早く、「ここが違うよ」とすぐに指摘しがちですが、子ども役になってみると、そう言われるとショックで、せっかくやったのに悲しい思いをしてしまいます。 |
清永亜矢子先生 |
A.まず、その場ですぐにほめることです。子どもは、ほめられると本当にうれしい顔をします。間違っている場合も、最初はほめる、あっているところまで○をつけるなどの支援が重要と感じました。そして、アドバイス次第で子どものやる気が大きく変わってきます。
また、今までは小さな声でその子どもだけをほめていたのですが、少し大きな声でほめることも始めました。周りに聞こえるような声でほめることで、周りの子どもにも活動の指針を与えることができます。
Q.○つけ法で難しいところは、どんなところですか。
A.授業中のどのタイミングで○つけを行うかが、一番難しい点です。この一問をおさえたいという場面で使うことになりますが、半分以上が解決できそうにない場合は、○つけを始めても、自力解決できない子どもの支援で、前に進みません。このあたりのタイミングを推し量るのが大変ですね。
また、声かけをしていて、どうしても支援が長くなってしまう子どもがいます。他の子どもの集中力を持続させるためにもスピードは大切で、その兼ね合いが難しいです。
Q.従来から、さまざまな場面で○つけを行ってきていますね。
A.はい、五反野小学校では毎朝15分、パワーアップタイムを設け、基礎基本充実のための学習を行っています。算数の計算問題と漢字練習が中心ですが、2年生の場合、担任と副担任がついて、その場で○つけを行っています。間違った漢字を書き終わってから指摘をするのではかわいそうですので、書いている途中でもできているところから○つけを行うようにしています。子どもも、とっても集中して、○を10個もらったら合格だよって、がんばっています。
今回の○つけ法の勉強会で、○つけのポイントがより明確に見えてきました。これらのポイントに気をつけ、さらに子どもの意欲を高めて、やる気を引き出していきたいと思います。
どうもありがとうございました。
(編集部 小西)
(2004年7月26日)