【第5回】1分ごとのチェックシートとビデオを活用した授業研究会
5月25日、外部講師を招いての今年度1回目の校内授業研究会が行われました。授業は、4年生の算数「わり算のしかたを考えよう」の「3位数÷1位数の筆算のしかた」の最初の授業です。クラスを2グループに分けた少人数学習の指導形態で、玉置克也先生と、信澤喜代子先生が同じ指導案で授業をされました。
他の先生全員が、「研究授業チェックシート」(後述)を持って、2つの授業を見学され、その後、講師の大西貞憲さん(NPO法人元気な学校を支援し創る会理事)を交えて、非常に熱心な研究協議会が持たれました。
研究会講師の大西貞憲さんにお話をうかがいました
Q.「研究授業チェックシート」とビデオを活用した、新しい授業研究のスタイルですね。 A.授業の前に、見学者の先生全員に、写真のような2枚の「研究授業チェックシート」を持っていただきました。このシートには、時間が1分ごとに印刷されていて、その隣に、チェック欄と、コメントを記入できる欄があります。研究授業を見ていて、何か気になったり、心が動いたりした場面があったら、チェック欄に印を付けていただきます。 |
研究会講師の大西貞憲さん |
チェックシート |
時間が1分ごとに印刷されている |
Q.その印を研究協議会で集計するのですね。 A.はい、1分ごとに、チェックの数を集計すると、授業のどのあたりにポイントがあったのかが見えてきます。ポイントとなる部分は、ビデオで再生して、全員で振り返りますので、2クラスで同時実施のために直接は見られなかった方も、そのシーンに気が付かなかった方も、討議に参加することが可能です。研究協議会の時間は限られていますので、ポイントを絞って話ができること、そして全員が参加できるという点で、有効な方法だと思います |
A.この方式のよいところは、大勢がチェックした箇所を検討するわけですから、その分だけ、必ず意見が出てくるということです。五反野小の先生方は、それぞれの授業の肝になるポイントをちゃんとおさえてチェックを付けられていましたので、その後の討議も、内容の濃い、充実したものになったと思います。
Q.五反野小の授業を見られての感想をお聞かせください。 A.どの先生も、子どもが自分で考え、自分の言葉で発表することをとても大切にされています。学校理事会より、確かな学力アップのために基礎基本の学力の定着に重点を置くように、くり返し提言されていますが、その実現のために、一方では計算や漢字練習などを集中して行うパワーアップタイムを設けて充実させ、もう一方では、テクニックとして解けるだけではなく、その意味を自分でわかり・考える子どもになるよう授業を工夫し、それらを総合して、本当の基礎基本の学力を身に付けさせようと、いろいろとご苦労をされているように感じました。 |
A.愛知教育大学の志水廣先生が提唱されている「○つけ法」や「復唱法」が、有効な場面も多いのではないかと思い、ご紹介しました。「○つけ法」は、短時間に全員に肯定的な○付けを行うことで、子どもにわかる・できる喜びを与えると同時に、クラスの実態把握を行うことができます。また、「復唱法」は、子どもの発言を復唱することで、子どもの発言を授業に活かし、聞く力、話す力を育てます。どちらも少人数授業等の特性とうまく組み合わせることで、五反野小の新しいスタイルが生まれるのではないかと期待しています。
どうもありがとうございました。
(編集部 小西)
(2004年6月14日)