☆夏休み番外編☆
【第2回】ふだんの姿を伝えること
1.見直しの季節
最近、中学校で絶対評価と通知表についてお話をうかがう中で「来年から元に戻します」という話をよく耳にします。昨年度、学校週5日制とともに始まった前例のない試みが、今年度は「見直しの季節」を迎えているようです。
2.改革は見直しの連続
1学期の中間テストをなくしたある学校では、「学力低下を起こさないために授業時間を確保する」はずが、かえって保護者から「勉強しないので困る」との意見があり「元に戻す」と決めたそうです。
新たに「単元テスト」での評価に取り組んだ学校では、「定期テストは成績に差がつかない」と考えた生徒がテスト前に勉強しなくなり、それを心配した保護者の意見もあって、「定期テストもきちんと評価する」方法に軌道修正したそうです。
3.朝令暮改は信用を失うか?
評価やテストという関心が高い話題だけに、生徒や保護者、地域の方々がこうした見直しをどのように感じるのかが気になります。
何かと学校が批判される昨今の風潮の中では、「元に戻した」という結果だけをみて、「朝令暮改だ」と批判したり、「学校は信用できない」という塾などの広告を信じてしまう保護者が少なくないと思います。
問題があるとすれば「元に戻した」という結果ではなく、「なぜ戻すのか」や「どう取り組んできた結果なのか」というプロセスが、保護者や地域の方々に伝わっていないことにありそうです。
4.大事なことこそふだんから発信を
学校現場でお話をうかがうと、山積みの課題に真面目に取り組んでいる先生方がたくさんいらっしゃることを実感します。前例のない課題に取り組んでいる今の学校が、やってみないとわからないことがたくさんあることもよくわかります。
学校は日常の取り組みの様子をもっと見える形で伝え、保護者や地域の方々はふだんから学校の様子をもっと知ろうとする。こうした地道な積み重ねが、保護者・地域と学校との信頼関係をつくり、子どもたちに毎日学校に通う楽しみ=「行きがい」をつくることにつながるのではないでしょうか。
このレポートでは、学校のふだんの取り組みから「何を大切にしているのか」「何を変えようとしているか」をお伝えすることで、ほんの少しでもその一助になることを願っています。
※ 次回は2学期。再び現場からお伝えします。
職員室のIT活用や、新しい通知表づくりなどについて活発に意見を交わす先生方
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(2003年8月11日)