★人間には誰にも知的好奇心があります。仕事のため、趣味のため、実益のためなど、様々な目的で我々は学びます。学校のころから勉強が好きだった人も、社会人になってから学ぶ楽しさを感じた人もあるでしょう。ここでは、その楽しさを感じることになったきっかけを振り返り、学ぶことの楽しさを教えてくれた人やことについて紹介します。
【 第17回 】興味を持つこととひととの出会い
〜株式会社EDUCOM 杉浦充典〜
私がコンピュータと関わることを仕事にしたいと思い、今もコンピュータを使った仕事をしているきっかけを改めて振り返ると、それは中学校の数学の授業で、初めてパソコンを触ったことがきっかけでした。
コンピュータ教室に入ったときの独特な匂い、綺麗に並べられたパソコン、いつもの教室とはまったく違う雰囲気の中で授業が行われる、それだけで気持ちが昂ぶったことを覚えています。その先生の数学の授業自体も楽しかったですが、それよりもただ単純にパソコンに興味を持ち、パソコンに触りたいという気持ちが芽生えたのだと思います。
その後、紆余曲折はありましたが、コンピュータ関係の派遣会社へ就職が決まりました。
そこでのWさんとNさんというふたりとの出会いが、私に学ぶことの楽しさを教えてくれたと感じています。
Wさんは高卒入社だったため、年下ではありましたが、派遣先が一緒で、会社の寮も一緒のところでした。そのため、話をする機会が多く、コンピュータに詳しいなとは思っていましたが、自分で組み立てたパソコンを当たり前のように使っていることに驚きを覚えました。
パソコンは市販のものを購入することが当たり前と思っており、大学時代に購入したノートパソコンをそのまま使っていましたが、私も自分だけのパソコンを組み立てたいという思いに駆られ、大須へ行き、OS・CPU・メモリ・HDD・M/B・PCケースなどをWさんとお財布とも相談しながら一式購入し、すぐに寮に帰って購入した部品でパソコンの組み立てを行いました。
大学自体にコンピュータの講義があり、概念的な話や理論的な話を聞くことはあっても、実際にそれを直接見たり、触れたりする機会はありませんでした。
自分でパソコンを組み立てることにより、自分の手で触れ、困ることがあれば自分で調べたり、Nさんを含め職場のひとに聞いたりして、知らず知らずにのうちに、多くのことを知り、また知りたいと思い、いつの間にか学びにつながっていたのではないかと思います。
続いて、Nさんとは同じ会社ではありませんでしたが、派遣先で知り合い、最初はなかなか話をする機会はありませんでしたが、同じローテーションで勤務をする機会が多かったため、業務を一緒に行ううち、業務以外の話もするようになり、親しくなりました。
Nさんもコンピュータには詳しく、それ以外にも家電製品やカメラなどにも詳しく、また業務をどうしたら効率よく行うことができるかを考え、そのためには独学でシステムを作り、それを使いやすいように改良を加え、常に何事も前向きに取り組むひとでした。
コンピュータにしか興味を持っていなかった私を、いろんな分野に目を向け、興味を持たしてくれたひとであり、EDUCOMへ入社するきっかけをつくってくれたひとでした。
「好きこそ物の上手なれ」という言葉がありますが、私にとっては「コンピュータと出会ったこと」から始まったのだと思います。
興味のあることには一生懸命になれるし、無理をしてもマイナスな気持ちは少しも湧いてきません。その上で私が恵まれていたことは、こうしたひととの出会いがあったからです。
私はEDUCOMで、好きなことを仕事にしています。もちろん業務上、好きなことだけをしているという訳にはいきませんが、これからも何事にも興味を持ち、そしてひととの出会いを大切にしていきたいと考えています。
(2015年10月26日)