愛される学校づくり研究会

校長塾 経営力を高めるためのポイント

★このコラムは、平成25年3月から9月まで、26回にわたり、日本教育新聞に連載をしてきた「校長塾 経営力を高める最重要ポイント」の続きです。「ぜひ継続を」という声をいただき、この場をお借りすることにしました。校長としての様々な実践事例を紹介しながら、私が考える学校経営力を高めるためのポイントを示していきたいと思います。主な対象は、若手管理職やミドルリーダーのみなさんです。「なるほど!こういう方法があるのか」「このようなことに心掛けるべきなのか」と、心の中にストンと落としていただけるコラムになるようにいたします。どうぞよろしくお願いします。

【 第7回 】学びを土日も連続させるには
  ―中央教育審議会専門委員に就任して―

あけましておめでとうございます。引き続き「校長塾」をお読みいただきありがとうございます。今年も日々、考えたり、悩んだり、取り組んだりしていることをお伝えしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

昨年末にとても光栄なことがありました。「中央教育審議会専門委員」に任命され、生涯学習分科会に所属することになったのです。この件でちょっとしたエピソードが生まれました。文部科学省から届いた通知書の封を開けてみて、びっくりさせられました。「人事異動通知書」というタイトルだったからです。時期が時期ですから、「人事異動」という文言には驚きました。

そこで、ちょっといたずら心が起こり、その文書を「これまでお世話になりました。こういうことになりました」と、真面目な顔をして職員に見せたのです。
 すると、ぎょっとした表情で、凄い一言が返ってきました。
 「えっ、えっ!次の校長先生は誰ですか」
 去る者より、来る者の方が気になるのは確かです。余談でした。

さて所属する分科会の審議内容は、主に「土曜授業」「土曜学習」の具体例についてです。その内容については、ここでは公表できませんのでお許しください。いずれ議事録が発信されると思います。

この分科会に所属することになり、改めて考えた「生徒の学び」について書いておきたいと思います。

「生涯にわたって学び続ける生徒を育てたい」
 これは以前から私自身の教育観の根幹においていることです。学びは月曜日から金曜日で終わりではありません。土曜日も日曜日も続きます。このような気持ちで日々を送る生徒を育みたいのです。分科会での審議は休日も学びを充実させようという趣旨ですから、積極的に発言をしていこうと思っています。

この年末・年始に考えたことは、いかにして学びを連続させるか、このことばかりです。

例えば、教科書編集方針も変わりました。これまでは教科書に書いてあることはすべて教えることが原則でした。学習指導要領の変更を契機として、教科書には家庭での学習を充実させる内容、休日での一人学びへつながる内容が盛り込まれるようになりました。教育行政においても、土日の子どもの学びを豊かにするための施策はますます充実してきています。

ところが、生徒の学びの現実は、そのようにはなっていません。その原因を深く考えたのが、この年末・年始でした。もちろん休日をどのようにするかということではありません。月曜日から金曜日の学校教育をどう充実させると、学びが土日も連続するかということです。このことについて、しばらく続けて書いてみたいと思います。

(2014年1月6日)

準備中

●玉置 崇
(たまおき・たかし)

1956年生まれ。1979年教員スタート。小学校、中学校教諭を経て、1998年教頭、2004年校長に就任。2007年より愛知県教育委員会指導主事、主査、海部教育事務所長を経て、2012年に小牧市立小牧中学校長に就任。学び続ける子供を育てるために、地域・保護者と一体となって「親子で学ぶ小牧中特別講座」など独自の取り組み実践中。
著書には、「玉置流・学校が元気になるICT活用術―ICTは学校力向上ツール 」(プラネクサス)「学校を応援する人のための学校がよくわかる本(1)(2)」(プラネクサス)「スペシャリスト直伝!中学校数学授業成功の極意」(明治図書)など多数。
>>>>仕事日記発信中