★このコラムは、平成25年3月から9月まで、26回にわたり、日本教育新聞に連載をしてきた「校長塾 経営力を高める最重要ポイント」の続きです。「ぜひ継続を」という声をいただき、この場をお借りすることにしました。校長としての様々な実践事例を紹介しながら、私が考える学校経営力を高めるためのポイントを示していきたいと思います。主な対象は、若手管理職やミドルリーダーのみなさんです。「なるほど!こういう方法があるのか」「このようなことに心掛けるべきなのか」と、心の中にストンと落としていただけるコラムになるようにいたします。どうぞよろしくお願いします。
【 第10回 】角田明先生との出会いを語る
―なぜ角田ファンになったのか―
今回は、私が尊敬する一人、角田明先生との出会いを紹介したいと思います。
角田先生の存在は、元小牧市教育長の副島孝先生から教えていただきました。新任校長となったときです。副島先生に「どなたから校長職を学んだらよいでしょう」と質問したところ、いの一番に角田明先生の名前を挙げられました。
角田先生は、浜之郷小学校を学びの共同体のモデル校として有名にさせた仕掛け人の一人であるとのこと、また、校長塾と称した親向けの講座を毎月開催されていることなどをお聞きしました。親向けに連続講座を開講している校長は、それまで聞いたことはありません。さっそく取り寄せた読んだ角田先生の著書「あせらない、あわてない、あきらめない」では、「甘い教育ともとれる相手重視の教育が気になります」など、今の教育をズバリと斬るフレーズ満載で、ますます魅力を感じました。校長職を務められている学校へ伺い、直接指導していただこうと思ったのですが、ちょうど退職されたばかりだと知りました。
インターネットで調べてみると、ブログを開設されていて、角田ファン主催による勉強会が各地で開催されていることがわかりました。
五月には浜松にお越しになることがわかり、さっそくメールで「先生から教えを乞いたい」というお願いをし、講演会場に向かいました。角田先生にご挨拶に行ったところ、
「よく来てくれましたね。新任校長は大変でしょう。ところで、ここで落語をやってもらおうかと思いましたよ」
と言われたのです。メールの署名から、私がどのような活動をしているかを調べられ、落語会を開催していることもご存知でした。
この初めの一言でいっぺんに角田ファンになりました。緊張した面持ちで角田先生の前に立っていた私が一番気持ちの安らぐ落語のことを話題に出してくださったのです。出会いを大切にされる角田先生の温かみを感じました。
演題は「心を開く―教師自らを理解させる手だてのいろいろ」でした。辣腕校長と聞いていたことや著書の内容から厳しい口調の講演と思っていましたが、常に笑みをもって私たちを見られ、聞き手を包み込んでしまう語り口でした。もっとも話は、教育界をズバリと斬る内容です。例えば「学校を開けというが、開きっぱなしでよいのか。閉じることを忘れていないか」など、まさに角田節です。角田先生からの学びの始まりです。
実は角田先生には、昨年度も今年度も五日間、本校に来ていただきました。学校経営診断をしていただくためです。独りよがりの学校経営であってはいけません。角田先生には、学校をまるごと見ていただき、感じられたことを率直に話していただいています。次回は、その内容を紹介したいと思います。
(2014年2月17日)