★このコラムは、小牧市立小牧中学校のホームページ「小牧中PTAの部屋」を運営されている斎藤早苗さんによる保護者コラムです。「愛される学校づくり研究会」から強くお願いして、保護者の目から見た学校や教育について執筆していただくことになりました。ご自身は「私は学校の応援団長」と称しておられますが、さてどのような切り口で学校教育に迫っていただけるのでしょうか。とても楽しみなコラムです。
【 第13回 】先生のことを教えて下さい
◆最初が肝心
桜が咲き誇る春、新年度が始まりました。
担任を持たれている先生方は、「今年はどのような学級を作っていこうか」と、学級経営にさまざまに思いを巡らせていらっしゃることでしょう。
昨今、学級崩壊の話は、予備軍も含めると、全国どこの学校でも聞かれるようになりました。
きっと先生方は、「一年を通じて楽しく学び合える学級を作ろう」と一生懸命努力をされていることと思います。
その実現のために、とても大切な1ヶ月が始まりました。
年度初めは、事務仕事も膨大ですし、とにかく忙しい毎日だと思いますが、どうかこの1ヶ月を大切に過ごしていただきたいと願っています。
◆情報源は「噂話」
新年度、新入生はもちろんですが、在校生も多くはクラス替えが行われます。
子どもたちは、クラスのメンバーがとても気になっています。さらに、担任の先生がどなたになるのかは、最もワクワクドキドキする話題です。
これは、保護者にとっても同じことです。
我が子のクラスのメンバーは、とても気になります。メンバーによっては、正直に言って、「いじめが起きたらどうしよう」とか「学級崩壊したら困るなあ」という思いを持つこともあります。
そして、担任の先生についても、やはり一喜一憂のタネになります。
一生懸命にやっておられる先生方には申し訳ないことですが、保護者なら誰でも、評判のよい先生に我が子の担任になってもらいたい、と願っていますから、担任発表はドキドキものです。
保護者が持っている情報は、とても限定的なものです。
子どもたちから聞く話や、他の保護者から聞く噂話が主な情報源です。ですから、中には、事実とはかけ離れた情報もありますし、その情報自体が間違っていることもありえます。そんな「不確かな情報」をもとに、保護者は、学校や先生に対して、勝手にイメージを作っているのです。
私が「PTA役員をやっていてよかった」と思うことについて、先回のコラムで話題にしました。
「学校の組織がよくわかること」を挙げましたが、それと関連したことに、「先生方と交流する機会が増えたこと」もあります。
先生と直接お話ししたり、先生から別の先生のことなどをお聞きしたりする中で、「へえ〜そうなんだ」「噂とはずいぶん違う感じだなあ」などと、これまで持っていたイメージが間違っていたな、と感じることがありました。
つまり、誤解されているケースがたくさんあるだろう、ということです。
◆ホントの先生が知りたい
新しい学級が始まるとき、担任の先生は、子どもたちに向けて自己紹介をされるでしょう。
子どもたちに自分のことを知ってもらおうと、いろいろと工夫をされることと思います。
先に書いたように、学級づくりは「最初が肝心」ですから、先生も子どもも、相手に理解してもらうことや相手を理解することに力を注ぎますよね。
そこに、保護者も加えていただけるといいな、と思うのです。
保護者も、担任の先生のことを、とても知りたがっています。
噂話ではなく、先生自身の口から自己紹介していただければ、保護者も先生の人となりがよくわかり、安心できます。
学校によっては、年度初めに学級懇談会が開催され、担任の先生から直接お話しをうかがう機会があります。しかし、なかなか保護者が集まらない、という話もよく聞きます。保護者側の意識を変えていく必要もあるのでしょう。
学校や先生にとっても、保護者に正しい情報を把握してもらうことは大切なことですよね。
年度初めに、担任の先生をよく知ってもらうために、「○○先生通信」を発行してみてはいかがでしょか。
「学級通信」となると、忙しい先生方にとっては、「定期的に発行しなければ」とプレッシャーになるかもしれません。でも、年度初めの「自己紹介」だけ、という通信でもいいと思うのです。自己紹介に加えて、「こんな学級にしたい」という先生の思いを書き添えてくだされば、きっと保護者にも伝わり、応援してくれる存在になってくれるだろうと思います。
縁あって、クラスのメンバーになった先生と子どもたちです。
そこに保護者も加えていただいて、みんなで「ステキなクラス」を作っていけるといいですね。
(2014年4月7日)