【第4回】「合唱曲試聴システム」で文化祭の曲目選び
2学期がスタートして1か月。今学期の大きな行事の一つである体育大会が無事終了し、ホットしている私であり、未だにその疲れが抜けきれない私でもあります。う〜ん、年でしょうか? いえいえ、少々言い訳をさせていただきますと、"熱闘綱引き甲子園"に参加し、全身筋肉痛になっていたのです。
この綱引き甲子園は、3年生の学年競遊ですが、ただの綱引きではありません。生徒は自分たちの綱を一緒に引いてくれる応援者を、体育大会を見に来られた保護者やお客さんから連れて来るのです。つまり綱引きと借り物競走の要素を兼ね備えた競技で、いかに多くの応援者を連れて来るかに勝利がかかっているのです。事前に生徒は、保護はもちろん、ご近所の方にも日時を伝えます。学校でも他学年の先生方にお願いして回ります。当日は、演歌(競技考案者の永田3年生主任のこだわり)をBGMに、お父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも(?)、先生も生徒も一緒に「そ〜れ、そ〜れ!」。
7クラス、トーナメント方式ですので、優勝するには3回勝たなければいけません。が、応援者は、次々にお願いされたクラスの綱を引きますから、5回全て綱を引いている方もいると思います。終了後の生徒の話では、「おれの母さん、手にまめができたよ」とか「私のお母さんは、踏ん張ったときに、足に水ぶくれができたよ〜」とのこと。快くご協力くださった方々に、感謝の気持ちでいっぱいになりました。この競技、今年で4回目ですが、本校体育大会の目玉競技であり、新しき伝統にもなりつつあります。もし、よかったら、みなさんも一緒に綱を引きませんか!
伝統と言えば、文化祭1日目のコーラス大会もその一つです。コーラス大会では、どのクラスも最優秀賞を目指して、クラス一丸となって練習に取り組むわけですが、その最初のポイントになるのが選曲。担任の先生は、音楽科の先生が提示された資料をもとに、生徒に聴かせる候補曲をいくつか選びます。多数あるCDを一枚一枚手にし、ラジカセに入れては出す作業を繰り返します。ラジカセを用意したり、聴きたい曲のCDがすぐに見つけられなかったりと、選曲も大変な仕事の一つです。
ここに今年度、新兵器が登場しました。それは「合唱曲試聴システム」です。特活(学校行事や生徒会活動などの特別活動を担当する)主任の梶田先生が作成しました。それは、まずエクセルの表に合唱曲、何部合唱か、難易度、納められているCD名などが五十音順にまとめられたものがあります。聴きたい曲名をクリックすると合唱曲が納められているファイルにリンクされ、更にクリックしていくとメディアプレーヤーが立ち上がり、その曲が聴けるというシステムです。 |
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さて、話題を「合唱曲試聴システム」に戻すことにして、この恩恵に最もあやかったのは、他でもないこの私です。1学期末の学級会で曲決めをすることになり、半年間見てきたクラスの様子や生徒の特徴を考え、音楽の教科担任の先生にアドバイスをいただきながら5曲候補曲を用意しました。
システムからその候補曲を自分のノートパソコンにコピーし、学級ではスピーカーを接続し、みんなで聴きました。音が割れることもなく、音量も十分で、「よし、よし、これ決まれば言うことなし」のはずでした。が、生徒からは「先生、インパクトがない!」「最後のコーラスだよ、去年の3年生みたいに迫力がある曲が歌いたい」との声、声、声…。
ここで力量のある先生ならば、「いいか、おまえたち…」と説得できるのでしょうが、う〜ん、そこまでの力量のない私の場合は…。「去年の3年生は、みんなの心に残る歌を歌うまでに、ものすごく練習したんだよ。何を歌うかも大事だけど、どう練習に取り組むかも考えてね」とだけ話し、そこまで子どもたちがこだわるのならと、彼らの望みそうな曲を3回に分けて聴きました。全部で13曲。時間にして、3時間以上。生徒も飽きもせずにじっくり聴いていました。こんなことができるのも、まさしくこのシステムのおかげ。梶田先生に本当に感謝しています。
本校文化祭は10月30日、31日。コーラス大会は1日目の30日。もうすでに早朝から歌声が響いています。
(2003年10月20日)