★新任の先生のためのコラムです。3人のベテラン教師が、同じテーマについて語ります。
こんなことを聞いてもいいのかしら。聞いてみたいけれど、職員室では聞きにくい。面と向かっては、どうも恥ずかしい。・・・こうした新任の先生方の気持ちを察したテーマが並びます。
【第14回】私が研究授業の当日にすること −研究授業編(その3)
大羽沢子先生からの助言
○いつもどおりのリズムで過ごす。○準備したものの最終点検。
○黒板をきれいに拭く。
○重要なところにアンダーラインを引いた授業案をもう一度見る。
○もう一度、授業の終末を思い浮かべる。
と、いうことをしていますが、いつもドキドキします。(そうは見えないといわれますが)見た目より心臓がバクバクしています。授業が始まりさえすれば、緊張はだんだん取れていますが、人がたくさん見ていると思うと、ある瞬間、頭が真っ白になることもあります。しかし、後は日頃の自分です。隠そうと思っても隠せません。覚悟を決めることです。
●大羽 沢子(おおば・さわこ)先生/昭和60年、教員生活スタート。小学校教諭24年、通常学級を担任していた時に発達障害が疑われる子どもと出会ったのをきっかけに、教育相談の道に。平成15年度より兵庫教育大学大学院学校教育研究科教育臨床心理コースで2年間学ぶ。現場に戻ってからは通常学級を2年担任し、本年度より特別支援学級の担任・特別支援教育コーディネーターを務める。臨床心理士・特別支援教育士。
野木森広先生からの助言
何もしない。研究授業は、とかく緊張しがちである。子どもに教師の緊張が伝わってはならない。当日しか行えない準備など、特殊事情を除いては、何もしない。
あえて言えば、
1.普段通りの指導を行う。
朝の会、休憩時間中の子どもとの接触など、普段通りに行う。
2.いつものゲームを行う。
ゆとりがあれば、普段行っている子どもたちの好きなゲームなどを行う。研究授業直前に、クラスの一体感と集中力を高めることができる短いゲームがよい。
3.笑顔で迎える。
授業本番は、子どもの言動に柔軟に対応する姿勢が大切である。いつもの子どもとの楽しいふれあいをイメージして、本番を笑顔で迎えたい。
●野木森 広(のぎもり・ひろし)先生/昭和55年、教員生活スタート。小学校教諭23年、教頭4年、平成19年度より愛知県教育委員会義務教育課指導主事。専門は理科。大学時代は男声合唱団に所属。今は合唱はしていないが、人知れず大声で歌うことでストレスを発散している。現在、全国学力・学習状況調査の担当として分析プログラムの開発に向けて奔走中。
酒井直樹先生からの助言
私は、いつもより早く出勤して、チョーク、プリント、配付物など授業で使う物の確認をしている。若いとき、研究授業中、あれがない、これがないという失敗をしたので…。
そして、研究授業が終わったあと、行うことは、
○子どものノート等を集め、授業評価をする。
○研究協議会で出された意見を謙虚に受け止め、改善策を考える。
以上のことを、その日のうちにきちんとまとめ、記録し、明日からの授業に生かすようにしている。
「授業力アップが子どもたちの学力アップにつながる。」
●酒井 直樹(さかい・なおき)先生/昭和55年、大学を卒業後、中学校に21年、小学校に7年勤務。専門は数学。座右の銘は「情熱なきところに教育なし」だが、情熱が空回りすること多し。しかし、へこたれずにがんばることが私のモットー。現在、月刊誌「楽しい算数の授業(明治図書)の授業力UP!今月の授業と発問」の執筆と編集を担当。自主研修会を定期的に開催して若手教員の育成に全力を尽くしている。
(2008年11月24日)