★新任の先生のためのコラムです。3人のベテラン教師が、同じテーマについて語ります。
こんなことを聞いてもいいのかしら。聞いてみたいけれど、職員室では聞きにくい。面と向かっては、どうも恥ずかしい。・・・こうした新任の先生方の気持ちを察したテーマが並びます。
【第13回】私が研究授業の前日にすること −研究授業編(その2)
大羽沢子先生からの助言
○授業のシミュレーションを繰り返す。(できれば、誰かに生徒役になってもらうといい)○板書の練習をする。
○準備するものの点検をする。
○ビデオカメラの準備。(自分でセッティングして、自分が気になるところを写す)
○良く寝る。
と、いうのが完璧にできたら私ももっと授業はうまくなっていたはず。いつも何かしらあわてていて何かが抜けてしまいます。自分の苦手なことや落としがちなことは、先輩や同僚に手伝ってもらうといいです。「何もかも自分で」と思うと、余計緊張したり、イライラしたりで子どもに影響します。
●大羽 沢子(おおば・さわこ)先生/昭和60年、教員生活スタート。小学校教諭24年、通常学級を担任していた時に発達障害が疑われる子どもと出会ったのをきっかけに、教育相談の道に。平成15年度より兵庫教育大学大学院学校教育研究科教育臨床心理コースで2年間学ぶ。現場に戻ってからは通常学級を2年担任し、本年度より特別支援学級の担任・特別支援教育コーディネーターを務める。臨床心理士・特別支援教育士。
野木森広先生からの助言
授業をイメージする。指導案を見ながらでは授業にならない。すべて頭の中に入れることが大切。
そのために、
1.A4一枚に授業の流れをまとめる。
どのような言葉で導入するのか、どこで教材を提示し、どう発問するのか、具体的かつシンプルにまとめる。A4一枚にまとめることで、余分なことがそぎ落とされ、大切なことだけが残る。手書きで図式的に書く方がイメージしやすい。
2.シミュレーション授業(一人芝居)を行う。
教室で実際の授業通りに発問したり、板書したりする。誰がどんな発言をするのか、どんな追究活動をするのか、一人ひとりの言動を思い描きながら授業をする。これにより、子どもの反応が想定でき、準備物も確認できる。授業のイメージが固まるまで繰り返す。
3.早めに寝る。
頭が冴えていないといい授業はできない。睡眠時間はたっぷりとる。眠っている間に授業のイメージが醸成される。
●野木森 広(のぎもり・ひろし)先生/昭和55年、教員生活スタート。小学校教諭23年、教頭4年、平成19年度より愛知県教育委員会義務教育課指導主事。専門は理科。大学時代は男声合唱団に所属。今は合唱はしていないが、人知れず大声で歌うことでストレスを発散している。現在、全国学力・学習状況調査の担当として分析プログラムの開発に向けて奔走中。
酒井直樹先生からの助言
研究授業はだれもが緊張するもの。私は、前日に、シミュレーション授業(模擬授業)を行っている。
同僚に子ども役をしてもらい、本番の授業と同じように流す。
発問や指示、板書などをチェックしてもらう。
これをやることで、時間配分などもわかる。
当日、時間が足りなくなってきたら、どこをカットするかもここで決めている。
授業は生き物。思うようには進まないもの。準備を万全にしておくことで心にゆとりが生まれる。
当日はいつもと同じようにスマイルでいきたい。
●酒井 直樹(さかい・なおき)先生/昭和55年、大学を卒業後、中学校に21年、小学校に7年勤務。専門は数学。座右の銘は「情熱なきところに教育なし」だが、情熱が空回りすること多し。しかし、へこたれずにがんばることが私のモットー。現在、月刊誌「楽しい算数の授業(明治図書)の授業力UP!今月の授業と発問」の執筆と編集を担当。自主研修会を定期的に開催して若手教員の育成に全力を尽くしている。
(2008年10月27日)