愛される学校づくり研究会

★新任の先生のためのコラムです。3人のベテラン教師が、同じテーマについて語ります。
こんなことを聞いてもいいのかしら。聞いてみたいけれど、職員室では聞きにくい。面と向かっては、どうも恥ずかしい。・・・こうした新任の先生方の気持ちを察したテーマが並びます。

【第10回】新任のうちに身につけておきたい習慣−その2

伊藤彰敏先生からの助言

優先順位をつける
 これからどんどん忙しくなってきます。大村はまは、「生きている人はみな忙しく、忙しくないのは病人か、役にたたない人かのどっちか」「忙しければ忙しいほど、その人に能力があること」と言っています(『教えるということ』)。
 この忙しさの中で、習慣づけたいことは、優先順位をつけることです。
 学期末は、通知表を書く、帳簿をまとめるなど仕事が重なります。ふだんでも、研究授業と行事というように仕事が束になって襲いかかってくることがあります。そんな時には、今、何を一番にすべきかを考え、行動する習慣をつけることが大切です。目の前の仕事に振り回されないことです。今やるべきことの1番はこれ、2番はこれと決め、1つずつあせらず実行していくことです。
 その時、留意したいのは、目の前の児童生徒から目を離さない、寄り添うことです。私たちの仕事は、子どもあってのものです。出発点は子どもです。忙しいときほど、子どもに寄り添う。これが優先順位の第1と考えるべきです。
 また、「目的」と「手段」について考えることも重要です。ややもすると、手段が目的になってしまうことがあります。自分の行動の意味を考えたいと思います。

●伊藤 彰敏(いとう・あきとし)先生/平成20年から一宮市立大和南中学校に勤務。中学校教員として27年目。「論」のある国語科の授業をめざしている。

 

野田和弥先生からの助言

メモする
  • 子どものよい行動をメモしておく
  • 書き出したほめ言葉をどんどん使う
  • ノートや付箋紙を活用し、わずかなすきまの時間にメモする
  • 1週間に一人1つメモすることをめざす
  • なかなかメモできていない子には、教師から声をかけて話をすると何か発見ができる
  • 子ども一人ひとりが発表する会を行ったときは、発表内容とコメントを即座にメモしておく
  • 家庭訪問や個人懇談会では、メモの内容を参考にして保護者に具体的な話ができる
  • メモが通知表の所見を書くときに役立つ
  • 親や子も気づいていない、その子のよさを見つけることをめざす

●野田和弥(のだ・かずや)先生/昭和59年、教員生活スタート。小学校に6年、中学校に13年、再び小学校に戻り6年目。専門は数学。座右の銘は「教育とは人生のタネ蒔きをすることなり」。本年度より、校内の特別支援教育コーディネーターを務める。現在、月刊誌「楽しい算数の授業(明治図書)の授業力UP!今月の授業と発問」の編集を担当。教師力アップセミナー運営委員。

 

百瀬薫先生からの助言

研修会・研究会・講演会などへ参加
 どうしていいのか悩んだり、新しいことをしてみたいと思ったりするときは、同じような悩みや課題を持っている人達の集まりに参加してみるのがいいと思います。職場の出張だけではなくて、自分で探して出かける研修の機会も大切です。雑誌にもたくさん掲載されるので、常にチェックをしておきましょう。
 研修会などに出かけるときは、必ずお金を多めに持って行くといいと思います。会場で、講演に関係する参考文献などの掘り出し物の販売があることがあるからです。また、その場で出会った人と連絡先を交換したり、講師にお礼や自分の感想などの手紙を書いたりすると「縁」も広がると思います。同じようにできる範囲でいいのですが自分の住んでいる地区の行事の参加も大切に考えていきたいものです。

●百瀬薫(ももせ・かほる)先生/信州大学を卒業後、2年間の中学校(国語科)での臨時採用期間を経て平成8年長野県に正式採用となる。以後、小学校2校、中学校1校を経験し、平成19年度に、ベルギー王国ブラッセル日本人学校中学部(国語科)へ文部科学省より派遣。自分探しの旅を続ける。趣味は読書と写真撮影。「縁」を大切にしたいと願う生活のなかで得た人脈は、本人を支える大きな力となっている。

(2008年7月7日)

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新任の先生のためのコラムです。
元気になれるコラムです。
3人のベテラン教師が、同じテーマについて語ります。

こんなことを聞いてもいいのかしら。
聞いてみたいけれど、職員室では聞きにくい。
面と向かっては、どうも恥ずかしい。
こうした新任の先生方の気持ちを察して、「そうそう、こういうことが聞きたかったのです!」というテーマが並びます。

3人の意見が一致するときも、反対になるときもありますが、正解は一つだけではないということ。
ベテラン教師の語りをもとに、あなた自身が考えることが大切なのです。